クリニックにはどんなお悩みを持った患者さんがいらっしゃいますか?また、どのような治療を実践していますか?
湿疹やアトピー、突発的なじんましんや火傷など一般的な皮膚の病気で来院される患者さまが多いですね。当院は予約の方が優先になっていますので、ご予約がない場合は、時間帯によってはお待ちいただくことになりますが診させていただいています。
保険診療から自由診療まで対応できます。たとえば、イボの治療は保険で行う液体窒素を吹きかける方法が一般的ですが、改善が見られない場合は自費も含めた複数の治療法を提供できます。治療法ごとに特徴がありまして、症状によって向き不向きがあります。また、患者さまの通う期間や費用などご希望に合わせて変えていくことができます。
初めて来院された患者さまに対して心がけていることがあれば教えてください。
始めて処方するお薬についてはくわしく説明するようにしています。お薬によっては特殊な塗り方、飲み方をするものもありますから。もちろん、同じ薬であれば二度以降は同じように説明はしませんが、患者さまのほうでご質問があれば何度でもお答えします。あとは、施術などにおいては、事前に手順を知っていただいたほうが不安も軽減できると思いますので、くわしくお伝えしております。
説明・カウンセリングで重視していることはありますか?
お悩みをしっかり聞くことを常に心がけています。治療内容やお薬の説明よりも、まずは患者さまが何に悩んでいて、どのようなご要望があるのかを把握しなければいけません。こちらから「こうしたほうがいいですよ」と治療法を一方的に押し付けるのではなく、患者さまの通院できる頻度や負担できる治療費などを考慮するようにしています。
「こちらの治療法のほうが通院回数は少なくすむと思います」「こちらですと炎症が少し強く出ますので数時間は肌が赤くなりますが、ご希望にそった結果が期待できます」など、複数の治療法のメリットとデメリットをしっかりお伝えして、患者さまに治療法を決めていただきます。「こういう治療もいいと思いますよ」と提案することもありますが、希望されない方に無理にすすめるということはしません。
女性の患者さまへ配慮していることはありますか?
デリケートゾーンの診察であれば、女性の看護師がタオルで肌を隠すなどの配慮をしています。基本的に、男性医師が診察する場合は女性の看護師が介助にお付きするようにしています。当院では美容診療を希望する方が多いので、会社帰りに一般の診療で来院された同僚の方、とくに異性の方と鉢合わせずにすむように待合室は分け、処置室も個室をご用意しています。
診療前後にお使いいただけるパウダールームには、タオルやめんぼう、洗顔時に髪の毛が濡れないようにヘアバンド、化粧水や乳液などのアメニティグッズ、また施術後は髪の毛が乱れることがありますのでドライヤーも置いています。ご自由にお使いいただければと思います。
院内のデザインや空間でこだわったところがあれば教えてください。
診察室は声が外に漏れないように防音になっております。院内のトイレも男女で分かれていますし、処置室は個室を複数ご用意しています。たとえば点滴を受けている間も、ほかの患者さまの目に触れずに室内でくつろいでもらえるようになっています。美容面の施術では光を使った治療も多いので、室内から光が外に漏れないことも、お待ちいただいている患者さまに影響を与えないメリットがあると思います。
スタッフのモチベーションを高めるためにしていることはありますか?
医療機器や治療薬は臨床件数が上がってくるにつれ、よりよい使い方が分かってくることがあります。その度にメーカーはマニュアルを更新するのですが、当院では医療機器やお薬の使い方を医師・スタッフ間でこまめに共有するようにしています。
とくに医療機器に関しては、患者さまにお使いする前に医師がスタッフに施術を行って確認したり、ほかの医師から施術を受けたりして、実際の施術では患者さまに不快感を与えないように練習をするようにしています。お薬の使い方の説明ですと、スタッフ同士で「こうしたほうが患者さまに伝わりやすい」など、話をしているのをよく見ますし、患者さま目線で取り組めているかと感じています。
先生が患者さんだった場合の病院選びのポイントを教えてください。
しっかりと話を聞いてくれることが大事ですね。皮膚の病気は症状が目に見えるので、自分でも気になりますし、周りにどう見られているのかも不安だと思います。そんな心境で病院に通われるわけですが、治療では一つの症状に対して、以前にも発症したことがあるのか、これまで使ったお薬で改善したのか、といった患者さまの情報が大事になってきます。生活背景に原因が隠れていることも多いので、お話を聞かなければ分からないことは多いんです。
同じ症状でも経過によって処方するお薬は変わってきます。そういった点で患者さまときちんと向き合ってくれる医院を選んでほしいですね。また美容診療では、患者さまが継続して通いやすいように、複数の治療法を提供してくれることも必要だと思います。お金儲けに走らない病院、というところでしょうか。