花粉症特集:根治を目指す「舌下減感作療法」が保険適用になりました

「舌下免疫療法」とはどんな治療法?

花粉症患者に福音!!根治可能性のある「舌下免疫療法」が保険適用に。
今や国民病とも言うべき花粉症。4人に1人が発症していると言われています。
その中でもスギ花粉症に悩まされている人に朗報です。
​対処療法でなく、根治を目指す「舌下減感作療法」が保険適用になりました。

アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていく治療法がありますが、舌の下の粘膜からそのアレルゲンを投与する方法が舌下免疫療法です。

従来の免疫療法では皮下に注射を打つ方法が中心でした。今回の、舌下免疫療法では注射の痛みや通院の必要がないこと、そして全身におよぶ副作用の発現率が低いため、安全面からも今注目が集まっています。

治療は最低2年間程度、毎日1回継続する必要があるようです。投与する量に関しては、初期(1~2週目)と維持期(3週目以降)で異なります。

舌下免疫療法で治療した場合、「治療を受けた患者の7〜8割は症状が軽くなる」と言われています。このうちの1割は「症状がなくなる」といい、5割は「症状が半分くらい」に軽くなり、花粉シーズンのピークのみ薬を飲んだり、症状が出たときだけ薬を飲むことで対応できるようです。

起こりうる副作用としては、アナフィラキシーショックのほか、口腔内のかゆみ、喘息発作、腹痛、嘔吐などが挙げられているため、専門のお医者さんの指示のもと治療を行う必要があります。​


花粉症に対する他の治療法は?

①薬物療法

抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、注射、各種点鼻薬などによる治療法です。最もオーソドックスな治療法と言えます。それぞれの薬に利点、欠点があり、服用する人との相性もありますので、医師と十分に相談しながら決める必要があります。
また、筋肉注射や一発注射療法などと呼ばれるステロイド(副腎皮質ホルモン)注射を推奨しているクリニックもありますが、副作用などから日本耳鼻咽喉科学会では推奨されていません。医師の説明を十分に聞いたうえ、自己責任で選択する必要があります。


②レーザー治療

鼻粘膜にレーザーを照射し粘膜の表層部分を変性させ、鼻でのアレルギー反応を鈍くさせる治療です。この治療法はアレルギー体質を変える治療ではなく、あくまでも鼻粘膜でのアレルギー反応を抑える治療ですので、効果は永久ではありません。個人差もありますが、通常約2年間位は効果が持続します。効果がなくなってきた場合には再治療が可能です。


③外科手術

花粉症の症状が繰り返し起こり、鼻の粘膜が元に戻らないくらい腫れてしまったり、薬を使っても症状が改善しない場合、手術による治療という選択肢があります。
鼻づまりの原因となる下鼻甲介粘膜をレーザーや超音波メスを使って切除します。また、粘膜だけでなく、粘膜の下にある下鼻甲介骨を取り出して除去する方法もあります。
1週間程度の入院が必要なケースもありますので、専門医の説明を十分に聞いたうえで選択する必要があります。


④従来の減感作療法

アレルギーの原因物質を極めて薄い濃度から少しづつ注射し、抵抗力をつける治療法です。週1~2回の通院(注射)で、維持量に達するのに4ヶ月くらい要し、あとは月1回の注射を少なくとも3年継続します。
注射の痛みや通院の必要などから、患者の負担が大きい治療法と言われます。


⑤生活指導

できるだけ花粉を吸わないようにする生活法を指導します。具体的には、花粉情報を活用する・花粉を家に入れない工夫・花粉を防御するマスクやメガネなどの着用などです。症状を記入し、個別に対策を指導することもあります。


⑥民間療法

漢方や健康食品、一般食品などが花粉症に効くという情報も多く見かけますが、まずは専門医などにキチンとかかり、治療を受けた上でのプラスαとして行うことが重要です。


監修ドクター情報


鈴木香奈

経歴

鈴木香奈(すずき かな)
平成8年金沢医科大学 卒業
金沢駅前ぐっすりクリニック 院長
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
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