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きかんしぜんそく気管支喘息

ぜんそく喘息
更新日:2022/08/10 公開日:2019/02/12 view数:12,053

気管支喘息とは

気管支喘息(きかんしぜんそく)とは、気管支が狭くなり、呼吸困難を繰り返す病気です。発作がおこると、呼吸のたびに「ヒューヒュー、ゼェゼェ」と音がする喘鳴(ぜんめい)が続き、呼吸が苦しくなります。こうした発作を繰り返します。症例の多くは子どもがかかる「小児喘息」が占めています。子どもほど多くはありませんが、大人がかかる「成人喘息」もあります。

喘息の発症にはアレルギーがかかわっていることが多いと考えられています。しかし、成人喘息のなかには、アレルギー以外を原因とするものや、原因がはっきりとわからないものも少なくありません。

アレルギーをおこす原因物質(アレルゲン)には、ハウスダストやカビ、ペットの毛といった環境によるものがあります。ほかにも、風邪などのウイルスや細菌、疲労、ストレス、喫煙や空気汚染などが原因になることもあります。アスピリンをはじめとする解熱鎮痛剤などの服用も原因になることがあります。

小児喘息の多くは、治療することで成長とともに症状が落ち着き、次第に発作がおこらない状態になります。

目次
  1. 気管支喘息の症状
  2. 気管支喘息の診療科目・検査方法
  3. 気管支喘息の原因
  4. 気管支喘息の予防・治療方法・治療期間
  5. 気管支喘息の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 気管支喘息になりやすい年齢や性別

気管支喘息の症状

気管支が炎症をおこして狭くなることにより、息が苦しくなります。狭くなった気管支を空気が通るため、呼吸のたびに「ヒューヒュー、ゼェゼェ」という喘鳴(ぜんめい)があらわれます。こうした発作は気温の下がる夜間や早朝に出やすい傾向があります。気管支に痰(たん)が生じて、それを排出しようと咳(せき)が出ます。息を少しでも多く吸い込もうとして、肋骨の間がへこむ陥没呼吸がおこります。こうした症状によって胸の痛みがおこることもあります。脈が異常に速くなる頻脈や、発作が激しく重症化するとチアノーゼがあらわれることもあります。意識障害をおこすこともあります。

赤ちゃんや、まだあまり話のできない子どもの場合は、発作が出る前に前兆があらわれることも多くあります。特徴的な例としては、不機嫌になる、食欲がなく母乳やミルクを飲まない、眠らない、血色が悪い、興奮気味で泣き叫ぶなどです。

喘息発作がある場合は、寝ている姿勢よりも、座った姿勢のほうが楽に過ごせます。

気管支喘息の診療科目・検査方法

放置すると危険なこともあり、治療する必要性の高い病気です。咳や息苦しさ、喘鳴が続く、夜間に症状が強くおこるなどが繰り返されるのであれば、内科小児科呼吸器内科アレルギー科を受診しましょう。

問診

問診で家族の病歴やどんな職業についているか、喫煙する家族がいるか、ペットの飼育歴などを調べます。成人の場合は、子どもの頃に喘息の経験がないかを確認することも重要です。

検査

検査では、アレルギー検査と呼吸器検査がおこなわれます。

アレルギー検査

アレルギー検査では、採血や皮膚テストでアレルギーの原因物質(アレルゲン)を分析します。

「気道過敏性検査」をおこなうこともあります。疑いのあるアレルゲンを実際に吸引し、発作がおきるかを調べます。この検査は発作をあえておこす検査のため、実施には細心の注意が必要です。

呼吸器検査

呼吸機能検査で肺活量などを調べることで、肺の機能に異常がないかを確認します。

「ピークフロー検査」で吐息の速度を測定します。

呼気一酸化窒素(NO)検査では、吐息に含まれる一酸化窒素(NO)を測定します。気道に炎症がおこると、呼気に一酸化窒素が多く含まれるようになるためです。

アレルギー検査、呼吸器検査のほかにも、胸部X線撮影をおこない、気道や肺に異常がないかを調べます。

気管支喘息の原因

子どもの場合、なんらかの物質に過敏に反応しておこることが多くあります。

大人が喘息になる場合は、原因を特定できないことも多くあります。また、子どもの頃に喘息を経験し、症状がない状態だった人が成人後に再発することもあります。なかには、子どもの頃から発作を繰り返し、そのまま成人後も継続していることもあります。

