乳細胞の密度が高いと、もう一方の乳房も乳がんになりやすい、発症リスクは2倍近い

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

マンモグラフィーによる検査に基づく検証結果より、乳細胞の密度の高い場合、密度の低い場合よりも、もう一方の乳房もがんになる「対側乳がん」(CBC)の可能性が2倍近く多くなると分かりました。

 

もう一方の乳房も乳がんになる?

米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究グループが、キャンサー誌で2017年1月30日に報告しました。

今回の報告によると、乳がんの女性に、もう一方の乳房にもがんができることを対側性乳がんと言います。最初の乳がんから10年以内に対側乳がんを発症させるリスクは2%~40%と見られています。

乳がん遺伝子として知られている「BRCA」以外のリスク因子について、時期をさかのぼって研究が進められました。対象となったのは、ステージI~IIIの乳がん患者で、1997年〜2012年にMDアンダーソンで治療を受けた680人です。

 

異時性対側乳がん」の有無で比べる

研究グループは、「異時性対側乳がん」の有無で異なる2つのグループを比較しています。

異時性対側乳がんとは、診断を受けて6カ月以上経った後にもう一方の乳房に乳がんができるケースを言います。この異時性対側乳がんの患者と、年齢、診断を受けた年、ホルモン受容体の状態が対応する対側乳がんを発症していない患者を比べました。異時性対側乳がん患者は229人、対照するコントロール群は451人でした。

 

対側性乳がんの発症リスク因子

全員をマンモグラフィーで計測した上で、乳房の組織の密度が高いか低いかで分類しました。

その結果、対側乳がんの患者では、低密度が39.3%、高密度が60.7%でした。それに対して、対側乳がんを発症していないグループでは、低密度48.3%、高密度51.7%でした。

これまでに乳がんのリスク因子として、分かっていた要素を織り込んで計算したところ、高密度の人では、対側乳がん発症リスクが2倍近く高くなると分かりました。

 

リスクを判定するモデル開発を目指す

研究グループは、将来的に、対側乳がん発症リスクを判定するためのリスクモデルを開発しようと目指しているようです。

それぞれの人のリスクや治療の選択肢について、カウンセリングを行う時のツールにしたい、ということです。 

 

日本でも参考にできる可能性はありそうです。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

Mammographic breast density is associated with the development of contralateral breast cancer – Raghavendra – 2017 – Cancer – Wiley Online Library

 

Mammographic breast density is associated with the development of contralateral breast cancer. – PubMed – NCBI

 

Breast cancer patients with dense breast tissue more likely to develop contralateral disease | EurekAlert! Science News

 

Breast cancer patients with dense breast tissue more likely to develop contralateral disease | MD Anderson Cancer Center

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板東浩