大気汚染の影響で2型糖尿病の発症リスクが高くなる、ラテンアメリカ系の子どもたちを3年以上追跡調査

  • LINEで送る
板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

大気汚染の影響で「2型糖尿病」になりやすくなる可能性があるようです。

米国の南カリフォルニア大学の研究グループが、ダイアベティス誌で2017年1月30日に報告しました。

 

2型糖尿病とは

今回の方向によると、糖尿病は米国では過去40年間で4倍に増えており、米国や先進国では増加ペースが顕著になっています。

血糖値が高くなってさまざまな体の障害につながる「糖尿病」。

その糖尿病は2つのタイプがあります。

1型糖尿病は免疫の影響で起こる糖尿病で、2型糖尿病は生活習慣の影響で発症するタイプの糖尿病となります。2型糖尿病とは、座る時間が長く身体を動かさない生活や、カロリーの高い食事が原因であることが一般に知られています。

今回、研究グループは、大気汚染も2型糖尿病の発症リスクに関与している可能性について検証しました。

 

「β細胞」の機能低下と糖尿病

調査は2001年~2012年の期間にロサンゼルス地域に住んでいたラテンアメリカ系で、太り過ぎや肥満の8歳~15歳の子どもです。

調査では314人を登録して、18歳になるまで追跡しました。子どもに対しては毎年、身体検査と、血中の糖とインスリンの濃度を調べました。彼らは、ロサンゼルス地域の非常に空気汚染の深刻な地域に住んでおり、社会的、経済的状況が悪い環境に置かれている子どもでした。

 

体重の増加よりも影響が大きい

平均3.5年の追跡調査の結果として、登録していた子供は、血糖値が高い傾向がありました。18歳になった時の検査では、12時間絶食後の血中インスリン値が27%高く、血糖値の検査の時には、正常よりもインスリン値は36%高いという結果になりました。血糖値を下げるホルモンであるインスリンがうまく働いていないことを意味します。

研究グループが計算したところ、長期にわたり大気汚染にさらされることは、体重が5%増加するよりも大きな影響があると分かりました。窒素酸化物やPM2.5などによる大気汚染が深刻になると、インスリンを分泌し血糖値を適正に保つ膵臓のβ細胞の崩壊が起こり、インスリン感受性が低下すると考えられます。

 

研究期間中に2型糖尿病を発病した子どもはいませんでしたが、多くの子どもたちが前糖尿病と言われる徴候を示していました。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

Alderete TL et al. Longitudinal Associations Between Ambient Air Pollution with Insulin Sensitivity, β-Cell Function, and Adiposity in Los Angeles Latino Children. Diabetes. 2017 Jan 30. pii: db161416. doi: 10.2337/db16-1416. [Epub ahead of print]

http://diabetes.diabetesjournals.org/content/early/2017/01/27/db16-1416.long

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28137791

 

Air pollution linked to heightened risk of type 2 diabetes in obese Latino children | EurekAlert! Science News

 

Air pollution linked to heightened risk of Type 2 diabetes in obese Latino children

https://news.usc.edu/115992/air-pollution-linked-to-heightened-risk-of-type-2-diabetes-in-obese-latino-children/

関連記事

  • LINEで送る
板東浩