脳神経外科

難治てんかんや脳腫瘍など脳にまつわる病気を診療。救急は24時間365日対応
脳神経外科では、頭痛やめまいなどのお悩みはもちろん、間脳下垂体疾患・頭蓋底疾患・難治てんかん・脳腫瘍などの手術も行っています。多くの患者さまを救いたいという考えから、緊急の際は、受け入れが可能な限り24時間365日検査や治療に対応しています。脳神経外科の診療と救急医療を軸に、地域医療に貢献してまいります。長引く頭の痛みやめまいなどの症状で悩んでいる方、薬を飲んでもてんかんの症状が改善されない方はいつでもご相談にいらしてください。
脳神経外科に関するQ&A
脳卒中センター
脳神経外科・リハビリ科で構成されているのはなぜですか?

急性の治療から、リハビリテーションまで一貫してサポートするためです。
1982年の開院以来、当院は脳卒中の救急医療に力を入れてまいりました。江戸川区は人口だけでなく高齢者数も増え続けているため、脳卒中のリスクが高い方も多いといえます。脳梗塞や脳出血などの脳血管障害は、命に関わる病気でもありますし、手術後の後遺症からリハビリテーションや介護を要する場合もあります。
当院では、急性期の脳卒中の患者さまを集中的に治療できるよう、SCUケアユニットを12床設けています。「日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医」が複数在籍しており、カテーテル治療に対応できる部屋も3部屋ありますので、救急の際は24時間365日対応できるのが強みです。
脳卒中の治療は、血栓回収療法など治療技術が高まっています。しかし、ただ治療を行うだけでなく、治療後のリハビリテーションと栄養管理が改善を目指すためには重要だと感じます。そのため、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリテーションスタッフも多く在籍させ、脳卒中を発症した数日以内にリハビリテーションを開始できる体制を整えました。
また、一貫した治療を行えるよう、脳神経外科・神経内科・リハビリテーション科で構成しています。大きな特徴としては、毎朝、各科の医師とミーティングを開き、回診を全員で行い、入院している患者さまをチーム一丸となって管理しているところです。リハビリテーションで改善に向かいましたら、回復期リハビリテーションを行っている森山脳神経センター病院にご案内します。
間脳下垂体疾患の手術
間脳下垂体疾患では、どのような手術を行いますか?

内視鏡を使用した手術のため、より患者さまの負担を減らした状態で治療を行うことができます。
下垂体は脳の中心部にある器官で、さまざまなホルモンの分泌を調整する役割があります。何らかの理由で下垂体に異常が起こると、頭痛や手足の肥大化、視力障害、嘔吐などの症状が現れます。具体的な疾患としては、先端巨大症・クッシング病・ラトケ嚢胞・頭蓋咽頭腫・鞍結節髄膜腫などがあります。
間脳下垂体疾患に対して、当院では4K技術を搭載した内視鏡による経鼻内視鏡手術を行っています。内視鏡手術は開頭をする必要がないため、患者さまの負担を減らすことが可能です。手術中はVEP(visual evoked potential)モニタリングで、視機能などの状態を監視しながら進めていきます。術後はホルモン検査をするなど経過観察を行い、ホルモン補充療法や放射線療法、薬物療法で症状の改善を目指します。
頭蓋底外科手術
頭蓋底外科手術で気をつけていることは何ですか?

頭蓋底には繊細な神経がありますので、痺れなど後遺症が現れないように手術を行います。
頭蓋底の手術は、脳神経や酸素・栄養を運ぶ動脈といった繊細な組織が密集しているため、治療の技術が求められます。腫瘍を摘出する際は、脳神経を傷つけて痺れなどの後遺症をもたらさないように、脳波・MEP・ABR・SEPなどをモニタリングしながら慎重に進めます。そのほか、手術顕微鏡やナビゲーションシステムなども導入しており、腫瘍の位置や大きさによっては手術の回数を分けたり、開頭手術と内視鏡治療を組み合わせたりするなど、患者さまの状態に合った治療を選択していきます。
執刀は難症例の経験がある医師が担当いたします。治療に関して不明点がありましたらおっしゃってください。また、手術だけでなく、化学療法や放射線治療にも対応しています。
難治てんかんに対する手術
薬を飲んでもてんかんの発作が起こる理由は何ですか?

