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妊娠中の栄養不足やストレスに要注意、赤ちゃんの一生の筋肉に影響する可能性

妊娠中の栄養不足やストレスに要注意、赤ちゃんの一生の筋肉に影響する可能性

妊娠中の栄養不足やストレスは、生まれてくる赤ちゃんの筋肉の発達に大きく影響し、一生にわたってのその影響が続く可能性もあるようです。

 

筋肉はどのように発達するか

米国ベイラー医科大学の研究グループが、ジャーナル・オブ・エンドクリノロジー誌で2017年1月17日に報告しました。

今回の報告によると、胎児の間の栄養不良や出生時の体重が少ないと、生まれてから死ぬまで、筋肉や筋力が弱くなってしまいます。この筋肉不足には、副腎皮質ホルモンであるグルココルチコイドが関わっています。グルココルチコイドは、ストレスや栄養不足によって増加すると分かっています。

報告によると、筋肉の線維は「ゆでていないスパゲッティーの束」のようなイメージとなっています。筋肉の線維一本は、一つの細胞から成り立っています。この線維は、多数のたんぱく質の中に複数の細胞核が存在するという形になっています。

筋肉の線維の数は、生まれた時に決まります。生まれてから後に増えることはありません。生まれてから後は、筋肉の線維はたんぱく質を増やしながら、細胞核を増やして成長します。この細胞核は筋肉の線維の近くにある「幹細胞」によって作り出されます。筋肉の幹細胞は、胎児が発達するときに筋肉の成長を加速させるのですが、思春期を過ぎると、筋肉は細胞核を増やすために機能しなくなります。筋肉はもっぱらたんぱく質を増やして成長します。

 

「グルココルチコイド」が幹細胞に影響

今回、研究グループは、ネズミを使った実験により、胎児がグルココルチコイドにさらされると、幹細胞がうまく増えないことを突き止めました。

グルココルチコイドが胎児の筋肉に与える影響は複雑で、どのくらい長くさらされたか、グルココルチコイドのレベルがどの程度だったか、また、妊娠期間中のどの時点だったかが関わってくることも分かりました。

深刻な栄養不良の状態を再現するだけの量のグルココルチコイドを投与すると、線維の中の予備の幹細胞や細胞核の蓄積が影響を受け、その結果として、筋肉の成長が影響を受けました。

 

妊娠中の栄養やストレスへの配慮が重要

生まれてくる子どもの健康は、母親のお腹の中にいるときの状態によって大きく影響を受けるわけです。

今回の報告に基づくと、母体のストレスは細胞レベルで胎児の成長に悪影響を及ぼすと分かります。さらに、筋肉の幹細胞に影響するということは、悪影響が子どもの生涯にわたり続くものであり得ます。

 

妊娠中にいかに栄養不足にならないようにして、ストレスを避けるようにするかが重要であるのでしょう。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

Precocious glucocorticoid exposure reduces skeletal muscle satellite cells in the fetal rat

 

Precocious glucocorticoid exposure reduces skeletal muscle satellite cells in the fetal rat. - PubMed - NCBI

 

One more reason to focus on prenatal care -- Stronger muscles for newborn babies | EurekAlert! Science News

 

One more reason to focus on prenatal care – stronger muscles for newborn babies | From the Labs

 

板東 浩

監修:板東 浩 氏
医学博士 / 内科

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