里親に預けられた子供では、喘息や肥満など身体・精神的健康リスクが高く、過去の虐待やトラウマなどが関与?

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

一般家庭の子供と比べ、種々の病気のリスクが上がる

米国の研究グループの報告によると全米データを分析した結果、里親に預けられたことのある子供は、ない子供に比べて「喘息(ぜんそく)」「肥満」「学習または行動障害」「うつ病」など身体や精神的な健康問題のリスクがより高いと分かりました。

米国カリフォルニア大学とコーネル大学の研究グループが、米国小児科学会(AAP)が発行するペディアトリクス誌で2016年10月17日に報告しました。

里親に預けると健康問題のリスクが上がる?

米国では、毎年子供の1%が里親の元で暮らし、6%が生まれてから18歳になるまでに少なくとも1回は里親に預けられるそうです。

以前の研究では、里親に預けられている子供は、おそらくは虐待などのトラウマが原因で、身体的や精神的な健康問題を発症する可能性があると伝えられています。その健康状態を一般家庭で育った子供と比較した研究は今までありませんでした。

対象90万人以上の1.3%が里親に預けられた子供

研究グループの報告によると今回初めて、子供の健康に関する全米調査(National Survey of Children’s Health)から2003年~11年のデータから、里親に預けられたことのある子供とない子供とで健康状態を比較しました。

調査には90万人以上の子供が含まれ、そのうちおよそ1.3%が里親に預けられたと報告しています。

うつやADHDのリスクも上がる

分析の結果、里親に預けられたことのある子供は、ない子供に比べて肥満が2倍、視聴覚の問題が3倍のリスクが上昇するという結果が出ました。                

また精神面の健康では、里親に預けられたことのある子供は、ない子供に比べて、うつ病のリスクが7倍、不安症のリスクが5倍でした。

また、行動障害のリスクが6倍、「注意欠陥・多動性障害」(ADHD)のリスクが3倍、学習障害と発達遅延のリスクが2倍上がったと報告しています。

大人が感じる以上にストレスか

研究グループの報告によると今後、里親に預けられた子供が直面する身体的や精神的な問題点を調査する結果として、里親に預けると実際にどのような影響が子供に出るのかさらに詳しく調べる必要があると伝えています。

子供には大人が感じる以上の精神的ストレスがあるのかもしれません。

【補足】

・見出しを補足しました。(2017/4/8)

参考文献

Foster care children at much greater risk of physical, mental health problems

Mental and Physical Health of Children in Foster Care | Articles | Pediatrics

Foster care children at much greater risk of physical, mental health problems

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板東浩