難治てんかんの疑いがありますので、一度検査をして調べましょう。
てんかんの発作は、神経細胞が過剰な活動により、突然意識を失いけいれんを起こします。てんかんにはさまざまな種類がありますが、患者さまに多く診られるのは側頭葉てんかんです。側頭葉てんかんは、内側側頭葉・海馬・扁桃体・海馬傍回などが硬化することで起こりますので、MRIや脳波などの検査をして異常がないかどうかを調べます。大抵の場合は、お薬を服用することで症状が落ち着きます。
ただし、てんかんの患者さまのなかには、薬を飲んでも改善されない難治てんかん(薬物抵抗性てんかん)の方もいらっしゃいます。そうした場合は、手術をご提案しています。手術前に、MRI検査や脳波測定はもちろん、PET検査やSPECT検査も行い状態を確認します。検査の結果、手術を要すると判断しましたら、痺れなどの後遺症をもたらさないようMEP・SEPをモニタリングしながら手術を行います。
悪性脳腫瘍
脳腫瘍の診療ではどのようなことを心がけていますか。

脳腫瘍が見つかった際は、速やかに良性・悪性の鑑別し、早期に治療を行うことです。
代表的な悪性脳腫瘍には、悪性膠芽腫や転移性脳腫瘍、髄芽腫、嗅神経芽細胞腫があり、症状として頭痛やてんかん発作が現れます。腫瘍が小さいうちは自覚症状が少ないため、画像検査をした際に発覚することがほとんどです。腫瘍がある場合は、良性か悪性かを鑑別するために病理検査を行います。
当院では経鼻内視鏡手術と薬物療法に対応しています。放射線治療が必要な際は、国立がん研究センターをはじめとする医療機関と連携を取りながら改善を目指します。今後は術中迅速診断ができる体制を整えるなど、より良い医療の提供に努めます。
外科・消化器外科

腹腔鏡手術に対応。消化器や肛門に関する病気はお任せください
消化器外科では、胃から肛門まで、消化器に関するあらゆる病気を診ています。具体的に対応している疾患は、胃十二指腸潰瘍、大腸憩室炎、虫垂炎、胆石症、総胆管結石症、鼠径ヘルニア、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、内痔核、裂肛、痔ろう、肛門周囲膿瘍などさまざまです。
これらの病気を早期に発見するため、当院は内視鏡やMRIなどの検査設備を備えています。また、がんを発見した際は、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や腹腔鏡手術、化学療法などの治療が可能です。医療技術の進歩により、ほとんどのがんは開腹せずに切除できるようになっていますので、今後も知識を吸収しながら治療にあたりたいと思います。
外科・消化器外科に関するQ&A
急性疾患
腹痛がある場合、どのような原因が考えられますか?

消化器の出血や炎症、虫垂炎、腸閉塞などの可能性があります。
おなかの痛みや張り、呑酸などの症状は、主に消化器の出血・穿孔(穴があいた状態)、虫垂炎、腹膜炎、腸閉塞によって起こります。お薬を処方して改善を目指しますが、必要に応じて腹腔鏡手術をご提案します。
急を要する腹腔鏡手術は、24時間365日対応しています。小さな傷口で手術を行えるため、患者さまへの身体の負担も軽く、良好な予後が期待できます。手術の際は4K技術のカメラを使って、炎症の程度や範囲を鮮明な画像で確認しながら進めます。また、状態に応じてIR(赤外光)観察システムを使用し、処置における血流評価をする際に役立てています。おなかにまつわる症状でお悩みの方は、一度ご相談ください。
良性疾患
腹腔鏡手術や胸腔鏡手術を行う際に、気をつけることを教えてください。

服用しているお薬によって出血しやすくなるため、詳しく伺うようにしています。
胃・十二指腸・小腸・大腸の病気には、胃十二指腸潰瘍、大腸憩室炎、虫垂炎、胆石症、総胆管結石症、鼠径ヘルニアなどがあります。当院では、これらの病気に対する外科的治療が可能です。例えば、胆石症・総胆管結石症であれば腹腔鏡手術をします。また、胸腔鏡を導入しているので、気胸に対する胸腔手術も可能です。
手術をする際に特に気をつけていることは、服用しているお薬があるかをしっかりと伺うことです。脳疾患を患っている患者さまの多くは、血液をサラサラにするお薬を服用されています。このお薬は手術中に出血しやすくなるため、注意を払いつつ手術にあたっています。
肛門疾患
肛門の病気にはどのようなものがありますか?

