勤労者の心のケアを中心に幅広く対応。患者さまの訴えをしっかりと聞く医師
院長
小堀 俊一
取材日:2022年9月26日
小堀 俊一先生(日本精神神経学会認定 精神科専門医)にインタビュー
自身のコミュニケーション力や勤務医時代の経験を生かして診療
精神科の医師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
私はもともと本を読むことが好きだったのですが、中学生の頃は特に、精神科の医師でありながらも作家として活躍している方の小説を好んでいました。そのような本を読んでいるうちに自然と、精神科の医師になりたいと思うようになりましたね。
人と会話をするなかで、相手の気持ちをくみ取りながらコミュニケーションを取ることに面白さを感じていましたし、いきいきとした生活を送るには身体の健康と同様に心の健康も大切と考えていましたから、こうした自分の性格や考えも精神科の医師として生かせるのではないかと思いました。
人と会話をするなかで、相手の気持ちをくみ取りながらコミュニケーションを取ることに面白さを感じていましたし、いきいきとした生活を送るには身体の健康と同様に心の健康も大切と考えていましたから、こうした自分の性格や考えも精神科の医師として生かせるのではないかと思いました。
勤務医時代にはどのようなことに力を入れて取り組みましたか？
大学院では、統合失調症の患者さまが、社会生活を送るうえで指標となるものを生み出したいという思いで研究に励みました。卒業後はすぐに東京労災病院に赴任し、勤労者の心の健康管理に注力して取り組みました。当時は「精神障害」という概念が広まっていなかったため、精神科治療についてスタッフの理解や協力をなかなか得られず、大変な思いをしたのを覚えています。
その後、仕事と心の健康の関連性について調査・研究を行っていたことが認められ、30歳のときに副部長となり、仕事に関係するメンタルヘルスに特化して進めるようになりました。
その後、仕事と心の健康の関連性について調査・研究を行っていたことが認められ、30歳のときに副部長となり、仕事に関係するメンタルヘルスに特化して進めるようになりました。
精神疾患の診療を進めていくうえで大切にしていることはなんですか？
患者さまご本人だけではなく、ご家族にも来院いただきお話を伺うようにしています。初めて来院される方は体調が悪い状態であることがほとんどですので、十分にお話を聞けない可能性があります。その際に、患者さまの自宅での過ごし方やお仕事の状況をご家族に伺うことで、診療をスムーズに進めることができますし、同時にご自宅でのケア方法もお伝えすることができるからです。
また、うつ病などの精神疾患はエネルギーが低下している状態であり、改善するにはしっかりと「休養」することが大切です。そのため、気分転換と言って無理に外に連れ出したり、料理をしたりして余計にエネルギーを消費してしまわないようお伝えしています。
ご家族や勤務先の協力なしでは快方が難しいのが精神疾患の特徴でもありますから、患者さまの現状や治療計画についてはしっかりと共有いたします。
また、うつ病などの精神疾患はエネルギーが低下している状態であり、改善するにはしっかりと「休養」することが大切です。そのため、気分転換と言って無理に外に連れ出したり、料理をしたりして余計にエネルギーを消費してしまわないようお伝えしています。
ご家族や勤務先の協力なしでは快方が難しいのが精神疾患の特徴でもありますから、患者さまの現状や治療計画についてはしっかりと共有いたします。
患者さまだけでなくご家族も交えて診療し、より良い医療を提供
うつ病に対してどのような治療を行っているか教えてください。
うつ病の症状は、気分が落ち込み周りへの興味関心が薄れることで、また心のエネルギーが低下している「抑うつ気分」という状態が重症である場合を指します。身体因性・内因性・心因性などさまざまなタイプがあるため、早期に医師に相談し、正しい診断を受けましょう。
当クリニックでは、お薬による治療や生活の改善指導を組み合わせて行うなど、患者さまにとってより良い治療方法をご提案できるよう努めています。「一日中気分が落ち込む」「なにをするにも楽しめない」「食欲がない」などの症状により、日常生活に支障が出ている場合は一人で悩まずに気兼ねなくご相談にいらしてください。
当クリニックでは、お薬による治療や生活の改善指導を組み合わせて行うなど、患者さまにとってより良い治療方法をご提案できるよう努めています。「一日中気分が落ち込む」「なにをするにも楽しめない」「食欲がない」などの症状により、日常生活に支障が出ている場合は一人で悩まずに気兼ねなくご相談にいらしてください。
