人生のターニングポイントはいつですか？

当院は、私が生まれた1958年に、父である前院長が開業しました。ターニングポイントと言うと、やはり、それまで勤めていた大学病院の医局を辞め、当院を継承した時ではないでしょうか。大学病院での勤務にもやりがいを感じていたのですが、実際に開業医として地域の診療に携わることで、これまで知ることのなかった多くのことを学ぶことができたと感じています。2代目の院長として就任し、もちろん大変なこともありました。しかし、それ以上に、地域の皆さまのために医療を提供する開業医という仕事に魅力を感じるようになっていました。開業医になってみてあらためて気づいたことは、大学病院までたどり着ける方というのは、そこまで通って来られる恵まれた方たちなのだということです。地域の行政や福祉と連携して訪問診療を行うと、そのことに気づかされますし、医師一人の力ではどうすることもできない、医療だけではサポートすることができないご年配の方がいらっしゃるということがよくわかります。異職種の方たちとも連携をはかりながら、地域の方々のサポートをしてきたいと考えています。

待ち時間を少なくするために工夫されていることはありますか？

院内では、現在の待ち人数がわかるよう、待合室に表示するようにしています。また、生活習慣病など定期的に通院が必要な慢性疾患の患者さまには、ご予約をお願いしていますが、お子さまの発熱でのご来院が増える朝の時間帯は避けてご予約を入れることで、ご予約の患者さまの待ち時間を軽減するように工夫しています。電子カルテには、受付を行った段階からの経過時間が表示されます。電子カルテは、私だけではなくスタッフも見ることができますので、事前に血圧を測る必要のある患者さまには計測のお願いをするなど、スタッフ一同で待ち時間を短縮するための工夫をしています。また、予防接種のみご希望の方は、状況に応じて早めにご案内することもあります。私自身も、電子カルテを確認しながら、できる限り30分以内に診察室までご案内できるように心がけています。

病院が苦手なお子さまのために行っている工夫があれば教えてください。

キッズスペースを設けたり、キャラクターを置いたりして、お子さまも通院しやすい雰囲気づくりをしています。医院の庭には、古い井戸から水を引いた池が2つあるのですが、毎年、カエルが卵を産みにやって来ます。オタマジャクシが孵化すると、近所のお子さまたちも見に来られますね。また、当院には、父が院長だった時代から、2代、3代にわたりご家族皆さまで通院してくださっている方も多くいらっしゃいます。親御さまが通院しやすい医院だと思ってくださっていると、お子さまも不安なくご来院してくださるのではないでしょうか。そのほか、前回の受診を覚えていて緊張しているように見えるお子さまに対しては、看護師たちがあやして緊張や恐怖感を解きほぐすようにしています。予防接種の時は、スタッフ一同でお子さまを盛り上げるような雰囲気づくりを心がけています。

訪問診療を行う際の注意点はありますか？

訪問診療は、医師一人の力で行えるものではなく、地域のケアマネージャー、訪問看護師、薬剤師など、異職種間で連携をしてはじめて患者さまをサポートすることができます。たとえば、心不全の症状で苦しんでいるのに、処方したお薬を飲まずにしまい込んでいる患者さまがいたとしたら、薬剤師、訪問看護師の力を借りて服薬指導をしてもらう必要があるのです。このような地域包括ケアを進め、インターネットを利用して患者さま一人ひとりの情報を異職種間でスムーズに共有するために、新宿区ではICT連携ツールの活用を進めています。また、私自身は、患者さまが元気なうちから、どのような最期を迎えたいと思っているのか、ご要望をうかがって電子カルテに記入するようにしています。これを、アドバンス・ケア・プランニング（ACP）と言います。たとえば、万が一の時に延命治療を受けたいかどうか、ご自宅で最期を迎えたいか、あるいは病院で最期を迎えたいかといったことを、患者さまご自身の意思表示が可能な段階でうかがっておくのです。患者さまの意思をできるだけ尊重できるようにサポートていければと考えています。

今後力を入れていきたいと考えている治療について理由とともに教えてください。

当院は、入院施設を廃止する代わりに、患者さまのご自宅までうかがって診療する訪問診療を導入いたしました。前院長の父の代には、院内で看取った患者さまも多く、現在は、その方々のお子さまに当たる世代の患者さまが通院されています。地域に密着した医院ということもあり、次の世代の患者さまたちとも、「牛込台さこむら内科」で看取りまで、という関係性ができあがっています。通院されていた方も、年を重ねるごとに徐々に訪問診療へと移行され、人生の最期を迎えることになります。そういった皆さまの人生に伴走者として寄り添うのが、開業医の仕事ではないでしょうか。設備の整った医療機関とは異なり、提供できる治療は限られているかもしれません。その中で、できる範囲の治療を提供しつつ、患者さまのサポートをしていけたらと思っています。慢性心不全の方の苦痛を緩和するお薬の処方も、できる範囲の治療のひとつです。患者さまが人生を完結するまで、開業医としてサポートするということに、今後も力を入れていきたいと考えています。

貴院のスタッフの自慢できる点を教えてください。

長く当院に勤めているスタッフが多く、患者さまの性格やご家族を把握した上で、患者さまのお話をしっかりとうかがうスタッフが揃っているところが自慢です。「話を聞いてもらえるだけで不安が軽減される」という患者さまも、多くいらっしゃるのではないでしょうか。患者さまのお話をうかがうのも、開業医の大切な仕事のひとつではないかと思います。スタッフたちも、時には私以上に、患者さまのお話をていねいにうかがっています。患者さまとのコミュニケーション能力のあるスタッフたちが揃っていますので、スタッフにもお気軽にご相談いただければ幸いです。