内痔核、裂肛、痔ろう、肛門周囲膿瘍などがあります。
肛門疾患はデリケートな部位であるため、恥ずかしいという気持ちのせいで受診をためらってしまい、治療の開始が遅れてしまうこともあります。そうした気持ちや痛みを汲み取りながら、患者さまに寄り添った診療を心がけていますので、気兼ねなくご来院いただけたらと思います。
診察では、肛門鏡を使って状態を確認します。また、痔ろうや肛門周囲膿瘍の疑いがあれば超音波検査で、深い痔ろうであればMRIで詳しく調べることが可能です。そのほか、肛門機能障害を調べる肛門内圧検査を行っています。下痢や便秘、排便時の痛みなどがありましたらご相談ください。
肛門疾患、消化器疾患を並行して診られる強みは何ですか?
同じ症状が現れるケースが多いため、一度の診療でどちらの領域か鑑別できることです。
胃・大腸の疾患と肛門疾患は、腹痛・おなかの張り・下痢・便秘など、似ている症状が現れます。代表的な疾患としては、大腸がんやクローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、十二指腸潰瘍です。
当院では、消化器疾患と肛門疾患を並行して診療できるほか、さらに内視鏡検査ができる体制を整えていますので、早期の検査や治療につなげることが可能です。大腸内視鏡検査をする際は、検査後のおなかの張りを抑えるためにCO2で腸管を膨らませたり、鎮静剤を使用したりして、負担の軽減に努めています。検査の様子を見たいというご要望や、眠った状態で検査を受けたいなど、患者さまにご希望に合わせて鎮静剤の量を調節することが可能です。リカバリールームをご用意していますので、検査後はそちらでしっかりと休息を取っていただけます。
悪性疾患
消化器がんの場合、どのような治療を受けられますか?

内視鏡的粘膜下層剥離術や腹腔鏡手術、化学療法に対応しています。
当院では、胃がん・食道がん・十二指腸がん・小腸がん・大腸がん・肝臓がん・胆嚢がん・すい臓がんの手術を行っています。ほかにも、消化管悪性リンパ腫やGIST(消化管間質腫瘍)も対応可能です。
がんの進行度によって治療方法は異なりますが、患者さまの状態に合わせながら治療計画を立てていきます。内視鏡的粘膜下層剥離術や腹腔鏡手術でがんを切除し、手術後は化学療法、疼痛コントロールによって経過を観察します。できる限り、開腹せずに治療を進められるよう考えてまいります。
循環器内科

経皮的血管内治療で、狭心症や心筋梗塞など循環器疾患を治療します
循環器内科とは、血管や心臓といった血液の循環に関わる病気を診る診療科です。当院では救急医療を行っていることから、24時間いつでも治療ができる体制を整えています。特に経皮的冠動脈インターベンション(経皮的血管内治療)や心房細動のカテーテルアブレーションなどの経皮的血管内治療に力を注いでいます。そのほか、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療も行っていますので、循環器に関する病気にお悩みの際はご相談ください。
経皮的血管内治療
狭心症などの血管障害に対してどのような治療を行っていますか?

詰まった血管をバルーンやステントで広げる、経皮的血管内治療を行っています。
経皮的冠動脈インターベンションは、狭くなった冠動脈の部分に細いワイヤーを通過させてバルーンやステントを置き、血管を広げる治療方法です。これまでは、冠動脈バイパス手術が主流でしたが、経皮的冠動脈インターベンションが考え出されたことにより治療時間もおよそ1時間で済むようになりました。後日、リハビリテーションが必要ですが、入院期間も2泊3日と短い期間です。
そのほか、当院では心房細動のカテーテルアブレーション、房室ブロックのペースメーカー植え込み、深部静脈血栓症の下大静脈フィルター留置術、下肢閉塞性動脈硬化症の末梢血管形成術などにも幅広く対応しています。
睡眠時無呼吸症候群の診断・治療
いびきが大きかったり、静かになったりすると家族に指摘を受けました。

