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寄生虫が分泌するたんぱく質が喘息に有効かもしれない

寄生虫が分泌するたんぱく質が喘息に有効かもしれない

鉤虫(こうちゅう)の抗炎症たんぱく質が喘息のネズミで気道の炎症を軽減

オーストラリアの研究グループによると、喘息を持つネズミに腸に寄生する「鉤虫」(こうちゅう)が口内で分泌するたんぱく質を投与したところ気道の炎症を軽減する効果があると分かりました。 

 新たな喘息薬の開発につながる可能性があると報告しています。

オーストラリアのジェームズ・クック大学を含む研究グループが、米国科学振興協会(AAAS)が発行する学際的医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシン誌2016年10月26日号で報告しました。

過去には「炎症性腸疾患」の炎症軽減に成功

先進諸国では一部の寄生虫感染の減少と「自己免疫疾患」の増加に関連があるようです。

寄生虫は人間の腸内で生き延びるために、人間の免疫系を操作すると考えられています。

研究グループは、寄生虫の性質を利用して、「自己免疫疾患」や「アレルギー」の特徴である過度の炎症を抑える方法を研究してきました。

報告によると、過去の研究で、「セリアック病」を持つ人が鉤虫に感染すると炎症を抑えるのに効果があると証明された臨床試験もあり、「炎症性腸疾患」の炎症軽減に成功しています。

その後、鉤虫の口腔分泌液に炎症を抑える効果があることを確認し、分泌液に多く含まれるたんぱく質の一つ、「抗炎症たんぱく質-2」(AIP-2)を取り出しました。

研究グループは今回、このAIP-2を使って、喘息のネズミで抗炎症効果を調べました。

アレルギーの人でも炎症性反応が減少

研究グループは、喘息のネズミにAIP-2を鼻腔内に投与したところ、気道の炎症が低減したと報告しています。

また、「チリダニ」のアレルギーを持つ人から採取した細胞にAIP-2を投与したところ、樹状細胞とT細胞のアレルゲンに対する炎症性反応の減少が確認されました。

研究グループは、今後AIP-2の有効性が判明できれば、喘息だけでなく他の炎症性や自己免疫疾患の新たな治療法につながる可能性があると報告しています。

今後、喘息や自己免疫疾患の新たな治療になる可能性がありそうです。

参考文献

Worms fight the wheeze

www.jcu.edu.au

 

Hookworm recombinant protein promotes regulatory T cell responses that suppress experimental asthma.

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

http://stm.sciencemag.org/content/8/362/362ra143

板東 浩

監修:板東 浩 氏
医学博士 / 内科

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