長引くせきに要注意!季節の変わり目にかかる病気とは?

風邪だと思ったら…長引く症状の原因とは?考えられる6つの病気

 

季節の変わり目になると風邪をひきやすくなると感じている方は少なくありませんよね。実際に風邪やインフルエンザなどの感染症は10月に増えます。風邪だと思っていたら、他の病気の可能性もあります。なかでも長引くせきの症状には重大な病気が隠れていることがあります。

今回は、風邪の主症状と長引くせきの原因となる病気について解説します。

 

▼POINT

風邪などの感染症は10月ごろから増える!
インフルエンザ、RSウイルス感染症、花粉症、副鼻腔炎、気管支喘息、肺炎は秋から冬にかけて発症する傾向
乾燥している季節ほど徹底しよう『手洗い・うがい』

秋に増加する風邪とは?

そもそも風邪の定義とは?

数多くの人がかかる風邪。この言葉を使う多くの人は明確な定義をせずに使っているかもしれません。風邪について、文献によって少しずつ考え方にばらつきがありますが、共通した項目をくみ取ると
「自然に回復する」
「上気道のウイルス感染症」を示しています。

なぜ風邪をひくのか?

免疫が低下すると、鼻やのどにウイルスが付着した際に、普段なら排出されるはずのウイルスがうまく排出できないことがあります。その結果、付着した粘膜からウイルスが増殖して急性上気道感染症、いわゆる風邪にかかった状態になります。風邪は正式にはかぜ症候群という病名です。普通感冒(ふつうかんぼう)ともよばれています。それに対してインフルエンザウイルスに感染するインフルエンザは流行性感冒とよばれます。

風邪の原因はウイルス感染

風邪の原因になるウイルスでもっとも頻度の高いものはライノウイルスです。そのライノウイルスによる感染者は10月頃にもっとも増えます。風邪は感染するウイルスの種類によって症状が異なることが知られています。

抗生物質は風邪に効かない?

細菌による感染症の治療に使用される抗生物質はウイルスには効果がありません。効果がないだけでなく抗生物質が効かない耐性菌が生まれ、肝心な時に薬が効かないということもおこります。そのため、厚生労働省や日本医師会では初期診療での風邪による抗生物質の投与をしないよう注意喚起をおこなっています。

どんな症状があらわれるのか?

一部のウイルスを除く風邪の主な症状は鼻やのどへの症状が中心です。鼻汁咳(せき)咽頭痛発熱の4つが風邪の主な症状です。
もし風邪であれば、こうした症状は慢性気管支喘息(まんせいきかんしぜんそく)といった他の疾患を併発している場合を除き、医療機関を受診せずとも安静にすることで回復していきます。また、実際にどういったウイルスや細菌に感染しているのかを調べるには時間がかかります。そのため、普段は健康な人が風邪をひいた場合、回復のタイミングを考えるとウイルスを特定するための検査をして診療に活かすことは困難です。そのため症状の変化や状況に合わせて医療機関を受診し、柔軟に治療法を切り替える判断が必要になります。

風邪の特効薬はない

風邪に対する有効な治療薬は存在しません。そのため、症状を緩和させる対症療法が中心となります。風邪の症状である発熱、鼻汁、咳(せき)、咽頭痛などの反応はウイルス感染に対して、体を守ろうとしておきている「生体防御反応」とよばれる症状です。そのため、この症状を無理に抑え込むと回復を遅らせる可能性があります。

風邪と間違えやすいインフルエンザとは?

最初に風邪と判断した場合でもインフルエンザだったという方も多いのではないでしょうか。インフルエンザには以下の症状があります。

38度を超える発熱
黄色や緑色の鼻汁
激しく痛む、あるいは腫れをともなう咽頭痛
激しいせき
4日以上発熱が続く

また、赤ちゃんがかかりやすいRSウイルス感染症にも注意が必要です。

赤ちゃんの風邪RSウイルス

乳児が感染しやすいウイルスにRSウイルスがあります。2歳までにほとんどの子供が感染するウイルスで、繰り返し感染します。小さい子供ほど重くなりやすく、細気管支炎肺炎などへと重症化しやすく、また症状が急激に進行して重症化します。赤ちゃんの場合は風邪と油断せずに特に細かく様子をみる必要があります。
主な症状は、鼻水、せき、発熱、喘鳴(ぜーぜー・ヒューヒューといった呼吸音が聞こえる)です。

風邪の感染経路

風邪の感染経路は飛沫(ひまつ)感染接触感染です。

飛沫(ひまつ)感染はせきやくしゃみなどで飛んだ唾液の飛沫(ひまつ)などにウイルスが混ざっていて、それを吸い込んだり、ふれたりすることで感染することです。接触感染はウイルスを保持している人が触ったものをふれた手で食事をしたりすることで感染します。手から感染することも多いため、手洗いの実施は風邪の予防には有効です。

風邪と似た症状の病名

その長引く症状、風邪ではないかも?!