睡眠時無呼吸症候群の疑いがありますので、一度検査をして調べてみましょう。
日中に強い眠気があって仕事に集中できなくなったり、家族に睡眠時の呼吸が止まっていることを指摘されたりする方は睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。睡眠時無呼吸症候群とは、主に肥満が原因で睡眠中に呼吸が止まってしまい、血中の酸素濃度が下がることによって各臓器に影響を及ぼしてしまう病気です。また、肥満で発症することから、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病を併発しているケースもあります。
当院は1泊入院によるポリソムノグラフィー検査(PSG)にて、睡眠中の脳波や血中の酸素濃度、目・あごの動きなどを観察していきます。検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断しましたら、CPAP療法や生活改善の指導による治療を開始します。生活改善の指導では、管理栄養士が現在の食生活をヒアリングし、食事に関する注意点をアドバイスしますので、気になることがありましたら遠慮なくお尋ねください。
救急医療

救急を広く受け入れ、多くの患者さまを救うことが使命です
当院では、一人でも多くの患者さまを診ることを使命としており、医師・スタッフ一同、三つの目標を掲げて診療にあたっています。
一つ目は、断らない救急医療です。当院での受け入れ可能な限り、診療分野にとらわれることなく臨機応変に対応することを心がけています。二つ目は、速やかかつ丁寧に対応することです。どのような病気も当院で診断できるよう、MRI検査をはじめ、CT検査、血液生化学検査、生理検査などを行っています。最後に、24時間365日、救急医療を受け入れることです。救急救命士と連携を取りながら、24時間、手術にも対応できる体制にしています。
今後も多くの方々の健康を守り、地域医療に貢献してまいります。
救急医療に関するQ&A
迅速な救急医療の実施
救急医療では、どのようなことを意識されていますか?

医師やスタッフの数を充実させ、迅速かつ柔軟に対応できる体制を敷くことを心がけています。
救急医療において大切にしていることは、救急現場のスタッフを充実させることです。医師一人の力だけの力では対応することが難しく、救急救命士と密に連携を取りながら、より多くの患者さまを受け入れられるようにしています。情報交換もスムーズに取っているため、災害発生時などで負傷した患者さまを重症度に合わせて優先的に対応することも可能です。救急救命士が常駐していることにより、患者さまの状態・搬送の経緯・現病歴などの把握もしやすい体制になっています。
また、検査の体制も充実させてきました。対応している検査は、血液検査をはじめ、心電図検査、エコー検査、MRI検査、CT検査などです。また、新型コロナウイルス感染症の患者さまも、全自動PCR検査装置を取り入れたことにより、早い段階から対応することができました。特に脳神経外科の診療に力を入れていることもあり、MRIとCTによる画像検査は24時間365日できる体制を敷き、速やかに手術につなげることが可能です。
森山記念病院の基本情報
診療科目 | 脳神経外科 脳神経内科 外科 消化器外科 循環器内科 整形外科 肛門外科 リハビリテーション科 泌尿器科 内科 消化器内科 心臓血管外科 麻酔科 歯科口腔外科 耳鼻咽喉科 乳腺外科 | |||||||||||||||||||||||||||
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標榜科目 | 間脳下垂体外科/大腸・肛門外科/麻酔科(四維 東州 医師) | |||||||||||||||||||||||||||
診療内容 |
間脳下垂体 脳卒中 救急医療 消化器 内視鏡 化学療法 人工透析 循環器 頭蓋底腫瘍 胃ろう 睡眠時無呼吸症 頭痛 不整脈 禁煙 膠原病リウマチ 血管外科 糖尿病内分泌 慢性疼痛歩行障害 脊椎脊髄外科 |
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住所 |
東京都江戸川区北葛西4-3-1地図
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アクセス |
都営バス くすのきカルチャーセンター前停留所 下車徒歩約1分 地下駐車場(有料:100円/20分) |
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診療時間・休診日 |
休診日 日曜・祝日 土曜診療
※上記は、外来の受付時間となります。 |
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電話番号 |
03-5679-1211 |
特徴・設備
設備 |
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駐車場 |
地下駐車場(有料:100円/20分) |
専門医 |
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掲載している情報についてのご注意
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