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アレルギー性皮膚炎とは
アレルギー性皮膚炎(あれるぎーせいひふえん)とは、外部から進入してくる細菌やウイルスから体を守る免疫反応が過剰にはたらき、皮膚に腫脹や痒みなどの炎症反応が出る病気です。
アレルギー反応の種類としては、Ⅰ型(即時型)や、Ⅳ型(遅延型)に分類されます。
人間の体には、外部から進入してくる細菌やウイルスから体を守る機能(免疫反応:めんえきはんのう)があります。
細菌やウイルス(抗原)が体内に入ると、体は危険を察知し、抗原に対抗する抗体を作ります。その抗体は抗原を攻撃し、排除します。
抗原の侵入が何度か続くと、ときとして、抗体が抗原に対して過剰にはたらき、自身の体に悪い影響を及ぼすことがあります。その悪い影響のことをアレルギーといいます。
アレルギーによって、皮膚に腫脹(しゅちょう:腫れること)や痒みなどの炎症反応が出ることをアレルギー性皮膚炎といいます。
アレルギー性皮膚炎の症状
アレルギー性皮膚炎は、皮膚に湿疹などの炎症のほか、痒み、紅斑(こうはん:赤くなること)、湿潤(しつじゅん:湿り気を帯びること)、水泡(すいほう:水ぶくれのこと)などがあらわれます。
アレルギー性皮膚炎の診療科目・検査方法
アレルギー性皮膚炎の症状が悪化する前に、速やかに皮膚科を受診することをおすすめします。
診断にあたっては、「視診」と「問診」が大切です。視診により、紅斑や水泡など皮膚の状況を観察し、病態を判断する材料とします。同時に、問診により、家族歴や現状を把握し、原因の推定をおこないます。
また、原因を特定するために、パッチテストや特異的IgE抗体検査、皮膚生検、プリックテストなどのさまざまな検査をおこなう場合があります。
アレルギー性皮膚炎の原因
アレルギー性皮膚炎は大きく分けて、内的要因と外部要因があります。
内的要因としては、体調や体質、汗や皮脂の状態、皮膚の乾燥状態、ストレスなどの精神的な要因、生活リズムの崩れなどが挙げられます。
外的要因としては、細菌やカビ、花粉、ハウスダストなどが挙げられます。
ただし、実際には、さまざまな要因が複雑に絡み合っているため、原因を特定するのは難しい場合がほとんどです。また、症状があらわれる仕組みについても、詳細はまだわかっていません。
原因となっている恐れのあるものを遠ざけることが症状の軽減につながります。そのため、日頃から、皮膚の乾燥予防や規則正しい生活など、自分自身でおこなえることを意識するのも大切です。
アレルギー性皮膚炎の予防・治療方法・治療期間
アレルギー性皮膚炎は上記のような原因を特定する検査などによって、原因がはっきりした場合は、原因物質を日常から取り除くことで、症状の改善を目指します。
しかし、日常から原因物質を完全に取り除くことが困難な場合もあります。また、さまざまな要因が関与していて、原因が特定できない場合もあります。
そういった場合は、悪化要因の排除とともに、アレルギー性炎症を軽減する治療をおこないます。
代表的な治療方法として、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬、ステロイド外用薬塗布の使用などがあります。また、日頃の生活改善や、スキンケアも併せておこないます。
治療期間は症状、患者さんによって、それぞれ異なります。主治医の指示に従い、治療を受けてください。
アレルギー性皮膚炎の治療経過(合併症・後遺症)
アレルギー性皮膚炎になりやすい年齢や性別
厚生労働省「患者調査2014年」によると、日本におけるアトピー性皮膚炎の患者さんの数は、約45万6000人です。内訳としては、0〜19歳36% 、20〜44歳44%、45〜69歳16%、70歳以上4%という比率でした。特に、若年層に発症しやすい傾向がみられます。
花粉症なども含めたアレルギー疾患全体でみると、全国民の約5割が罹患していて、さらに増加傾向が強まっています。アレルギー疾患は「国民病」といっても差し支えないでしょう。
近年、日本人の生活環境は大きく変わってきました。具体的には、大気汚染や食の欧米化、住居環境の変化などです。それに伴い、アレルギー疾患の原因となるものが生活環境のなかに増えてきました。
自身の生活環境を見直し、少しでもアレルギーの原因となりうるものを正して、症状が悪化しないように努める必要があります。
医学の発展に伴い、治療方法も研究されてきています。また、国としても、アレルギー疾患対策推進協議会を立ち上げるなど、積極的に取り組む姿勢をみせています。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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