症状が見えにくいから怖い。歯根先端の感染症は動脈硬化などの冠動脈疾患のリスクを高める

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

キシリトールの影響か、北欧諸国では、みんな健康な歯が保たれているというイメージもあるかもしれませんが、意外な報告が上がっています。

歯根先端(根尖)の感染症が、フィンランドの4人に1人にあり、一般的なものだというのです。この感染自覚症状が無くても、根尖に感染がある場合もあるようです。

歯根先端(根尖)の感染症はさらに動脈硬化などを引き起こす冠動脈疾患発症のリスクが高まるため要注意です。 

ヘルシンキ大学のジョン・リルジェストランド氏らがジャーナル・オブ・デンタル・リサーチ誌オンライン版で2016年7月27日に報じています。

冠動脈疾患は2.7倍多い

口腔内の細菌感染と多くの全身的な慢性疾患は、つながりがあるという情報がますます増えています。               

例えば細菌感染が原因で引き起こされる歯周炎について、炎症としては軽度ですが、冠動脈疾患と糖尿病の危険因子と見なされています。

このような状況にもかかわらず、歯根先端(根尖)の感染症はあまり研究がされていませんでした。

研究者らは、心臓に何らかの症状がある平均年齡62歳のフィンランド人508人を調査しました。

心臓の何らかの症状を持つ患者は、根尖の感染症に関連する細菌の血清中の抗体が高濃度に見られ、口腔の感染症が心臓の症状に影響を及ぼすのではと見ています。

さらに、歯根先端(根尖)の感染症があって根管治療していない人では、問題のない人と比較して、動脈硬化などの冠動脈疾患が2.7倍多いことが注目されています。

冠動脈疾患にならないために

冠動脈疾患にならないために

冠動脈疾患は、世界の死亡者の死因の30%以上を占めています。これは、健康的な食事、体重のコントロール、運動や禁煙で予防できると言われています。心臓に関しては、症状が見えにくいですが口腔の感染症を予防または治療することで防げる可能性があります。

これらを早期に対応するために、定期的に歯医者さんに通うことが重要です。

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板東浩