血液検査で統合失調症を診断、米国の研究報告

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

統合失調症が、血液検査で診断できるかもしれません。

米国メリーランド大学の研究グループが、アナリティカル・ケミストリー誌2017年2月号で報告しています。

 

「統合失調症」とは

統合失調症は重症・慢性の精神疾患で、米国の成人の約1%がこの病気にかかっているとされます。

この病気は16歳から30歳くらいで発症すると分かっています。幻聴や幻覚を感じ、物事を始めたり続けることが困難になるなど思考、感情、行動に影響を及ぼします。

従来、この病気の診断には、統合失調症以外の精神疾患などもあり得るため、心理学的評価と医学的な検査を行う必要があります。また統合失調症と関係がない症状を排除しながら6カ月以上かけて行います。 

 

精神的疾患と関係する酸化ストレスに着目

最近の研究から、症状が出始めてから治療を開始するまでの期間が短ければ、治療の結果は改善することが分かってきました。

研究グループは、統合失調症などの精神的疾患と血液中の酸化ストレスが関係しているところに着目しました。

この酸化ストレスを早期に見つけ、病気を発見できれば、治療結果の改善につながるという想定のもと、化学的な方法によって測定する仕組みについて検証を続けていました。

 

イリジウム塩で統合失調症の人を特定

研究グループは、「イリジウム塩」と呼ばれる化学品を使って、血液サンプルに含まれる酸化ストレスの状態を調査できると仮定し検査しました。

結果、体内の酸化ストレスを示す、光学的・電気化学的シグナルを検出。酸化ストレスを減らす抗酸化物質である「グルタチオン」などが、体内に発生していると見出しました。

研究グループは、この新しい方法を使い、統合失調症の人の血液サンプルを特定することを証明しています。

まだ検証は必要になりそうですが、精神的疾患を血液検査で診断できるようになる可能性もあるようです。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

University of Maryland Researchers Make Strides in Schizophrenia Diagnosis Research | A. James Clark School of Engineering, University of Maryland

 

University of Maryland researchers make strides in schizophrenia diagnosis research | EurekAlert! Science News

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板東浩