ネズミも泥酔するまでお酒を飲むことはない?食事量を減らし全体的なカロリー摂取量を調節する

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

新社会人、新生活になると何かとお酒を飲む機会が増えてきます。

大型のネズミ(ラット)による実験の結果、ネズミもほろ酔い程度までは自発的にお酒を飲むが、泥酔するまでは飲まないこと、また、飲んだ分だけ食事の量が減り、全体的な摂取カロリーは変わらないことが分かりました。

米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究グループが、主に動物実験で薬物や化合物による行動変化を調べる行動薬理学分野の専門誌ファーマコロジー・バイオケミストリー・アンド・ビヘイビア誌で2016年10月20日に報告しました。

人間では矛盾する研究結果が出ている

アルコール(エタノール)はかなりカロリー豊富で、お酒を飲むと1日に必要なカロリー量をすぐにオーバーしてしまいがちです。

過体重や肥満の増加が問題視される中、アルコールと食べ物との相互作用を理解することが重要になっています。

人間の研究では、アルコールを摂取すると食欲やカロリー摂取量が増えるという結果と、逆に減るという結果が出ていて、はっきりとした結論がありません。

ネズミも泥酔するまでは飲まない

研究グループは、マウスより大きなネズミであるラットを使って実験を行い、アルコールがカロリー摂取量と体重に及ぼす影響を調べました。

実験では自由にエタノール(5%と10%)を飲める状態にすると、ラットの多くは、ほろ酔い程度まで飲みましたが、泥酔するまで飲むことはありませんでした。

そして、エタノールを摂取すると食事の量が減り、カロリー摂取量はエタノールを取らない場合と同じでした。

泥酔状態にすると摂取カロリー/体重が減少

追加実験として、泥酔状態と同等のエタノールを注射すると、あまり食べなくなり、全体的な摂取カロリーが減って体重が減少しました。

アルコール中毒で体重が減るように思える結果ですが、これは病気で食欲が減って体重が減るのと同じことであり、人間では良い減量モデルではないと研究グループは指摘しています。

人間の場合とは違いがある

研究グループは、人間では適度のアルコールが食欲を刺激するという研究結果があること、また、実験したラットは毎日同じ標準食を与えられていましたが、人間がお酒を飲む機会には、レストランなど様々な食べ物の選択肢がある場合もあります。

また、パーティーなど社会的な要素によっても食欲が左右されることを挙げて、人間には一概に当てはまらない可能性があると述べているそうです。

研究グループは、食べ物の選択肢を与えるなどの条件下でさらに実験を続けるようです。

いずれにしても人間のカロリー、アルコールの摂取量は制限があります。

飲み過ぎには注意しましょう。

参考文献

News Bureau | ILLINOIS

Appetite and weight gain suppression effects of alcohol depend on the route and pattern of administration in Long Evans rats. – PubMed – NCBI

Appetite and weight gain suppression effects of alcohol depend on the route and pattern of administration in Long Evans rats

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板東浩