適応障害とうつ病は似ていますが、なにが異なるのでしょうか？
職場で嫌なことがあったり厳しいノルマを課せられたりすることがストレスとなり、日常生活をうまく送れなくなってしまうことを適応障害と言います。心身症状が現れるところはうつ病と症状が似ていますが、原因となっているものを切り離すことで症状が次第に改善していく傾向にあるのが適応障害の特徴です。
なかには、原因から離れられない状況の方もいらっしゃるため、そのような場合はリラックスして物事を考えられる方法を探したり、ストレスに対応できる力をつけるための治療を行ったりします。医師のこれまでの経験による知見と、患者さまの考えや希望をすり合わせ、より良い改善方法を一緒に探していければと思います。
なかには、原因から離れられない状況の方もいらっしゃるため、そのような場合はリラックスして物事を考えられる方法を探したり、ストレスに対応できる力をつけるための治療を行ったりします。医師のこれまでの経験による知見と、患者さまの考えや希望をすり合わせ、より良い改善方法を一緒に探していければと思います。
うつ病や適応障害のほかに力を入れて診療している疾患はありますか？
ご年配の方の不安障害についても注力していますね。たとえば、電車に乗っているときに気分が悪くなり、降りた後には「また同じことが起きるのではないか」と悪いイメージをしてしまうことで電車に乗れなくなるというようなパニック障害や、「家の鍵をかけたか」「ガスの元栓は閉めたか」などと一度気になることがあるとそれが頭から離れず、日常生活に支障を来してしまう強迫性障害などが挙げられます。
これらの症状は病気であり、患者さまの性格や意志の弱さなどが原因ではありませんから、改善するんだという決意と目標を持っていれば、快方に向かう可能性は十分にあります。患者さまやそのご家族に寄り添い、できるだけ早く不安障害を改善できるよう努めて参りますので、まずはご相談いただけると幸いです。
これらの症状は病気であり、患者さまの性格や意志の弱さなどが原因ではありませんから、改善するんだという決意と目標を持っていれば、快方に向かう可能性は十分にあります。患者さまやそのご家族に寄り添い、できるだけ早く不安障害を改善できるよう努めて参りますので、まずはご相談いただけると幸いです。
勤労者だけでなく、かかりつけの医師として地域住民のお悩みにも対応
現在の診療に加えて、今後はどんなことに注力したいと考えていますか？
これまでは働いている方を中心に診療を行ってきましたが、心の健康の重要性について注目され、広く認識もされるようになってきたことから、ご年配の方を診療する機会が増えてきているというのが現状です。ですから、今後は「日本精神神経学会認定 精神科専門医」として、勤労者だけではなく、地域の皆さまの心の健康をサポートしていきたいと考えています。
今後も精神的なお悩みをかかえる方は増えてきそうですね。
そうですね。現代の日本は、終身雇用制度から成果主義へと働き方が移行した背景によって、職場のストレスが原因でうつ病や適応障害を発症する方が増加傾向にあります。
しかし、多くの患者さまに対応するあまり診療がおろそかになってはいけませんから、お一人おひとりに対してじっくりとお話を伺い、質を落とさず診療を続けていくためにはどうすればよいか考える必要があると思っています。
しかし、多くの患者さまに対応するあまり診療がおろそかになってはいけませんから、お一人おひとりに対してじっくりとお話を伺い、質を落とさず診療を続けていくためにはどうすればよいか考える必要があると思っています。
これからどのようなクリニックにしていきたいか、思いをお聞かせください。
今後も、患者さまやそのご家族のお話に耳を傾け、一緒に治療方法を考えるという方針は変えずに行って参ります。また、日々移り変わる医療に関して、できる限りの情報収集を行い、より良い医療を提供できるよう尽力いたします。
また、当クリニックには診療内容を熟知した看護師と臨床心理士の資格を持つスタッフがいます。どのようなことでも相談しやすい、気兼ねなく来院できるクリニックを目指し、スタッフ一同取り組んで参りますので、お悩みがあれば抱え込まずに、一度お越しください。
また、当クリニックには診療内容を熟知した看護師と臨床心理士の資格を持つスタッフがいます。どのようなことでも相談しやすい、気兼ねなく来院できるクリニックを目指し、スタッフ一同取り組んで参りますので、お悩みがあれば抱え込まずに、一度お越しください。