風邪の原因になるウイルスは400種以上あります。どのウイルスも感染すると約12時間以内に症状が出始め、2~3日目にピークを迎えます。その後は徐々に回復して7~10日で改善します。だいたい2週間くらいはせきやくしゃみが続く可能性はありますが、せきが3週間以上続く場合は、ただの風邪ではない可能性があります。

夏から秋へ、または秋から冬へと季節が変わるタイミングで風邪以外に、咳(せき)やくしゃみの症状が考えられる代表的な病気は以下の通りです。

花粉症などのアレルギー疾患
副鼻腔炎(ふくびくうえん)
気管支喘息(きかんしぜんそく)

などです。

花粉症の可能性

秋はブタクサによる花粉が多い

花粉症は年明けから春にかけて患者さんが増えるスギ花粉症が一般的に知られていますが、秋も花粉症の季節です。ブタクサなどのキク科の植物による花粉が増えます。アメリカではブタクサによる花粉症が日本でのスギ花粉症と同じぐらい一般的です。
ブタクサは日本では貨物などに種子が付着して侵入してきた外来植物です。秋には他にもヨモギなどの花粉で花粉症になる人が増えます。

秋の花粉症は地域差がある

ブタクサやヨモギによる秋の花粉症は、春先に多いスギ花粉と比べて地域により発症する患者数が増減します。理由は、地域によって花粉症の原因になる植物が自生している比率が変わるため、草原の多い地域とアスファルトが多い地域で罹患者数が変化します。

ハウスダストによるアレルギー性疾患

秋になって増えるのがハウスダストによるアレルギー性鼻炎やぜんそくです。ハウスダストなどによる通年性のアレルギーが秋に入ると多くなる理由はいくつか指摘されています。主には気温が下がって来ると部屋の換気をしなくなるため、室内の密閉度が上がり、ダニなどが繁殖しやすい環境になることとも関係があると考えられています。

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アレルギー性鼻炎とは?

副鼻腔炎の可能性

鼻の粘膜におきた炎症が副鼻腔の粘膜に広がると副鼻腔炎(ふくびくうえん)になります。風邪でも炎症が副鼻腔に広がり、副鼻腔炎になります。副鼻腔炎は大きく分けて2種類あります。
通常は風邪と同様に1~2週間程度で回復する急性副鼻腔炎と、長引いて治らないいわゆる蓄膿症(ちくのうしょう)とよばれる慢性副鼻腔炎です。

どんな症状があらわれるのか?

副鼻腔とは鼻の穴につながっている鼻や頬、目などの奥にある空洞の部分です。鼻づまりや粘り気の強い黄色・緑の鼻汁が出るなどの鼻の症状の他に、頭痛顔面痛などがおこります。副鼻腔炎ではせきも出やすくなります。鼻水がのどへ落ちていく後鼻漏(こうびろう)という症状が副鼻腔炎を発症することで悪化し、鼻水が普段よりも多くのどへ流れ込むことで異物を排除しようと体が反応してせきが出ます。特に寝転がった状態になると、鼻の穴から体外へ出るよりも、のどへ落ちる量のほうが増えて痰(たん)が詰まったような状態になり、せきが出やすくなります。

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慢性副鼻腔炎とは?

気管支喘息の可能性

気管支喘息(きかんしぜんそく)は、気管支が炎症をおこして、呼吸が苦しくなる・喘鳴とよばれるゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音がする・痰(たん)が絡むなどが主な症状で、慢性的なせきとなってあらわれる病気です。

気管支喘息は秋から冬にかけて発症しやすい

気管支喘息の発作は、アレルギー反応や冷たい空気を吸い込むなどの刺激でもおこります。夏には発作の症状がなく落ち着いていたのに、気温が下がった秋ぐちから急に再発することが多く、秋から冬にかけて増加する傾向にあります。
発作が重くなると呼吸困難と激しいせきなどがおこります。

現在は吸入ステロイドの導入により、治療効果があがり、症状を抑えることもできるようになりました。早期に治療を開始することでリモデリングという気道の組織自体が変質して厚くなることを避けることも重要です。

どんな症状があらわれるのか?

