人生のターニングポイントはいつですか？

人生のターニングポイントは、父が病に倒れ、当院の診療の継続が難しくなった時です。当時、私は都内の大学病院に勤務していました。今後についてはいろいろと悩みましたが、旧・三和記念病院に勤務しながら当院の診療を手伝い、なんとか閉院しなくとも済むように奮闘したのです。

有床産婦人科として継承された経緯を教えてください

父が倒れた後、1994年に院長として当院を継承したのですが、お産のできる有床の産婦人科クリニックとするかどうかについては、悩みました。当時、この地域には、お産のできる医療機関が多かったためです。しかし、周囲の先生方からエールをいただき、有床の産婦人科として、再スタートを切ることを決めました。出生率は減っても、妊婦さまはどこかで出産しなければなりません。誰かがやらなければならない、必要な仕事だと思い、有床の産婦人科クリニックとして継承することにしたのです。

患者さまのニーズに応えるための努力を何かしていますか？

父が産婦人科の医師で、住宅に隣接したところに診療所があったため、小さな頃から出産時の妊婦さまの苦しそうな声を聞いて育ちました。子どもながらにとても痛そうだからなんとかして差し上げたいと思っていたのです。産婦人科の医師になり、海外では、硬膜外麻酔という方法で、お産の痛みを和らげて出産することが多いと知りました。そこで、できるだけ痛みを軽減したいと考えている妊婦さまのニーズに応えるため、硬膜外麻酔による無痛分娩の方法を学んだのです。

今後力を入れていきたいと考えている治療について理由と共に教えてください。

1994年に当院を継承した時とは、皆さまのお産に対する考え方も変わってきていると思います。2005年頃からは、妊婦さまのニーズに応える形で、硬膜外麻酔による無痛分娩も取り入れました。さまざま変化はあるものの、ひとつひとつのお産に対してていねいに接することが基本と考えています。今後も、無痛分娩に力を入れつつ、ひとつひとつのお産を大切にしていきたいと考えています。