早産には、膣や子宮頸部の細菌が関係あり 善玉菌を増やすと早産予防に?

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

1500人の妊婦から、妊娠第16~18週、20~24週、24~28週の3つの時期に子宮頸部と膣の微生物を採取し、調査しました。

その結果、ある種の細菌が早産のリスクと関係があることが分かりました。

一方で、ビフィズス菌や乳酸菌はむしろ良い効果があると見られ、これらが多いと早産のリスクが低いことが分かりました。

 

早産に伴う赤ちゃんのリスク

米国ペンシルベニア大学の研究グループが、米国産科婦人科学誌2017年1月号で報告しました。

なお、2017年1月23日~28日にラスベガスで開催された母体胎児医学会妊娠部門の年次会議で報告し、優良な発表として「マーチ・オブ・ダイムズ・アワード」という賞を受けています。

今回の報告によると、早産は、乳児の死亡原因のトップにあります。米国では10人に1人が早産で生まれています。米国において、早産の発生率は、2007年~2014年にかけて低下傾向にありましたが、2016年から再び上昇に転じているようです。

早産で生まれた赤ちゃんは数多くの問題を抱える可能性があります。例えば、摂食障害、黄疸、呼吸障害、失明、発育遅延、脳性麻痺、聴覚障害などです。

 

リスクと微生物叢が関係している?

今回の研究は、同様の研究としては、最大規模となるようです。

対象となったのは、1500人の妊婦さん。膣と子宮頸部の細菌を採取し分析しました。また、約600人を対象として第2の分析を行い、最初の分析結果を確認しました。

結果として、明らかになったのは、大腸菌など、ある種の「嫌気性菌」が増えると、早産のリスクが増えるというものでした。嫌気性菌は育つために酸素を必要としない細菌です。また、ビフィズス菌や乳酸菌のレベルが高いと早産のリスクが低くなりました。

 

膣や子宮頸部にも善玉菌と悪玉菌

腸内細菌に善玉菌と悪玉菌があることはよく知られていますが、女性の膣や子宮頸部にいる細菌にも善玉菌と悪玉菌があることが分かりました。

 

早産のリスクに関連するということで、日本でも注目されるかもしれません。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

Elovitz M et al. Distinct microbiota in the cervicovaginal space are associated with spontaneous preterm birth: findings from a large cohort and validation study. Am J Obstet Gynecol. 2017 Feb;215(1):S8-S9. doi: 10.1016/j.ajog.2016.11.900. [Epub ahead of print]

http://www.ajog.org/article/S0002-9378(16)31879-8/abstract

 

Bacteria in the Cervix May be Key to Understanding Premature Birth – PR News

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板東浩