脳梗塞

脳梗塞の説明

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

脳梗塞とはどんな病気?

脳梗塞は動脈硬化が原因となる病気

脳梗塞は動脈の血管が硬くなる、「動脈硬化」によって引き起こされる病気です。血管が硬くなると内側は壊れやすくなり、おかゆのように柔らかいコレステロールの塊がこびりついている状態(粥腫:じゅくしゅ)になります。
動脈硬化によって脳の血管が詰まったり細くなったりすることで、十分な酸素や栄養が脳に行き届かなくなります。

脳は全身の動きを司っている器官のため、酸素や栄養不足によって細胞が壊死してしまうと、半身麻痺や言語障害、記憶・視覚の障害が出ることもあり日常生活に大きな影響を及ぼします。
脳梗塞は症状の発見や治療に遅れが出てしまうと最悪の場合死に至ることもあるので、病気について理解し日ごろから注意をはらうことが大切です。
脳梗塞による死亡率は患者全体で約15%となっており、高齢者になるほど死亡率は高くなっていきます。

患者全体の約50%に介護が必要な重度の障害が残るともいわれ、残りの約35%は不自由なく日常生活を送れるレベルまで回復しているとされています。
そのため、できる限り早期の段階で脳梗塞を見つけ、適切な治療を受けることが重要となります。

脳梗塞とはどんな病気?

脳梗塞の種類は3タイプ

脳梗塞には血管の太さや血栓の詰まり方によって、下記のような3タイプに分類されます。

①ラクナ梗塞

高血圧を主な原因として脳にある細い血管に動脈硬化が起こり、詰まってしまうのがラクナ梗塞です。
脳の中心近くにできやすく、水たまりのように小さくぼんでおり日本人に多いタイプの脳梗塞です。

② アテローム血栓性脳梗塞

動脈硬化によって狭くなってしまった脳の太い血管が、血栓によって詰まってしまうのがアテローム血栓性脳梗塞です。
糖尿病や高脂血症などの生活習慣病が主な原因で、食生活の欧米化(高カロリー&高コレステロール)によって近年増加傾向にある脳梗塞のタイプです。

③ 心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)

心臓にできた血栓が脳に流れ、太い血管を塞いでしまうのが心原性脳塞栓症です。
急性心筋梗塞や不整脈の一種である心房細動(しんぼうさいどう(※))を原因とし、突然血管が詰まってしまうためいきなり症状が現れます。
脳の太い血管を詰まらせるため、重い症状や後遺症が出てしまう可能性が高いタイプの脳梗塞です。

※心房細動(しんぼうさいどう):不整脈の一種
心臓には2つの心房と2つの心室から成る4つの部屋があり、健康だと規則的に収縮します。しかし、心房細動では心房が細かく震えて動きます。心電図をとると、細かく震えているのがとらえられます。

脳梗塞は治る病気?

脳梗塞を治し後遺症のリスクを下げるためには、可能な限り早期の治療が大切となります。

脳梗塞は発症から4~5時間以内の治療が重要とされており、この時間内に適切な治療を開始できるかが、その後の状態を大きく左右するともいわれています。
発症から治療までの時間が遅れてしまうと、後々に重い後遺症が残ることがあり、日常生活への影響が大きくなってしまいます。

脳梗塞の発症年齢

脳梗塞は60代から発症が見られ、70~80代にかけて患者数がピークを迎える病気です。
生活習慣病や過度な飲酒・喫煙によって発症のリスクが高まり、蓄積されたものが動脈硬化を促進し脳梗塞を引き起こします。

また、脳梗塞は50歳以下で発症することもあります。
「若年性脳梗塞」と呼ばれ、子供の頃から欧米型の食生活や運動不足によって、若いうちから動脈硬化の危険因子が増え脳梗塞になりやすくなります。若いからといって安心せず健康的な生活を心がけるようにしましょう。

脳出血やくも膜下出血との違い

■脳出血

脳梗塞は運動や言語を司る脳の領域に血液がいかなくなり、壊死することで障害が出る病気です。
一方、脳出血は脳の中にある細かい血管が破れて出血することで、脳が壊れて症状が現れる病気です。脳梗塞と脳出血はいずれも脳の中で起こる病気です。

■くも膜下出血

くも膜下出血は脳の表面にある血管に動脈瘤(こぶ)ができ、破れて表面に出血する病気です。
流れ出た血液は脳表面のくも膜下に溜まり、出血量に応じて脳が圧迫されていくため脳が壊されていきます。

■脳卒中というカテゴリ

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血は脳の血管に障害が起こる「脳卒中」というカテゴリに属し、血管が詰まる脳梗塞と血管が破れる脳出血・くも膜下出血に分けられます。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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