発症の原因になるものとしては、ハウスダストやペットの毛、ダニなどのアレルゲンが代表的です。ほかにも、風邪やインフルエンザなどのウイルス性呼吸器疾患、肥満、喫煙、大気汚染、急激な温度差などでおこることもあります。

気管支の粘膜がこうしたものによって刺激を受けると、免疫機能が過敏に反応し、粘膜に炎症がおこります。炎症により粘膜が腫れ、空気の通り道が狭くなります。大量に分泌された痰(たん)も気管を塞ぐため、呼吸がさらに困難になっていきます。

子どもの喘息の多くは、気管支が炎症をおこしても発作後には炎症が治まるという状態を繰り返します。成人では、炎症をおこした後に、リモデリングがおこりやすくなります。リモデリングとは、炎症をおこした組織が再生するときに、元の状態よりも分厚くなる(線維化する)現象です。線維化した組織は元には戻らないため、進行すると治療は難しくなっていきます。

気管支喘息の予防・治療方法・治療期間

発作をおこさず、健康な人と変わらない生活が送れるようになることが治療の目標です。具体的には、発作を短時間に終わらせることと、長期間、発作のおこらない状態にすることの2つを目指します。

発作がおこった場合は、気管支を拡張する作用のある気管支拡張薬を使用します。短い時間に効果を発揮し、発作をおさえます。吸入や貼薬、注射などが状況にあわせて選択されます。症状が激しい場合は、併せてステロイドを点滴で投与することもあります。

長期間、発作をおこさないようにする治療の中心はステロイド吸入薬です。これを毎日おこない、炎症をおさえます。吸入によるステロイドの使用は炎症箇所に直接届くため、少量でも効果があります。また、ほかの使用法と比較し、長期使用をしても副作用のおこりにくい使用法です。

長期間作用する気管支拡張薬や、「ロイコトリエン拮抗薬」などを使用することもあります。ロイコトリエン拮抗薬は内服薬で、比較的軽い症状に対して有効です。

発作を防ぐためにも、症状にかかわるアレルゲンなどへの対策も重要です。こまめな清掃を心がけ、ダニやペットの毛などのアレルゲンと接触する機会を減らします。また、喫煙などの生活習慣や肥満も喘息を悪化させます。生活の見直しや、適度な運動を取り入れて、発作のおこりにくい環境をつくっていきます。

1~2カ月では治りません。数カ月以上かかる場合もあります。毎日継続して治療を続ける必要があります。治療で息苦しさなどの症状が治まっても、気管支の炎症が残っていることが多いので、ステロイド吸入薬を長期にわたり使用して、しっかりしっかり治していくことがポイントです。

気管支喘息の治療経過(合併症・後遺症)

治療法が確立し、気管支の炎症を改善する治療や、予防ができるようになったことで、命にかかわる病気ではなくなりつつあります。しかし、現在でも、数は減りましたが、喘息によって命を落とす例が報告されています。

治療は長期間にわたるため、自分の喘息の状態を把握することも重要です。症状の出るタイミングや季節、天候による変化、どんな症状があらわれたのか、治療内容などを喘息日記に記録することで、どういった状況で発作がおきやすいのかを客観的に確認できます。また、こうした記録は医師にとっても治療プランを立てる参考になります。

気管支喘息になりやすい年齢や性別

2008年の調査では、幼稚園児の19.9%、6~7歳の13.8%、13~14歳の8.3%に喘息の症状が確認されています。また、成人の3%に喘息の症状があるとしており、約400万人が喘息になっていると考えられています。

小児喘息は、思春期になると症状が軽くなっていき、やがては寛解(かんかい:症状がおこらない状態になること)するといわれています。しかし、約30%はそのまま成人喘息に移行します。また、症状がなくなった小児喘息患者の30%弱に成人後の再発があるとされています。

成人の喘息については、厚生労働省が2004~2006年に全国でおこなった調査では、20~44歳の5.4%に喘息の患者さんがいました。そのうち、子どもの頃に喘息を経験せず、成人になって初めて発症した成人喘息患者さんは全体の70~80%でした。そのうちの60%以上は40~60歳代になってから発症しています。

男性よりも女性にやや多く発症するとされています。

執筆・監修ドクター

杉村 久理
杉村 久理 医師 江北ファミリークリニック 院長 担当科目 内科/小児科/アレルギー科/呼吸器内科

経歴産業医科大学医学部 卒業
順天堂大学医学部公衆衛生学教室 研究員
McGill University Occupational Health 留学

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