多言語習得者(バイリンガル)の人は脳の使い方が上手。脳の特定領域を使い作業ができる。

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

バイリンガルの人はモノリンガルの人に比べ、脳を効率的、経済的に使用していることが分かりました。

カナダのモントリオール大学の研究グループが、ジャーナル・オブ・ニューロリングイスティクス誌2017年1月号で報告しました。

人の脳の使い方

人がある作業を行う場合、その作業の特徴に応じてさまざまな脳のネットワークを使います。                        

ある特定の情報に集中する必要がある場合、モノリンガルの人では、大規模な脳の回路を連結させて処理します。

一方で、バイリンガルの人では、必要な情報により関連性の高い、小規模な回路を連結させます。         

例えば、脳は視覚機能(色など)と運動機能(空間的情報)を処理する回路を使い作業を行っています。

視覚機能のみを使う試験

研究グループは、10人のモノリンガルと10人のバイリンガルの人を対象として実験をしました。

参加者はカナダ、ケベック州モントリオール生まれで、年齢は63歳~84歳。バイリンガルの人が第2言語を習得したのは8歳~30歳を対象としました。

実験では、黄色と青の四角形が画面の左右どちらかにひとつ表示されます。対象者には、画面に表示された色を認識してボタンを押してもらいます。

ルールは、黄色の四角形が表示されると左側のボタンを押し、青色の四角形が表示されると右側のボタンを押すように決め、これは四角形が左に出ていても左のボタンを押してはいけません。

参加者がこのテストを受けている間、研究グループはfMRIを使い脳の活動をモニタリングしました。

 

バイリンガルの人の脳の使い方

調査の結果、バイリンガルの人の脳では、脳の後ろにある視覚処理領域間の連結が高くなっていました。

つまり、バイリンガルの人の脳の使い方はより効率的、経済的で、作業に特化した領域のみを使っていることになります。

結論として、バイリンガルの人は脳を効率的に使い、作業に必要な脳の連結に絞り込んで脳を使っています。

また、バイリンガルの人は、前頭葉の領域を使わず結果に達することができていました。前頭葉は加齢に伴い機能が弱まるため、この使い方は加齢に対する脳の使い方としては効率が良い結果となります。

 

言語を多く習得すると作業の効率が上がるかもしれません。

(ヘルスキュア編集部)

 参考文献

Bilingualism may save brain resources as you age | UdeMNouvelles

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板東浩