ぎつうふう偽痛風
偽痛風の症状
通常、1か所の関節(膝に出現することが多いが様々な関節に発症しうる)が激しく痛くなり、腫れや熱感もみられます。
発熱を伴うこともあります。
偽痛風の診療科目・検査方法
偽痛風の原因
ピロリン酸カルシウム二水和物(※1)が結晶化し、関節に沈着することによって炎症がおきます。
変形性関節症(※2)を合併している例が多いものの、なぜ沈着するかはわかっていません。
偽痛風の予防・治療方法・治療期間
非ステロイド系抗炎症薬により症状の緩和が期待できるが、基本的には安静にすることにより自然に改善します。
難治性の場合にはステロイドの関節内注射が有効です。
症状は数日から1週間程度で緩和されます。
偽痛風の治療経過(合併症・後遺症)
治療は可能です。
偽痛風になりやすい年齢や性別
男女差はなく、高齢者に多い傾向にあります。
編集部脚注
※1 ピロリン酸カルシウム二水和物
ピロリン酸カルシウム二水和物は、「偽痛風(ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着症)の原因となる物質」です。
関節液の中にピロリン酸カルシウム二水和物の結晶が沈殿することが偽痛風を誘発し、関節部分に過剰なピロリン酸が存在することで、偽痛風を発症します。
「偽痛風の発症率」と「血中の無機ピロリン酸濃度」が必ずしも比例するわけではありません。
一方、痛風の原因物質は「尿酸ナトリウム」です。
痛風に関しては、「血中の尿酸が増加すること」が明確に発症要因となります。
※2 変形性関節症
変形性関節症は、「関節が変形して痛む病気」です。
・軟骨の摩耗、変性
・関節の周囲を囲んでいる滑膜の炎症
などを繰り返しながら、関節の変形が進みます。
関節のまわりに(余分な)軟骨が形成されるなど、増殖性の変化が起こる場合もあります。
※3 CRP
CRPは、「炎症・組織破壊が起きると増加するタンパク質」です。
「炎症の有無・程度を評価するための指標」になります。基準値は「0.3mg/dL以下」です。
正式名称では「C-Reactive Protein(C-リアクティブ・プロテイン)」「C反応性タンパク」と呼ばれます。
※4 赤沈(せっちん)
赤沈は、「赤血球沈降速度の略称」で、炎症の程度を測る検査です。
血液と抗凝固剤(3.23%クエン酸ナトリウム溶液)を混和した液体を用い、「1時間後、赤血球がどれくらい沈んだか」を確認します。
基準値は「男性⇒10mm以内」「女性⇒15mm以内」です。
基準値より大きく沈んだ(=沈降速度が速い)場合、感染症・慢性炎症などを疑います。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴2004年 弘前大学医学部医学科卒業
茅ヶ崎徳洲会総合病院(現:茅ヶ崎徳洲会病院)にて初期臨床研修
2006年 湘南鎌倉総合病院総合内科にて後期研修
2008年 2008年度内科チーフレジデント
2009年 東京医科歯科大学医学部附属病院膠原病・
リウマチ内科に入局しリウマチ膠原病診療に従事
湘南鎌倉総合病院総合内科・リウマチ科非常勤
武蔵野赤十字病院膠原病・リウマチ内科非常勤
2011年 信愛クリニック非常勤医として勤務
2014年 東京医科歯科大学大学院博士課程修了 信愛クリニック常勤医として勤務
2016年 アカラクリニック開院
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