この町の好きなところを教えてください。

牛込は、伝統的な山の手の地域でありながら、青山や白金とは違い、下町的な雰囲気も合わせ持つ地域です。現在は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により自粛されていますが、近くの神楽坂では「神楽坂の毘沙門さま」として親しまれる善國寺の縁日には、賑わいを見せます。また、2020年は残念ながら中止となってしまいましたが、「神楽坂阿波踊り」は町おこしの一環として1972年から行われているお祭りです。私も連長となって、医療従事者による「新宿白衣連」をつくり、阿波踊りに参加しています。江戸時代には武家屋敷が並んでいた牛込は、夏目漱石が生まれ育った町でもあり、近代の文豪たちの縁の地でもあります。かつて文豪たちが通った洋食屋も神楽坂にはありました。歴史があり、下町の風情も感じられながら、「飯田橋駅」や「市ヶ谷駅」なども近く、交通の便も良いという魅力的な町だと思います。

この町で開業に至った経緯を教えてください。

当院は、1958年に前院長である父が開業したのですが、70歳を過ぎた頃から体調を崩し、一人で診療を続けるのが難しくなりました。当時は20床の有床診療所だったこともあり、50人以上のスタッフが働いてくれていましたから、安易に閉院する道は選べないと考えました。父が体調を崩したことをきっかけに、当院を継承することを決意したのです。私が継承しても、2代目として患者さま方にスムーズに受け入れていただけるのは、地域の皆さまに寄り添った医療を提供してきた開業医だからではないでしょうか。私自身も、この町で生まれ育ちましたし、地域の皆さまも当院のことを昔から知っていて、通い続けてくださっています。「家族が通っていたから自分も」と、何世代にもわたって、家族ぐるみで通ってくださっている患者さまも多くいらっしゃいます。今後も、地域の皆さま方に密着した医療を提供していければと考えています。

リラックスできる時はどんな時ですか？

リラックスできるのは、家で愛犬と一緒に過ごしている時です。黒のラブラドール・レトリバー、ミニチュア・ダックスフントを飼っているのですが、近くにいると癒されますね。

座右の銘とその理由を教えてください。

「ネガティブ・ケイパビリティ（Negative capability）」という言葉、考え方を大事にしています。「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、詩人ジョン・キーツによって表された概念で、日本語では消極的能力・消極的受容力・否定的能力などと訳されます。答えの出せない問題に対して、どのように向き合い、受け入れていくかということです。精神科の医師であり作家である帚木蓬生氏も『ネガティブ・ケイパビリティ答えの出ない事態に耐える力』という書籍を出しています。たとえば、人間が老化して死に向かっていく時間の流れは止めることはできません。認知症のように、現代の医療では改善が難しい疾患もあります。年を重ねた方に対して、医師が関与して改善できることはわずかです。それでも、患者さまに寄り添って、生活を支え、できる限りのことをしながら最期を迎えるまでサポートしていくのが開業医の仕事なのです。この仕事をまっとうするためには、「ネガティブ・ケイパビリティ」という考え方も、大切なのではないかと考えています。

牛込台さこむら内科(新宿区

	月	火	水	木	金	土	日	祝
9:00～12:00	●	●	●	●	●	●	休	休
15:00～17:15	●	●		●	●		休	休

牛込台さこむら内科の基本情報

医院名

牛込台さこむら内科

診療科目

内科循環器内科呼吸器内科消化器内科小児科

診療内容

インフルエンザ予防接種

ネット受付

電話問合せ

0066-98010-076094

電話問合せの注意事項【必読】

※当社及びEPARK利用施設は、発信された電話番号を、EPARKクリニック・病院利用規約第３条（個人情報について）に定める目的で利用できるものとします。
※一部回線からはご利用いただけない場合がございます。ご了承ください。

住所

大きな地図で見る

アクセス

都営大江戸線牛込神楽坂駅徒歩3分
東京メトロ東西線神楽坂駅徒歩8分
中央本線市ヶ谷駅徒歩12分
都営大江戸線牛込柳町駅徒歩10分
中央本線飯田橋駅徒歩14分
都営大江戸線若松河田駅徒歩18分
都営新宿線曙橋駅徒歩20分
総武線市ヶ谷駅徒歩11分
総武線飯田橋駅徒歩13分

都バス「納戸町停留所」徒歩約2分

駐車場有り（4台）

診療時間・休診日

休診日

日曜・祝日

土曜診療

	月	火	水	木	金	土	日	祝
9:00～12:00	●	●	●	●	●	●	休	休
15:00～17:15	●	●		●	●		休	休

上記は受付時間となります。
水曜午後は往診です。

混雑の目安

9時~10時

※混雑状況の目安は各医院への取材情報を元にして掲載しておりますが、実際の状況とは異なる場合がございます。あくまでも参考の一つとしてご活用ください。

電話番号

03-3269-1783

特徴・設備

特徴	院内感染対策
待合室	アルコール除菌
設備	バリアフリー個室キッズスペース駐輪場駐車場おむつ交換台ベビーキープ
駐車場	駐車場有り（4台）
サービス	多言語対応 ( 英語 )

最終更新日 2023年5月22日

掲載している情報についてのご注意

医療機関の情報(所在地、診療時間等)が変更になっている場合があります。事前に電話連絡等を行ってから受診されることをおすすめいたします。情報について誤りがある場合は以下のリンクからご連絡をお願いいたします。

掲載内容の誤り・閉院情報を報告

牛込台さこむら内科

診療時間・休診日

交通案内

医院写真

特徴

インタビュー

医師・スタッフ

牛込台さこむら内科の基本情報

特徴・設備

ネット受付状況

順番待ち情報