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全身性エリテマトーデス

更新日: 公開日:
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目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 診療科目・検査
  4. 原因
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差
  8. 編集部脚注

概要

全身性エリテマトーデスとは?

全身性エリテマトーデスは難病に指定されている自己免疫疾患です。自分自身の体にある必要な成分に反応する抗体が作られることで、臓器や関節、血液などの組織と反応して症状がおこります。頬の紅斑や関節痛、臓器不全から精神疾患まで症状はさまざまです。

全身性エリテマトーデスの原因不明で根源的な治療は難しい病気ですが、ステロイド剤を使用した炎症をおさえる治療によって症状を少なくすることができます。

症状

顔面の紅斑(蝶形紅斑)、関節痛、皮膚の皮疹などの症状があります。

このほか障害が起きている部位によって、下記のような症状があらわれます。

腎臓が障害されている場合、下肢や顔面のむくみ、倦怠感など。
中枢神経が障害されるケースでは意識障害や精神障害。
血液障害では貧血や血が止まりにくいなど。

診療科目・検査

SLEの症状は多岐にわたります。
関節痛や皮疹、下肢のむくみなどでそれぞれの担当科(整形外科皮膚科など)を受診し、膠原病を疑われ膠原病内科・リウマチ科を紹介してもらうケースが多いです。

問診・診察、血沈(けっちん)検査、血液検査を行ないます。
腎臓や中枢神経などへの進行がある場合は採尿検査や腎生検、頭部のMRI、髄液(ずいえき)検査などを行います。

まずは医師による問診・診察により症状や特異的な皮疹の有無を確認します。
次に採血で抗核抗体やSLEに特徴的な自己抗体(抗Sm抗体や抗DNA抗体)、免疫グロブリンや補体価などをチェックします。
SLEは腎臓や中枢神経などを侵すこともあるので、採尿検査や腎生検、頭部のMRIや腰椎穿刺(髄液検査)などを追加することもあります。

原因

はっきりとした原因はまだわかっていません。

遺伝的な要因に環境要因(たばこやストレス、感染症や環境ホルモンなど)が加わることによって発症するといわれています。

治療方法と治療期間

関節痛のみや皮疹のみで臓器合併を伴わない場合、対症療法として鎮痛薬や軟膏などが使用されます。
生命にかかわるようなケースでは速やかに入院しステロイドパルス(大量のステロイドを臓器合併を伴う場合はステロイドや免疫抑制薬などを使用します。

近年日本ではヒドロキシクロロキン(海外で以前から使用されていた安全性の高い免疫調節薬)や生物学的製剤(ベリムマブ)の使用が承認されました。

入院しステロイドパルスなどを行う場合は数か月に及ぶことがあります。
外来でステロイドや免疫抑制薬による治療を行う場合数年~数十年にわたって外来通院が必要になるケースもあります。

治療の展望と予後

慢性的な病気です。症状を寛解(病気の症状が改善・軽減された状態)させることが目的となります。

発症しやすい年代と性差

日本には6万人~10万人の患者さんがいるといわれています。
SLEの難病申請を行っている方は約6万人います。
申請していない方、あるいは診断基準は満たさないものの潜在的なSLEも含めると、10万人を超えるものと思われます。

男女比は1対9と女性に多く発症します。

編集部脚注

※1 蝶形紅斑(ちょうけい-こうはん)

蝶形紅斑は、「左右の頬にやや対称的に現れる赤い班模様」です。
正面から観察すると「赤い蝶が羽を広げた形」に見えることから、「蝶形紅斑」と呼ばれています。

※2 抗核抗体(こうかく-こうたい)

抗核抗体は、「細胞の核に含まれる物質に対して、反応する抗体」です。本来、抗体は病原体(=外敵)を攻撃するために存在します。自分の身体は攻撃対象ではありません。

しかし、膠原病(自己免疫性疾患)の場合、「自己」と「外敵」を正しく区別できず、免疫システムが自分の身体を攻撃します。

そのため、抗核抗体の量を調べることは「膠原病の恐れがあるか」を判断するための指標になります。

ただし、細胞核に含まれる1つ2つの成分に対して抗体ができても、すぐに膠原病になるとは限りません。実際、健康な人が「抗核抗体:陽性」となる例もあります。

ちなみに、抗核抗体の検査は「40倍⇒80倍⇒160倍⇒320倍…」と倍率で結果が出ます。「40倍以上=陽性」ですが、健康な人でも「40倍」と判定されることはよくあります。現実的には、160倍以上で「意義のある陽性(=膠原病の疑い)」と扱われます。

※3 自己抗体

自己抗体は、「自分の身体を攻撃対象とする抗体」です。全身性エリテマトーデスをはじめ、膠原病(自己免疫性疾患)は「免疫システムが自分の身体を攻撃する病気」です。全身性エリテマトーデスを引き起こす自己抗体が見つかれば、診断の指標になります。

※4 免疫グロブリン

免疫グロブリンは、「免疫システムに深く関わるタンパク質」です。病原体のタンパク質(抗原)と結びついて、病原体を攻撃するための物質です。要するに「抗体」の役割を果たします。免疫グロブリンには、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類があります。

グロブリンには、免疫グロブリン以外にもさまざまな種類があり、「α-グロブリン」「β-グロブリン」「γ-グロブリン」といったグループに分類されています。免疫グロブリンは、γ-グロブリンです。

血液検査で「高γグロブリン血症(γグロブリンの数値が異常に高い)」がわかった場合、膠原病(全身性エリテマトーデスを含む自己免疫性疾患)や肝疾患が疑われます。

※5 補体価

補体は、「免疫システムに関与するタンパク質」です。肝臓で作られるタンパク質であり、血液中に存在しています。C1~C9の9種類があります。

患者さんの血液を試験管などに入れて置いておくと、上澄みとして淡黄色の液体が得られます。この上澄み液を「血清」と言います。補体は、血清の中に含まれています。

補体価は「補体の活性を評価した数値」です。補体価が異常低値を示した場合、「全身性エリテマトーデス」「混合性結合組織病」「悪性関節リウマチ」などの膠原病が疑われます。

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