
院長・理事長
鈴木 昌秀
取材日:2022年11月1日
鈴木 昌秀先生(日本形成外科学会認定 形成外科専門医)にインタビュー
傷跡の形成デザインは3パターン以上考案し、納得できる治療を提供
どのようなご理由で形成外科を選ばれたのですか?
私はもともと美容系に興味があったので、大学病院で研修医になる時に形成外科を選んで入局しました。とはいえ、形成外科はあまりメジャーではない分野で、私も具体的に何をするのかは知りませんでした。実際に入局すると、思った以上に手術や施術の範囲が広くて戸惑いましたね。
大学の形成外科で対応するのは、頭蓋骨の変形の修正や、切断指の血管を顕微鏡で見ながら縫合するといったことから、他の科の医師との連携手術までさまざまです。また、顔面骨折や皮膚腫瘍、傷跡修正、小耳症の耳のフレーム作りなども範囲内でした。
形成外科では、骨・筋肉・皮膚・腫瘍など幅広い領域をまたいだ施術に加え、患者さまそれぞれの状態やご要望に合わせた対応が必要となります。だからこそいろいろな症例を経験し、場数を踏むことで学んできました。そのおかげで、組織をどこから移動させるか、どのように縫うことで傷跡を目立たなくするかなどを踏まえて、形成のデザインを考えられるようになりましたね。
大学の形成外科で対応するのは、頭蓋骨の変形の修正や、切断指の血管を顕微鏡で見ながら縫合するといったことから、他の科の医師との連携手術までさまざまです。また、顔面骨折や皮膚腫瘍、傷跡修正、小耳症の耳のフレーム作りなども範囲内でした。
形成外科では、骨・筋肉・皮膚・腫瘍など幅広い領域をまたいだ施術に加え、患者さまそれぞれの状態やご要望に合わせた対応が必要となります。だからこそいろいろな症例を経験し、場数を踏むことで学んできました。そのおかげで、組織をどこから移動させるか、どのように縫うことで傷跡を目立たなくするかなどを踏まえて、形成のデザインを考えられるようになりましたね。
勤務医時代のご経験の中で、今の診療に生かされていることはありますか?
大学の医局の教授から「デザインは1つに限らず、3つは考えろ」と言われ、その実践トレーニングをしたおかげで、患者さまそれぞれに合わせたデザインのバラエティーが増やせたと思っています。
お顔はもちろん手や乳房など、身体のどこをとっても同じ形の人はいませんので、テンプレート的な施術はできません。患者さまがより深く自分の症状や気になっている個所について考え、手術方法を選べるようにするという意味でも、複数のデザインを提示するメリットはあると考えています。
いざデザインが決定して手術を始めてみると、まれにですが、もっと良い方法があることに気が付くこともあります。そういった場合には即座に方向転換ができるのも、大学病院時代のトレーニング経験が生かされていると思いますね。1つの考えに凝り固まらず、患者さまの状況や出てきたアイデアを新たな選択肢とする、柔軟な対応を心がけています。
お顔はもちろん手や乳房など、身体のどこをとっても同じ形の人はいませんので、テンプレート的な施術はできません。患者さまがより深く自分の症状や気になっている個所について考え、手術方法を選べるようにするという意味でも、複数のデザインを提示するメリットはあると考えています。
いざデザインが決定して手術を始めてみると、まれにですが、もっと良い方法があることに気が付くこともあります。そういった場合には即座に方向転換ができるのも、大学病院時代のトレーニング経験が生かされていると思いますね。1つの考えに凝り固まらず、患者さまの状況や出てきたアイデアを新たな選択肢とする、柔軟な対応を心がけています。
ご自分のクリニックを開業しようと思われた、きっかけを教えてください。
私が初めて開業を意識したのは、大学の医局から総合病院へ出向している時でした。きっかけは、当時流行していたプラセンタ療法のニーズが高い中、供給が追い付いていないことを知ったからです。患者さまのニーズへお応えするためにプライベートクリニックを作りたいと考え、大学の教授に医局の大学院生の医師免許を使わせてもらいプライベートクリニックを開業する相談をして、総合病院で働きながら開業したというエピソードがあります。
開業当時は週に2日だけオープンしていて、そのうち1日を私が、もう1日が大学院生の医師に任せるという、摩訶不思議なクリニックでした。その後、教授と話して医局を円満に退職し、自分のクリニックの専従となったのが現在です。
私が持っている「日本形成外科学会認定 形成外科専門医」の資格ですが、取得をするにも維持をするにも、経験症例の提出などが必要です。苦労は大きいのですが、「専門医資格を持つ開業医」が患者さまの不安の軽減につながることを考えると、必要な資格の一つであると思っています。
開業当時は週に2日だけオープンしていて、そのうち1日を私が、もう1日が大学院生の医師に任せるという、摩訶不思議なクリニックでした。その後、教授と話して医局を円満に退職し、自分のクリニックの専従となったのが現在です。
私が持っている「日本形成外科学会認定 形成外科専門医」の資格ですが、取得をするにも維持をするにも、経験症例の提出などが必要です。苦労は大きいのですが、「専門医資格を持つ開業医」が患者さまの不安の軽減につながることを考えると、必要な資格の一つであると思っています。
傷跡が目立たず、イメージ通りの見た目を再現する手術に注力している
脂肪腫や粉瘤の治療を行うにあたって、何を重視していますか?
