いんとうえん咽頭炎
咽頭炎とは?
咽頭炎は咽頭に何らかの原因によって生じた炎症の総称です。
咽頭と呼ばれる部分は、鼻の奥から食道までの範囲をいいます。
上から順に“上咽頭”“中咽頭”“下咽頭”と呼びます。
それぞれ、上咽頭は鼻の奥の部分を、中咽頭は口を開けたときに見える喉の範囲を、下咽頭はさらにその下で喉の奥の部分のことです。
炎症が起こる部位や病型によってさらに詳細に分類されますが、大きく分けて、急性と慢性に分類されます。
忙しい人ほど、うがいをしたり市販薬を使ったりすることで対処しようとすることがありますが、原因によっては医療機関の受診が必要となる場合もあります。
“風邪だろう”などと軽んじて判断するべきではないことを覚えておく必要があります。
咽頭炎の症状
咽頭炎の症状では、自覚症状として最も多いのが、いわゆる喉の違和感や痛みです。
痛みの程度はさまざまですが、ひどくなれば頭痛や倦怠感、発熱などの症状を伴うことがあります。
臨床症状としては、咽頭の腫れが確認されています。
咽頭炎の診療科目・検査方法
咽頭炎の原因
咽頭炎は、ウイルスや細菌感染が原因で発症します。
俗にいう風邪の原因菌によるもの、季節によってはインフルエンザウイルスによるものや花粉症が原因となって咽頭炎を引き起こすこともあります。
溶連菌や結核菌なども原因となります。
疲労や睡眠不足、食生活の乱れなどが背景に存在すると、抵抗力が弱まることでウイルスや細菌に感染しやすくなります。
咽頭炎の予防・治療方法・治療期間
治療は咽頭に直接作用するうがい薬やトローチ、必要に応じて内服薬を使用します。
たとえば、インフルエンザウイルスが原因となる場合はインフルエンザ治療薬を、溶連菌が原因となる場合は抗生剤の投与が有効とされています。
治療期間は原因や個人差によるところもあるがウイルス感染症であれば10日前後になります。
咽頭炎の治療経過(合併症・後遺症)
咽頭炎は前述したような原因に対して適切な治療を行い、身体をしっかりと休めることで軽快する病気です。
いつまでも症状が改善しない場合、もしくは悪化する場合は、速やかに医療機関を受診し、原因の究明をもう一度するべきといえます。
日頃の生活習慣を見直したり、手洗い・うがいなどの予防策を徹底したりするなどの心掛けも大切です。
咽頭炎になりやすい年齢や性別
厚生労働省が発表している2014年患者調査(傷病分類編)によると、急性咽頭炎の推計患者数は58,000人でした。
咽頭炎の原因によって、発症しやすい年代は異なりますが、たとえば溶連菌が原因の場合は子供に多く、結核菌が原因となると成人、特に高齢者に多く発症しやすい傾向があります。
執筆・監修ドクター
経歴2002年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年6月 幕内会 山王台病院 外科
2007年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年6月 関東労災病院 外科
2009年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年10月 横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年11月 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任
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