脳の白質が破壊される恐ろしい病気「アレクサンダー病」とは

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

治療法に新しい兆し

難病である「アレキサンダー病」の原因たんぱく質「GFAP」の仕組みが解明され治療に一歩前進したようです。

米国ウィスコンシン大学マディスン校の研究グループが、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ誌2017年3月号で報告しました。

 

これまでの研究成果

アレキサンダー病は、脳の白質が破壊され死に至る珍しい病気です。治療法はまだ確立されていません。

過去の研究から、アレキサンダー病では、GFAPが神経系の細胞に過度に蓄積し、運動機能や認知機能の喪失につながることが知られています。これまで、GFAPが蓄積する理由は、細胞がGFAPを作りすぎるためだと考えられてきました。

 

従来の培養実験を覆す「パラダイム・シフト」

研究グループは、アレキサンダー病を持つネズミと持たないネズミで、窒素を用いた指標でGFAPの合成および分解速度を計算しました。

その結果、アレキサンダー病の突然変異を持つネズミは、持たないネズミよりもターンオーバーの速度が速いことが分かりました。ターンオーバーとは、合成と分解がバランスを保つ動的平衡状態を指します。

つまり、アレキサンダー病ではGFAPの合成だけでなく、分解も進んでいることを意味します。何らかの方法で合成速度を抑えることができれば、治療法の開発につながりそうです。

これは、これまでの培養実験では得られなかった結果でした。この報告は、今後のアレキサンダー病治療の新しい方向性を示すことになるかもしれません。

 

参考文献

Researchers make headway toward understanding Alexander disease

Researchers make headway toward understanding Alexander disease | EurekAlert! Science News

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板東浩