読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

心不全の後には1日30分3000歩の運動を、身体トレーニングで心筋機能の向上などメリット

心不全の後には1日30分3000歩の運動を、身体トレーニングで心筋機能の向上などメリット

運動は厳禁とされていたうっ血性心不全患者に、トレーニングが良い効果を生むことが確認されました。

ドイツのミュンヘン工科大学を初めとするヨーロッパの国際研究グループが、サーキュレーション誌2017年2月28日号で報告しました。

 

うっ血性心不全と身体トレーニング

うっ血性心不全は先進国では死亡原因のトップにあります。心不全患者の予後は思わしくなく、がんの予後に匹敵するものでした。

これまでの治療には、薬物療法や除細動器が含まれていましたが、身体トレーニングは厳禁されていました。しかし、近年の研究では、身体トレーニングを行うことで再入院率を減らすことができるという結果も出ています。

研究グループは、2009年~2014年にヨーロッパ内の9カ所の医療センターで261人の心不全患者を対象に調査を行いました。

261人の心不全患者を3つのグループに分け、異なる強度のトレーニングを実施。最初の12週間は、トレーナーの指導の下でトレーニングを行い、その後52週以上にわたり追跡調査しました。

 

うっ血性心不全と身体トレーニング

結果として、トレーニングにより心臓の機能が高まると分かりました。

具体的には、高強度インターバルトレーニングと中程度の持続的トレーニングのグループは、通常の規則的トレーニングの勧めを受けたグループよりも、左心室のサイズが減少し、心臓のポンプ機能が向上しました。

ただし、高強度インターバルトレーニングについては、より規模の大きい研究で安全性を証明されるまでは勧めるつもりはない、と研究グループは注意を促しています。

中程度のトレーニングは1分間に100歩、あるいは30分間で3000歩となります。

研究グループによると、心臓病の患者に対する運動療法には以下のような利点があります。

・心臓の緊張を減らす

・心筋機能の向上

・血管拡張の向上

・新しい血管の形成

・血圧の低下

・酸素摂取の向上

・持続力やパフォーマンスの向上

・心臓発作や脳卒中などの心臓血管系の救急リスクの減少

 

医師との相談を前提として、日本でも参考になる部分はあるかもしれません。

 

編集部註:わが国では近年、心臓血管疾患患者に対して、本記事に相当する内容の治療が増えてきており、「心臓リハビリテーション」(略称で心臓リハビリ)と呼ばれ、次第に拡がりがみられる。

 

参考文献

http://circ.ahajournals.org/content/135/9/839.long

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28082387

 

https://www.tum.de/en/about-tum/news/press-releases/detail/article/33752/

 

板東 浩

監修:板東 浩 氏
医学博士 / 内科

免責事項はこちら