「皮膚パッチ」でピーナッツアレルギーのリスクを回避

  • LINEで送る
板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

年齢が低いほど効果が高い

アメリカの研究グループの報告によると、「ピーナッツアレルギー」を皮膚パッチで治療すると、安全性を保ちながら利用できて効果がある上に、幼い子供ほど効果があると分かりました。

米国・国立アレルギー感染症研究所とアーカンソー大学を含む研究グループが、アラジー・アンド・イミューノロジー誌2016年10月号で報告しました。

ピーナッツアレルギーが増加傾向

ピーナッツアレルギーは、ピーナッツに含まれるたんぱく質に反応して発症します。わずかな量を体内に入れても、喘息(ぜんそく)や喉の腫れなどの症状が起き、場合によっては、アナフィラキシーショックと呼ばれる症状を起こすとともに、呼吸困難や血圧低下で命に危険があります。

ピーナッツアレルギーの子供は、先進国で1%~3%いるといわれ、近年アメリカでは3倍も増えたといわれています。

皮膚パッチでピーナッツの免疫をつける研究

研究グループは、皮膚に薬剤を入れて貼付するパッチを使って人間にピーナッツのたんぱく質を送り込み、アレルギーに対処できる免疫ができるか、効果と安全性の研究を行いました。

研究グループは、ピーナッツアレルギーの4歳~25歳の被験者74人を1.高用量のグループ 2. 低用量のグループ 3. 人体に影響の無い偽薬 の3つのグループに分け、皮膚パッチを毎日腕に貼ってもらい、1年間経過を観察しました。

幼い子供ほど効果あり

研究の結果、低用量のパッチを付けた被験者の46%、高用量のパッチを付けた48%がピーナッツたんぱく質に接触してもアレルギーを起こさないようにする効果がありました。

一方で、偽薬を使ったグループでは12%の人でアレルギーを起こさないようにする効果がありました。

さらに、最も効果があった被験者は4歳~11歳の幼い子供でした。

便利で安全のパッチ療法

研究グループの報告によると被験者の中には、パッチを付けた部位にかゆみや発疹など、軽い皮膚反応を経験した人もいるものの、重度なかゆみなどは確認されませんでした。

また、研究グループによると、1年後、被験者は研究前にピーナッツを食べていた量よりも10倍多く食べられるようになったと分かりました。

研究グループは、ピーナッツパッチ療法は使いやすく、重度なアレルギー反応を引き起こさず安全であると報告しています。

今後、このパッチ療法がピーナッツアレルギーなどを持つ人の治療に役立つかもしれません。

参考文献

Epicutaneous immunotherapy for the treatment of peanut allergy in children and young adults

http://www.jacionline.org/article/S0091-6749(16)30966-6/abstract

 

www.nih.gov

関連記事

  • LINEで送る
板東浩