脂肪腫も粉瘤も手術が必要なので、なるべく傷跡が目立たない方向を考えながら切るといった配慮していますね。
脂肪腫は脂肪が皮膚の下で増殖した良性の腫瘍です。少しずつ大きなこぶのようになって初めて存在に気が付き、相談に来られる傾向にあります。粉瘤の場合は最初にしこりができて、疲れたり抵抗力が落ちたりするのをきっかけに炎症を起こし、痛みで受診される方が多いようです。粉瘤は袋状の被膜に覆われていて、丸ごと取り除かなければ再発します。しかし、痛みが出ている時は被膜内の膿だけ出して様子を見るしかありません。発症に気が付いたら痛くなる前に受診して、スムーズな治療につなげることが大切です。
ただ、脂肪腫も粉瘤も抜糸をすれば治療を終わりではありません。傷跡をなるべく目立たせないために、紫外線を予防していただいたり、上からテープを張って圧迫したりして傷を落ち着かせる必要があることを、私の方からしっかりと説明しています。
脂肪腫は脂肪が皮膚の下で増殖した良性の腫瘍です。少しずつ大きなこぶのようになって初めて存在に気が付き、相談に来られる傾向にあります。粉瘤の場合は最初にしこりができて、疲れたり抵抗力が落ちたりするのをきっかけに炎症を起こし、痛みで受診される方が多いようです。粉瘤は袋状の被膜に覆われていて、丸ごと取り除かなければ再発します。しかし、痛みが出ている時は被膜内の膿だけ出して様子を見るしかありません。発症に気が付いたら痛くなる前に受診して、スムーズな治療につなげることが大切です。
ただ、脂肪腫も粉瘤も抜糸をすれば治療を終わりではありません。傷跡をなるべく目立たせないために、紫外線を予防していただいたり、上からテープを張って圧迫したりして傷を落ち着かせる必要があることを、私の方からしっかりと説明しています。
耳瘻孔は耳の痛みを繰り返すことがあると伺いました。
はい。先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)は、耳の付け根周辺に小さな穴が開いており、粉瘤同様に疲労や抵抗力の低下などによって、腫れたり痛んだりを繰り返します。先天性のものですが、穴の内部に汚れが溜まることで耳から悪臭が発生して、気が付く方が多いようですね。耳瘻孔の穴は耳の軟骨につながっており、その管全体を摘出しなければ再発します。
耳のトラブルでいうと、耳垂裂(じすいれつ)の治療も形成外科の対応範囲です。「子どもにピアスを引っ張られた」「ニットに引っかけた」「重いピアスを愛用している」などの理由で耳が裂けてしまうのですが、意外と「裂けたら戻せない」と思っている方が多いように思います。
耳垂裂の治療では手術後の傷跡を目立たせず、耳の丸い輪郭を再現できるデザインをするのが私のこだわりです。治療のためには一度耳を切って縫い合わせる必要がありますが、傷部分が縮むのをブロックするようなデザインや、表面から見て傷が一本線にするなど、さまざまな工夫をしています。ちなみに、治療を終えてから3カ月経てば再びピアスができますよ。
耳のトラブルでいうと、耳垂裂(じすいれつ)の治療も形成外科の対応範囲です。「子どもにピアスを引っ張られた」「ニットに引っかけた」「重いピアスを愛用している」などの理由で耳が裂けてしまうのですが、意外と「裂けたら戻せない」と思っている方が多いように思います。
耳垂裂の治療では手術後の傷跡を目立たせず、耳の丸い輪郭を再現できるデザインをするのが私のこだわりです。治療のためには一度耳を切って縫い合わせる必要がありますが、傷部分が縮むのをブロックするようなデザインや、表面から見て傷が一本線にするなど、さまざまな工夫をしています。ちなみに、治療を終えてから3カ月経てば再びピアスができますよ。
陥没乳頭ではどのような治療をされていますか?
