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夜間の仕事で疲労を感じる人は遺伝子変異が関係しているのかもしれない

夜間の仕事で疲労を感じる人は遺伝子変異が関係しているのかもしれない

夜間の仕事など、不規則な生活で疲れが出やすい人と疲れがでない人の違いには、「メラトニン受容体」を減らす遺伝子変異が影響している可能性があるようです。

フィンランドのヘルシンキ大学を含む研究グループが、睡眠研究学会(SRS)が発行するスリープ誌で2016年10月10日に報告しました。

 

フィンランドの国民健康調査データを利用

現代社会では、一般的な日中~夕方までの勤務時間帯以外に、夜間に働く人が増加しています。

不規則な生活をしている人は「体内時計」が乱れ、睡眠障害や昼間に疲労が起こる場合があります。

このような影響には個人差があり、その原因は明らかになっていません。

 

メラトニン受容体を減らす遺伝子変異が影響している可能性

研究グループは、フィンランドで30歳以上の約8000人を対象に行われた国民健康調査のデータを使い、夜間の仕事に対する疲れと遺伝子の関連性を調べました。

 

DNAのメチル化修飾による変異

調査の結果、夜間の仕事による疲れを感じていると報告している人は「メラトニン受容体1A」(MTNR1A)という遺伝子付近の変異が多く見られると分かりました。

メラトニンは、夜になると放出されるホルモンで、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。

メラトニンの受容体減少は体内時計の乱れにつながります。

さらに、このMTNR1A付近の変異は、DNAのメチル化修飾(DNAにメチルと呼ばれる小分子がつき、DNAの働きを調整するもの)を行うことで、MTNR1Aの減少を防ぎ、乱れた体内時計を修復する可能性があると分かりました。

研究グループは、このMTNR1A付近の遺伝子変異が不規則な生活に対する疲れに関連しているのではないかと報告しています。

 

夜間作業を行っている人向けの対策方法が見つかることを期待したいです。

 

参考文献

Common genetic variation near melatonin receptor 1A gene linked to job-related exhaustion in shift workers. - PubMed - NCBI

 

板東 浩

監修:板東 浩 氏
医学博士 / 内科

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