はいどうみゃくせいはいこうけつあつしょう肺動脈性肺高血圧症
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肺動脈性肺高血圧症の症状
体を動かした時に息苦しく感じる、すぐに疲れる、体がだるい、足がむくむ、意識がなくなる(失神)などの症状があらわれます。
肺動脈性肺高血圧症の診療科目・検査方法
早めに専門医を受診する必要があります。呼吸器内科を受診しましょう。
検査内容
心電図、胸部レントゲン、心エコーなどの検査を行います。
疑わしいと判断された場合は胸部CT、胸部MRI、カテーテル検査(※2)、シンチグラム(※3)、肺動脈造影検査などを行います。
肺動脈性肺高血圧症の原因
肺動脈性肺高血圧症の予防・治療方法・治療期間
治療法
肺の血管を拡げて血液の流れを改善させる「肺血管拡張療法」による治療を行います。その他補助的な治療として利尿薬や酸素療法を行います。
治療期間
持続的に治療が必要です。
進行や薬の降下には個人差があるが内科治療により効果がある場合が多いです。
内科治療抵抗性の場合は肺移植も適応となります。
肺動脈性肺高血圧症の治療経過(合併症・後遺症)
完治は難しいが治療開始が遅れると症状を悪化させる可能性があります。
診断された場合は早めの治療が必要です。
肺動脈性肺高血圧症になりやすい年齢や性別
女性の方が男性の2倍以上のリスクがあります。女性は加齢とともに増え、70歳代がピークになっています。
男性は20歳代が多く、40歳代までは減少する傾向にあります。その後、再び70歳代まで増加する二層性になっています。
編集部脚注
※1 膠原病 (こうげん-びょう)
膠原病は、「特定の場所だけでなく、(組織と組織の間にある)結合組織・血管・臓器などに幅広く炎症を生じる病気」の総称です。
膠原病では、「免疫システムが自分自身の身体を攻撃対象にすること」で炎症が起こります。
このような発症メカニズムから「自己免疫性疾患」と呼ぶこともあります。
具体的な膠原病としては、「関節リウマチ」「全身性エリテマトーデス」「シェーグレン症候群」などが知られています。
※2 カテーテル検査
カテーテル検査は、「カテーテルを用いておこなう検査」です。
心臓用のカテーテルは「直径2mm程度、長さ1m程度の管」であり、循環器の検査に用いられています。
肺高血圧症の検査においては、右心カテーテルがおこなわれます。
静脈からカテーテルを入れて右心房・右心室まで進め、「肺動脈圧」「右心房圧」「右心室圧」などを検査します。
※3 シンチグラム
シンチグラムは、「放射性物質を利用して、体内の様子を画像化する検査」です。
厳密には「検査=シンチグラフィ」「検査結果の画像=シンチグラム」と区別します。
体内に放射性物質を入れる必要がありますが、微量なので健康に悪影響はありません。
放射性物質なら、「放射線がどこから出ているか」を確認することで、「体内に入れた放射性物質の位置」を知ることができます。
シンチグラフィは「放射性物質の位置情報」を活用して、体内の様子を知る検査になります。
肺のシンチグラフィには2種類が存在し、それぞれ「肺血流シンチグラフィ」「肺換気シンチグラフィ」といいます。
肺血流シンチグラフィは「放射性物質を静脈注射して、肺の血流状態を知る検査」です。
肺の塞栓症などを見つけるのに適しています。
一方、肺換気シンチグラフィは「放射性物質を吸入して、肺の換気状態を知る検査」です。
肺気腫、慢性気管支炎などを診断するのに役立ちます。
また、肺血流シンチグラフィと肺換気シンチグラフィを両方実施することで、「血管と気道のどちらに異常があるのか」を知ることができます。
執筆・監修ドクター
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