ダイビングなどで起こりやすい「潜水病」を予測できるモデルを新たに開発。米海軍とデューク大学の報告

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

発症リスクだけでなく重症度も予測 

「潜水病」は水圧の高い深海から急速に浮上することで起こり、重症になると死に至ることもある病気です。その予防に役立つ、予測モデルが開発されたようです。

米国デューク大学の研究グループが、PLOS ONE誌で、2017年3月15日に報告しました。

 

潜水病とは

潜水病は、急激に周囲の圧力が低くなり、体液中に溶けていた気体が組織中で気泡になることで起きます。症状には、重症の神経症状、心肺症状、激しい痛みなどがあります。

これを予防するには、ゆっくりと時間をかけて減圧することが重要です。深海でダイビングをする際、時間をかけて浮上するプランを立てるのはそのためです。

 

米海軍のデータを使用

これまでのガイドラインでは、潜水後に、潜水病が起こる可能性を予測することしかできませんでした。しかし新モデルでは、可能性に加えて重症度まで予測できます。これを利用すれば、安全な水深と浮上の計画をダイバーが事前に立てられるようになるでしょう。

モデルの開発には、米国海軍が所有している3000人以上の潜水シミュレーションのデータが使用されました。海軍では、現行のダイビング・マニュアルの次回更新時にこのモデルを組み入れることになるようです。

研究グループは現在、アルゴリズムの改善に取り組んでいます。今後。ダイブ・コンピュータ(ダイバーが使用するウェアラブル・コンピュータ)で使用できるようにすることで、海中での調整や予測が可能になり、趣味でダイビングを楽しむ人にも役立ちそうです。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

The probability and severity of decompression sickness

 

The probability and severity of decompression sickness. – PubMed – NCBI

 

Predicting how bad the bends will be | EurekAlert! Science News

 

Predicting How Bad the Bends Will Be | Duke Pratt School of Engineering

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板東浩