文字通り乳頭が陥没している状態なので、軽傷であれば吸引器を使って吸い出せます。
吸引器での改善が見込めない重症は、外科的な手術が必要です。放置すると陥没部分に垢が溜まりやすく、乳腺炎のリスクも高くなりますし、赤ちゃんが生まれた時に授乳ができないなどの問題も発生します。トラブルが発生するまで待たず、気になった時にさっとご相談へお越しいただければと思います。
乳房のお悩みでいうと、授乳で吸われることによって乳首が大きくなったり伸びてしまったりする、乳頭肥大に悩まれている方が少なくありませんね。見た目の美しさを求めて手術を行いますので、患者さまにどういった仕上がりにしたいのかをお伺いした上で、私の方からもデザインをご提案して、患者さまが納得できる乳首の形へ整えていきます。
吸引器での改善が見込めない重症は、外科的な手術が必要です。放置すると陥没部分に垢が溜まりやすく、乳腺炎のリスクも高くなりますし、赤ちゃんが生まれた時に授乳ができないなどの問題も発生します。トラブルが発生するまで待たず、気になった時にさっとご相談へお越しいただければと思います。
乳房のお悩みでいうと、授乳で吸われることによって乳首が大きくなったり伸びてしまったりする、乳頭肥大に悩まれている方が少なくありませんね。見た目の美しさを求めて手術を行いますので、患者さまにどういった仕上がりにしたいのかをお伺いした上で、私の方からもデザインをご提案して、患者さまが納得できる乳首の形へ整えていきます。
傷跡が生きていく上での障害にならないよう、総合的な治療でサポートする
傷跡修正は、どの程度見た目を改善できるのでしょうか?
「傷跡を見えなくする」のではなく「目立ちにくい傷にする」と思ってください。傷跡修正のデザインは身体のどこに傷ができたかや、その大きさや形によっても変わるため「こうすれば見た目が改善する」という決まった方法はありません。医局で習った「3つ以上のデザインを考える」トレーニングが、柔軟な治療に役立っていますね。
また、患者さまはなるべく早く傷を目立たせなくしたいと思いますが、受傷後の傷跡の治療を終えた後は半年ほど様子を見て、必要があれば修正を行うのが基本です。例えば、お顔の傷は意外と目立たなくなりますが、患者さまとしては焦ってしまいますよね。お気持ちは分かりますが、待つことも治療の一環であり、傷跡が落ち着くまで待ったほうが良い結果を出しやすいのです。その旨をご理解いただくためにも、患者さまへの説明を大切にしています。
ただし、リストカットの細かくて数の多い横向きの傷跡は、目立たせないことが難しいという問題があります。その場合、傷跡を「横」から「縦」にするという処置をすることで、リストカットからイメージを離れやすくすることを目指しています。
また、患者さまはなるべく早く傷を目立たせなくしたいと思いますが、受傷後の傷跡の治療を終えた後は半年ほど様子を見て、必要があれば修正を行うのが基本です。例えば、お顔の傷は意外と目立たなくなりますが、患者さまとしては焦ってしまいますよね。お気持ちは分かりますが、待つことも治療の一環であり、傷跡が落ち着くまで待ったほうが良い結果を出しやすいのです。その旨をご理解いただくためにも、患者さまへの説明を大切にしています。
ただし、リストカットの細かくて数の多い横向きの傷跡は、目立たせないことが難しいという問題があります。その場合、傷跡を「横」から「縦」にするという処置をすることで、リストカットからイメージを離れやすくすることを目指しています。
今後はどのような治療に力を入れたいとお考えでしょうか?
以前から取り組んでいることなのですが、「食事療法(※)」により注力していきたいと考えています。必要な栄養素をしっかり摂ることで内側から健康になり、外側にも良い影響を与えるという総合的な治療を提供したいですね。
また、見た目にコンプレックスがある患者さまからご相談をいただいた時には、お顔全体のバランスを見て、治療の優先順位を提案しています。例えば、目頭を切りたいという方は鼻根部が低いケースが多く、鼻筋を付けたほうが見た目の改善につながります。医師としてフラットな目線からアドバイスを行いながら一緒にデザインを考えることで、より良い見た目の追求をサポートするのが、私のスタイルです。食事や生活、お顔のバランスなどの見直しにより、患者さまが生き生きとした自分で未来へ進んでいけるように、お手伝いをさせていただければと思います。
(※)は自由診療です。料金表をご確認ください。
また、見た目にコンプレックスがある患者さまからご相談をいただいた時には、お顔全体のバランスを見て、治療の優先順位を提案しています。例えば、目頭を切りたいという方は鼻根部が低いケースが多く、鼻筋を付けたほうが見た目の改善につながります。医師としてフラットな目線からアドバイスを行いながら一緒にデザインを考えることで、より良い見た目の追求をサポートするのが、私のスタイルです。食事や生活、お顔のバランスなどの見直しにより、患者さまが生き生きとした自分で未来へ進んでいけるように、お手伝いをさせていただければと思います。
(※)は自由診療です。料金表をご確認ください。