「慢性閉塞性肺疾患」の原因を解明! アメリカの研究グループが新たに人工肺マイクロチップを開発

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

「エアウェイ・オン・チップ」で研究の進展が期待される

アメリカの研究グループは、人工肺マイクロチップを開発し、たばこの煙が気管支に対してどのような影響を与えているかの研究を行いました。

これにより「慢性閉塞性肺疾患」に対する新たな治療法が見つかるかもしれません。

アメリカのハーバード大学の研究グループが、セル・システムズ誌2016年10月号で報告しました。

慢性閉塞性肺疾患の原因は喫煙

慢性閉塞性肺疾患は、喫煙が原因で発症します。

しかし、喫煙による化学物質が炎症を起こしている過程は不明とされています。

そこで研究グループは、喫煙による化学物質が気管支に炎症を起こし、気管支の上皮細胞が気道を塞いでいるという仮説を立てました。

「エアウェイ・オン・チップ」とは

研究グループは、仮説を解明するため、人間がたばこの煙を吸った時の肺と同様の変化を観察するために人工肺マイクロチップを開発しました。

 研究グループが開発したエアウェイ・オン・チップは、透明で柔軟なゴム製の素材でできており、人間の肺と同じような環境をコンピューターのチップを作る技術で実現したものです。このチップの中に生きた細胞を培養することができ、煙を作る装置と接続し、たばこの煙が気管支にどのような影響が出るかを観察しました。

たばこの煙の害に関する解明が進んだ

研究グループは、エアウェイ・オン・チップを使用し「健康な人」「慢性閉塞性肺疾患を持つ人」それぞれの細胞が、たばこの煙による気管支への影響を調査しました。

その結果、たばこの煙は、気管支にある「微絨毛」という部分に炎症を起こしていると分かりました。

これは喫煙者の気管支に生じる反応と同じと考えられます。

報告によると今回の研究で、たばこの煙が気管支にどのような悪影響を与えるかを詳しく調査できたと伝えています。

今後、慢性閉塞性肺疾患の新治療に役立てそうです。

参考文献

Matched-Comparative Modeling of Normal and Diseased Human Airway Responses Using a Microengineered Breathing Lung Chip

http://www.cell.com/cell-systems/fulltext/S2405-4712(16)30322-2

 

How Serious Is COPD

www.lung.org

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板東浩