坂本 眞一先生(日本肝臓学会認定 肝臓専門医)にインタビュー
治療を行うだけでなく、その後のフォローアップにも尽力する医師
研究などで肝臓についての理解を深め、勤務医として働き始めた頃、それまではなかなか治ることのなかった肝炎に対して検査や治療ができるようになり、寛解可能な疾患へと変化していきました。長く付き合うことが当たり前だった疾患の症状が抑えられるようになったからこそ、同じことを繰り返さないようにするためにも「治療はこれで終わり」と考えるのではなく、その後のフォローアップを重要視しています。
また、開業医だからこそ患者さまお一人おひとりと突き詰めたお話ができていると感じています。生活習慣や症状が出た背景、家族構成などを詳しく伺うことでよりその方にあった治療をご提案できるので、そこは以前と大きく変わったところですね。
疾患の早期発見・治療に尽力し、オーダーメードの治療をご提案
当院では、生活習慣の乱れがないかを確認したうえで、血液検査や腹部超音波検査を行います。生活習慣を変えることで症状が治まる方が多いのは事実ですが、なかには肝炎を引き起こし、肝硬変へと進行してしまう場合もあります。早期発見・早期治療のためにも自覚症状がないからと言って放置せず、お早めにご相談ください。
また、ウイルス性肝炎は感染症ですから、感染機会は何だったのか、家庭内感染のリスクの有無などを把握し、指導するようにしています。「治療をして終わり」ではなく治療後のフォローアップも丁寧に行っていますので、長く健康を保つためにも多くの方に頼っていただきたいです。
私が学生の頃、肝硬変は治らない疾患で、症状は進む一方と言われていました。ですが現在は対応するお薬や治療方法が出てきたことにより、症状の緩和が目指せる疾患となっています。だからこそ、早期に発見・治療することや、治療後も定期的に検査をして健康を維持することが重要です。
また、どれだけ患者さまに合った治療を提案できるかが大切だと思っています。たとえば、ご年配の方に厳しい食事制限をして、体力や筋力が衰えてしまっては生活の質の低下につながりますから、その方にとって何が大切かを見極めながら対処方法をご提案しています。
地域のかかりつけとしても役割を果たし、一人ひとりに寄り添うことを大切に
そのため、今後コロナに関する診断が増加し、その合間で消化器疾患の検査を行わなければならない状況になった際、患者さまの持病や隠れている疾患を見過ごさないよう注意しないといけないなと考えています。また、このような状況のなかで感染予防対策も行いながら、質を落とさず診療を続けていくためにはどうしたらよいか考えていかなければなりませんね。
必要であれば、連携の医療機関をご紹介することも可能です。気になる症状があればささいなことでも構いませんので、遠慮なくご相談にいらしてください。