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社会的なネットワーク多いと50歳での認知機能が高い。17000人の追跡調査データを分析

社会的なネットワーク多いと50歳での認知機能が高い。17000人の追跡調査データを分析

英国の大規模コホート追跡研究の結果

市民グループに多く参加するような社会的なネットワークの多い人は、50歳時点での認知機能が高い傾向があるようです。

長期間にわたる追跡調査のデータを分析した結果から分かりました。

 

ストレスや孤独感を下げる効果などに注目

英国サウサンプトン大学を含む研究グループが、心理学分野のオープンアクセス誌BMCサイコロジー誌で2016年12月2日に報告しました。

過去の研究で、強い社会的ネットワークを持ち、他者と関わることで認知機能はより良くなると報告されていました。社会的な活動やレジャー活動やボランティア活動などは幸福度を上げ、ストレスや孤独感を下げることも示されています。

社会的な関わりに関して全般的に肯定的な結果が出ているものの、長期間にわたり追跡した研究は多くありません。

 

1958年からの追跡調査を分析

研究グループはこのたび、イングランド、スコットランド、ウェールズで特定の期間に生まれた人、1万7000人以上を追跡している大規模研究のデータを分析しています。成人後の社会的関与が50歳時点での認知機能に及ぼす影響を調べました。

研究参加者のデータは、生まれた時に始まって、その後の様々な時点で収集されています。

 

3分の1が50歳までに認知能力低下

データでは、33歳までに社会的な活動などを行う市民グループに参加していた人はわずか17%で、そのうち一つのグループに参加しているのは14%でした。50歳時点ではそれぞれ36%と25%と増えていました。

対象集団のうち約8130人が11歳時点(算数、読み書き、全般的能力)と50歳時点(スピード/集中力、記憶、視覚的注意力)で認知機能テストを受けました。

全体的に、3分の1が11~50歳の間に認知能力が低下しましたが、知能は44%で変わりませんでした。およそ4分の1が50歳時点で認知能力が改善していました。

 

多くのグループに関与していた人ほど認知能力高い

これらのデータを分析した結果、33~50歳の間に市民グループに関与していた人は認知能力テストのスコアが高く、多くの市民グループに関与していた人ほど高いと分かりました。

この関連性は中程度でしたが、健康や社会経済的状態、性別などの条件で調整しても関連ありと判定できました。

市民グループへの参加以外で50歳時点での認知能力を改善した要素は、頻繁な身体活動、高い教育レベル、女性であることなどでした。

 

多くのグループに関与していた人ほど認知能力高い

さらに、11歳時点での社会的、経済的状態が低いことと、成人後の自己報告による精神状態が良くないことは、50歳時点での認知機能低下に関連していました。

観察研究であるため因果関係は確立できませんが、大きな集団を長期間追跡したことにより、様々な条件も踏まえた信頼度の高い分析結果と研究グループは説明しています。

 

市民グループへの参加を奨励する新たな証拠になるようです。

(ヘルスキュア編集部)

 

参考文献

Parkinson's Disease Linked to Microbiome | Caltech

 

Is mid-life social participation associated with cognitive function at age 50? Results from the British National Child Development Study (NCDS). - PubMed - NCBI

 

Is mid-life social participation associated with cognitive function at age 50? Results from the British National Child Development Study (NCDS) | BMC Psychology | Full Text

 

板東 浩

監修:板東 浩 氏
医学博士 / 内科

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