妊娠中のストレスが腸内細菌を介して胎児に影響する?

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

子どもが大きくなってからも心の健康に悪影響を与える

妊娠中のストレスが、母胎の腸内細菌を変化させ、胎児の脳の発達に影響を与え、子どもが大きくなってからも、その悪影響が続く可能性があると分かりました。その影響は、子供の「自閉症」「情動障害」「低い認知能力」などに関連し、生涯にわたり続くと伝えています。

米国インディアナ大学の研究グループが、2016年11月12日~16日にサンディエゴで開催された第46回北米神経科学学会において報告しました。

 

ストレスと腸内細菌の関係性

研究グループは、ストレスが腸内細菌にどのような影響がでるかを調査しました。

調査内容は、妊娠したネズミを二つのグループに分けて腸内細菌の変化を比較するというものです。一つのグループは、毎日2時間ストレスを起こさせるということを7日間続け、もう一つのグループでは、妊娠中も安静に過ごさせ、双方の反応を調査しました。

調査結果はストレスを与えたグループは、胎盤や胎児の脳、成長した後の脳で炎症マーカーが増加していることが分かりました。また、「脳由来神経栄養因子」が減少していることも発見されました。

研究グループの報告によると、妊娠中のネズミは、ストレスを受けると腸内細菌の組成が変化したと伝えています。

これらの変化は、腸と胎盤で観察され、メスの子供の腸で観察されました。研究グループは、この細菌の変化は大人になるまで継続したと伝えています。

 

出生後ストレスを与えなくても影響は続く

影響を受けたメスネズミは、不安を感じることが多く、暗い場所や狭い場所で過ごすことが多いと報告しています、子供のネズミは出生後にはストレスを受けていないにもかかわらず、学習認知調査で困難を示しました。また、メスの子供で高レベルの不安神経症が見られました。

研究グループは、引き続きオスの子供についても研究をしていくと報告しています。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

Stress-induced changes in maternal gut could negatively impact offspring for life | The Ohio State University

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板東浩