ぜんしんせいきょうひしょう全身性強皮症
全身性強皮症とは?
全身性強皮症(ぜんしんせいきょうひしょう)は皮膚や内臓が硬化していく病気です。
体内にある本来は体を守るために働くはずの抗体が、体の組織を攻撃することで発症する自己免疫疾患の一つです。
全身性強皮症は、他の自己免疫疾患である関節リウマチや全身性エリテマトーデスと同じように、完全に治すことは難しい病気です。
しかし、進行を抑える治療法があり、症状をコントロールすることは可能です。
強皮症には一部の皮膚とその下にある筋肉を硬化させる限局性強皮症がありますが、こちらは自己免疫疾患ではなく、全く別の病気です。
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全身性強皮症の症状
寒冷刺激によって指先が真っ白になる「レイノー現象」や手指の皮膚硬化はほぼ確実に発生します。
皮膚硬化は指先から始まり、体幹や顔面にまで及ぶこともあります。そのほか消化管や心臓、肺、腎臓に障害が出ることがあります。
全身性強皮症の診療科目・検査方法
全身性強皮症の原因
原因はわかっていません。
線維芽細胞(せんいがさいぼう※1)の活性化や血管障害、免疫の異常が関与していると考えられています。
全身性強皮症の予防・治療方法・治療期間
病気自体を治す治療法がないため、対症療法や障害のある臓器に対する治療が中心となります。
ただし、自然にある程度皮膚硬化が緩和することもあります。
生涯にわたる治療が必要になります。
全身性強皮症の治療経過(合併症・後遺症)
根本的な治療法は現時点ではありません。
全身性強皮症になりやすい年齢や性別
日本には2万人以上いることが確認されています。
30から50歳代に多く、女性が男性の12倍多くみられます。
参考・出典サイト
編集部脚注
※1 線維芽細胞(せんいが-さいぼう)
線維芽細胞は、「皮膚の表皮より奥―真皮(しんぴ)にある細胞」です。
細胞と細胞をつなぐ膠原線維(コラーゲン)を産生しています。
膠原線維が過剰になると、皮膚は硬く変質します。
強皮症の皮膚では、線維芽細胞が必要以上に膠原線維を産生しています。
執筆・監修ドクター
経歴2004年 弘前大学医学部医学科卒業
茅ヶ崎徳洲会総合病院(現:茅ヶ崎徳洲会病院)にて初期臨床研修
2006年 湘南鎌倉総合病院総合内科にて後期研修
2008年 2008年度内科チーフレジデント
2009年 東京医科歯科大学医学部附属病院膠原病・
リウマチ内科に入局しリウマチ膠原病診療に従事
湘南鎌倉総合病院総合内科・リウマチ科非常勤
武蔵野赤十字病院膠原病・リウマチ内科非常勤
2011年 信愛クリニック非常勤医として勤務
2014年 東京医科歯科大学大学院博士課程修了 信愛クリニック常勤医として勤務
2016年 アカラクリニック開院
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