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脳への電流刺激で短期作業記憶が向上

脳への電流刺激で短期作業記憶が向上

脳損傷の治療にも応用可能か

「経頭蓋交流電流刺激」(TACS)という方法を使い、低電圧の電流で脳波をシンクロさせるように刺激すると、短期作業記憶が向上することが明らかになりました。

英国のなど合同研究グループが、eLife誌で、2017年3月14日に報告しました。

 

電流により脳内の情報の流れが修正される

「短期作業記憶」とは、パーティで出会った人の名前や、電話番号、買い物リストなどを覚えるのに使われる記憶です。その記憶に関わる2つの領域(中前頭回と下頭頂小葉)に対し、経頭蓋交流電流刺激(TACS)を行いました。

研究グループは、10人のボランティアを対象に、2記憶力テストの成績を比較し、fMRIで脳の画像を撮影しました。

その結果、刺激が同時に行われた場合には、記憶力テストへの反応時間が向上しました。特に、難しいテストへの反応時間が簡単なテストと同程度にまで短縮されました。

また、電流によって、脳内の情報の流れが修正されている可能性があります。脳への刺激が脳卒中やてんかんなどの治療に応用できないかどうか、今後の研究が期待されます。

 

臨床使用に期待

脳の個人差などまだ克服すべき問題はありますが、この技術は非常に安価なため、臨床でも十分使えるのではないかと研究グループは考えています。また、認知トレーニングと組み合わせることで、脳損傷で喪失したスキルを取り戻せるかどうかを確認する研究も行う予定です。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

Violante IR et al. Externally induced frontoparietal synchronization modulates network dynamics and enhances working memory performance. Elife. 2017 Mar 14;6. pii: e22001. doi: 10.7554/eLife.22001.

Externally induced frontoparietal synchronization modulates network dynamics and enhances working memory performance | eLife

 

Externally induced frontoparietal synchronization modulates network dynamics and enhances working memory performance. - PubMed - NCBI

 

Buzzing the brain with electricity can boost working memory | EurekAlert! Science News

 

Buzzing the brain with electricity can boost working memory

http://www3.imperial.ac.uk/newsandeventspggrp/imperialcollege/newssummary/news_13-3-2017-15-35-23

 

板東 浩

監修:板東 浩 氏
医学博士 / 内科

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