自閉症の一因となる遺伝子の突然変異を発見。自閉症の治療薬の開発に一歩前進

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

一部の「自閉症」の患者の中に「DIXDC1」という遺伝子に突然変異がある人たちがいると分かりました。

この変異は、神経間の情報を受け渡しする場所である「シナプス」の成長を妨げ、脳の活動を低下させます。

カナダ、マクマスター大学の研究グループが、セル・リポーツ誌で2016年11月8日に報告しました。

 

自閉症の治療法はこれといった方法がない

アメリカでは、自閉症患者が2000年代の初め頃から急上昇し、今や68人に1人の子供に発達障害があると言われています。

自閉症は3歳頃に発病すると言われていますが、生後2、3カ月で自閉症の徴候が出る場合もあります。

また、男子の方が女子の4.5倍多く発病します。

自閉症の治療法には、行動療法や薬物療法が使われていますが、これといった決め手はありません。

研究グループは、自閉症の治療法を新たに開発するため、自閉症と遺伝子の関連性について研究を行いました。

 

遺伝子の突然変異によって脳の活動が低下する

研究の結果、自閉症の患者の一部は、DIXDC1という遺伝子の突然変異によって、脳細胞の神経間で情報を受け渡しするシナプス形成を不能にしてしまい、

脳の活動が低下し、発達や行動の問題につながっていると報告しています。

また、DIXDC1遺伝子の突然変異は、自閉症の人たちの一部に見られるもので、自閉症には他の種類の遺伝子変異も関わっている可能性があると考えられます。

研究グループは、シナプスの成長と活動を修復する薬の開発によって、自閉症治療の鍵になるだろうと報告しています。

 

今後、新たな治療法の開発に期待されます。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

DIXDC1 Phosphorylation and Control of Dendritic Morphology Are Impaired by Rare Genetic Variants.

http://www.cell.com/cell-reports/abstract/S2211-1247(16)31467-X?_returnURL=http%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS221112471631467X%3Fshowall%3Dtrue

 

DIXDC1 Phosphorylation and Control of Dendritic Morphology Are Impaired by Rare Genetic Variants. – PubMed – NCBI

 

McMaster University’s Faculty of Health Sciences: Medical School, Physician Training, Nursing, Physiotherapy, Occupational Therapy, Physician Assistant Program, Midwifery, Graduate Medical School, Graduate Health Sciences, patient care

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板東浩