妊娠中の抗精神病薬の使用は、10年間で約2倍増加! 定型、非定型共に先天性欠損症のリスクは低い

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板東浩

監修

1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

妊娠中はマタニティーブルーの問題もあり、精神に関係した薬も気をつけないといけません。

妊娠中の抗精神病薬使用は、生まれながら臓器機能や身体的の発達などに影響する「先天性欠損症」(せんてんせいけっそんしょう)や心臓奇形(しんぞうきけい)を増加させる可能性は低いと、130万人の女性を対象に行った調査で分かりました。

ブリガム・ウィメンズ・ホスピタルの研究グループがJAMAサイキアトリで2016年8月17日に発表しました。

妊娠中の抗精神病薬の使用

抗精神病薬(こうせいしんびょうやく)は、主に幻覚や妄想などの症状が見られる「統合失調症」に使用される精神薬の1つです。

マタニティーブルーという言葉があるように、妊娠中は、悲しい気持ちになったり、理由もなく涙が出たりすることが珍しくありません。

アメリカにおける妊娠中の女性による抗精神病薬の使用は、この10年間で約2倍に増加しています。

抗精神病薬には、うつ病や統合失調症などの精神病を治す「定型抗精神病薬」と、精神病に限らずに気分を「非定型抗精神病薬」の2種類があります。

定型、非定型を処方しても先天性奇形の発生率は同じ

研究グループは、妊娠2カ月~3カ月の間に、抗精神病薬を使っていた130万人を対象として調べました。

すると、非定型抗精神病薬を使っていたのは9258人、定型抗精神病薬を使っていたのは733人でした。

多くの妊婦に処方された非定型抗精神病薬には、「クエチアピン」「アリピプラゾール」「リスペリドン」「オランザピン」「ジプラシドン」が含まれていました

研究グループは、定型と非定型抗精神病薬を使用した妊婦の新生児の先天性奇形の発生率は同等で、新生児の先天性奇形の可能性は低いと報告しています。

ただし、「リスペリドン」のみ先天性欠損症を増加させる可能性があると研究グループは報告しています。

妊婦による抗精神病薬処方の「不安」を和らげてくれそうな結果です。

参考文献

Use of Antipsychotics in Pregnancy | Congenital Defects | JAMA Psychiatry | The JAMA Network

Brigham And Women’s Hospital – Press Releases

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板東浩