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早産再発予防薬「マケナ」は無効。妊娠糖尿病のリスクも

早産再発予防薬「マケナ」は無効。妊娠糖尿病のリスクも

FDA認可の「マケナ」(17αカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン)を調査

早産の再発リスクを軽減するとしてFDAが2011年に認可した合成ホルモン薬「17αカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン」(製品名:マケナ)は、効果がない上、妊娠糖尿病のリスクを高める可能性があるようです。

米国テキサス大学サウスウェスタン医学センターを含む研究グループが、産婦人科分野の有力誌アメリカン・ジャーナル・オブ・オブステトリクス・アンド・ガイネコロジー誌で2017年2月20日に報告しました。

 

認可の根拠となった研究に疑問

FDAがこの合成プロゲステロン(17-OHPC)を早期認可した理由のひとつは、この薬が早産再発のリスクを低減するという2003年に発表された研究結果に基づくもので、米国産科婦人科学会(ACOG)と米国母体胎児医学会(AMFM)もこの薬の使用を是認していました。

しかし、この薬のコストと2003年の研究結果に関する疑問を巡って、産婦人科学会では議論が続いています。

そこで研究グループは、ある病院で出産した早産歴のある単胎妊婦を対象に、2012~2016年にこの薬を投与された430人と、1988~2011年に投与されなかった5787人の早産再発率を比較しました。

 

特に差は見られず

その結果、17-OHPCの投与を受けた妊婦では25%が早産(本研究では、通常の平均40週ではなく35週以内と定義)、過去の17-OHPC非投与群では16.8%と、コンピュータ解析で薬の効果は認められませんでした。

また、血中の17αカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン量は、早産だった人とそうではなかった人とで差は見られませんでした。

さらに、副作用として妊娠糖尿病の発症率増加が見られました(過去の非投与群の8%に対し、17-OHPC投与群では13.4%)。

妊娠糖尿病は出産と共に治ることが多く、母親にとってはあまり重大な問題ではありませんが、新生児が大きい、帝王切開などの分娩合併症が発生しやすくなるといった問題につながる場合があります。

研究グループは、17-OHPCは早産の再発防止に効果はなく、妊娠糖尿病のリスク増加という副作用があると結論づけています。

 

FDAの今後の対応が注目されます。

参考文献

Study finds no benefit, but possible harm, from drug used to prevent preterm births : March 2017 News Releases - UT Southwestern, Dallas, Texas

Study finds no benefit, but possible harm, from drug used to prevent preterm births | EurekAlert! Science News

17-alpha Hydroxyprogesterone caproate did not reduce the rate of recurrent preterm birth in a prospective cohort study. - PubMed - NCBI

http://www.ajog.org/article/S0002-9378(17)30294-6/abstract

板東 浩

監修:板東 浩 氏
医学博士 / 内科

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