尿中のたんぱく質と認知症は関連あり?脳と腎臓の機能はリスク要因が同じ

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

尿中にたんぱく質が検出されると、腎臓の機能(以下、腎機能と表記)に問題がある場合がありますが、これは同時に認知機能へのリスク要因にもなるようです。

オランダ、マーストリヒト大学の研究グループが、米国神経学会の機関誌であるニューロロジー誌2016年12月号で報告しました。

脳と腎臓の機能はダメージを受ける要因が同じ

世界保健機関(WHO)によると、認知症の人は世界には4750万人にのぼり、毎年770万人増えています。今後も認知症の原因を特定することが重要な課題になっています。

また、世界では約10%の人が、腎機能の不調に陥っており、その多くは高齢者です。

腎臓と脳は、ともに血管のダメージで影響を受けやすい臓器です。

慢性腎不全と認知症は、共通して高血圧、糖尿病、高コレステロールなどのリスク要因を持ち、腎機能に問題があると、脳にも直接の影響があることも考えられます。

認知症と腎機能の関連

研究グループは、8494件の研究を調査し、その中から今回の研究目的の沿った5件の研究、約2万7000人のデータを解析、尿中のたんぱく質(アルブミン量)について調査しました。

その結果、尿中にたんぱく質が検出されない人に比べ、検出された人は、認知症を発症する可能性が35%高いことがわかりました。

研究グループは、腎臓の機能に問題があると、認知機能の問題の原因となる、または両方が同じメカニズムで引き起こされるのかは、さらに研究が必要であるとしています。

今後、さらに腎機能の糸球体ろ過率が、認知症と関連があるかを研究するようです。

 

編集部註:糸球体ろ過量(eGFR)

尿は腎臓の糸球体で血液をろ過して作られる。

糸球体ろ過量は腎臓が老廃物を尿で排出する能力を示す値。通常「年齢」「血清クレアチニン値」「性別」から算定する。糖尿病、高血圧、肥満、喫煙などのリスク要因で機能が低下する。

参考文献

Protein in Urine Linked to Increased Risk of Memory Problems, Dementia

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板東浩