今まで診てきた患者さまの中で心に残っているエピソードがあれば教えてください。

特に危険因子がないのに、胸が苦しいと受診された患者さまがいました。24時間心電図検査をおこなっても異常はなかったんですが、それでも胸が苦しいというんです。仕事で富士山に登るというので引き留めて、専門機関での検査をおすすめし、ご紹介しました。すると負荷心電図の検査の最中に心筋梗塞になって、すぐ入院・手術になったそうです。前兆だったんですね。引き留めてよかったなと思いました。

クリニックにはどんなお悩みを持った患者さんがいらっしゃいますか？どのような治療をおこなっていますか？

かぜや不眠症などでお越しになることが多いですね。また健康診断で、高血圧やコレステロールの高い数値で再検査を言われて来院される方もいらっしゃいます。治療は、患者さまの症状に応じて、検査のほか、薬を処方します。

初めて来院された患者さまに心がけていることがあれば教えてください。

初めて来院される患者さまにはどうしても慎重になりますが、「どういう症状か」「いつから症状がではじめたのか」などのお話をしっかり伺うようにしています。これはどの患者さまにもそうですが、どんなことでもお話しいただける雰囲気づくりを大切にしています。患者さまがお話しされた会話の中に病気が隠れていることがあるからです。

病院が苦手なお子さまのためにおこなっている工夫があれば教えてください。

お子さまと同じ目線で接するように気を付けています。たとえば、予防接種といった注射で泣いてしまったお子さまには、「よく頑張ったね」とほめたり、シールをさし上げることもあります。薬に関して言えば、飲み薬、シロップ、苦い味の薬は苦手など、希望をいっていただければ柔軟に対応しています。薬を飲まないで困っているという親御さまには「チョコレートシロップやアイスクリームなどにまぜるといいですよ」といったアドバイスもしています。

ご年配の方に配慮していることがあれば教えてください。

院内は歩きやすいようバリアフリー設計となっています。また、車いすのまま入れるように靴のまま上がっていただけるようにしております。バリアフリーは、ご年配の患者さまだけではなく、ベビーカーでお子さまをお連れの親御さまにも喜ばれています。

今後力を入れていきたい診療科目・治療などはありますか。

息子も医師なんですが、循環器内科を専門にしています。大学病院の勤務医としていろいろ学んだら、当院の医師として勤務予定ですので、その場合は循環器内科にも力を入れていこうと思っています。そうすることにより、地域住民の方々の健康に少しでもお役に立てれば幸いです。

どのような検査が可能かを教えてください。

レントゲン、心電図、採血、超音波、血球計数器、尿、血管年齢、呼吸機能(閉塞性拘束性、肺疾患)、エコーのほか、インフルエンザやノロウイルス、溶連菌感染症、アデノウイルスなどの迅速検査にも対応しています。また、レントゲンは骨密度が測れる機器もあります。

スタッフの自慢できる点を教えてください。

スタッフがみな明るくて朗らかである点でしょうか。不安を抱えて受診される患者さまのお気持ちが和らぐような接遇に努めています。また、父親の代から来院されている患者さまも多く、「地域のかかりつけの医院」として、皆さまの健康状態をスタッフが把握することも大切だと考えます。そのため、スタッフも患者さまの異変を察知するように心がけています。

尊敬する人物はいらっしゃいますか？また、その理由を教えてください。

やはり父親ですね。戦争から復員後、1952年に医院を開業しました。以降、内科・小児科の医師としてエリアの医療に貢献してきました。私自身医師になろうと決めたのは、父親の背中を見て育ってきたからですし、影響が大きかったと思います。これからも父親の意思を受け継ぎ、地域の患者さまの健康を少しでも見守る医院として取り組んでいきます。