呼吸が苦しくなり、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸が主な症状です。または、喘鳴とまでいかずとも咳が止まらなくなる症状があります。この状態は「咳喘息(せきぜんそく)」とよばれ、そのまま治療せずに放置すると、喘鳴(ぜんめい)をおこす典型的な気管支喘息に進行します。

咳喘息と風邪を初期段階で見分けるのは困難です。しかし、咳喘息であれば、乾いた咳などの症状が長引きます。

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気管支喘息とは?

肺炎の可能性

病原菌が原因の肺炎

マイコプラズマ肺炎

せきの症状がいつまでも治らない場合、肺炎についても考慮する必要があります。肺炎は肺炎球菌による感染が一般的で、肺炎球菌のほか風邪から進行する場合もあります。
考えられる病気に、マイコプラズマ・ニューモニエという菌に感染しておこるマイコプラズマ肺炎があります。

真菌が原因の真菌性肺炎

カビや酵母の仲間である真菌によって引き起こす肺炎があります。アスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカスという真菌が肺に入ることが原因の場合が多いです。

ウイルスが原因のウイルス性肺炎

インフルエンザウイルスやRSウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で肺炎をおこします。

その他の肺炎

肺胞といわれる空気を取り込むための袋が硬くなり換気がうまくできなくなる病気に間質性肺炎があります。また、喫煙習慣が原因でおこる閉塞性肺疾患(へいそくせいはいしっかん:COPD)などがあります。こうした病気によるせきは風邪のように自然回復することはありません。

また季節に関わらない場合も多くありますが、風邪と初期の症状が似ていたり、風邪から進行したりすることが多いことを考慮すると、季節の変わり目には注意が必要です。

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肺炎とは?

生き物からの感染の可能性

秋は、虫などが媒介になる感染症が増えることがあります。秋に増えるのは感染症を媒介する生物が、夏の間に産卵し、その後にふ化することで秋に増えるなどの理由があります。せきの症状はないけれど、体の調子が普段と違うという場合は要注意です。

虫・動物が原因になる可能性のある危険な感染症

ツツガムシ病

ツツガムシ病はもともと、風土病と考えられてきました。現在ではツツガムシとよばれるダニの仲間が感染源ということがわかっており、全国で確認される感染症です。オリエンティア・ツツガムシとよばれる病原体に生まれながら感染しているツツガムシの幼虫に吸血された際に感染します。ツツガムシは一生に一度だけ哺乳類の血液を養分として吸うために哺乳類に付着します。吸血されて感染しますが、吸血されたからといって全てにおいてツツガムシ病にかかるわけではありません。

感染してしまった場合は、5~14日間の潜伏期間の後に、発熱などの風邪のような症状から、だんだんと発疹をおこすようになります。死亡することもあるため危険な病気です。

ツツガムシは河川敷や山林などに生息しています。ツツガムシ以外から人に感染することはありません。また、人から人へも感染しないことがわかっています。

全国的にみると春~初夏と秋~初冬に患者さんが増える傾向にあります。

レプトスピラ症

レプトスピラ症はネズミや家畜、ペットを介して感染し、レプトスピラ細菌による感染症です。レプトスピラ細菌は水中や、湿った土壌に生息し、ネズミ類の尿細管に定着します。排尿とともに排出されます。そうして汚染された水や土壌へ接触することで感染します。

以前は台風などで洪水がおきる秋に流行したことから「秋病み(あきやみ)」とよばれたりもしていますが、最近では夏場の河川でのレジャー時に感染したり、海外旅行で感染したりすることで持ち込まれる例が増えています。

また、現在でも水害の後などには注意が必要です。症状は3~14日の潜伏期間後に、発熱や悪寒、筋肉痛など風邪のような症状があります。重症化したレプトスピラ症はワイル病とよばれます。重症化したワイル病では胆汁が分解できず、全身が黄色くなる黄疸(おうだん)や腎不全、出血などをおこします。

予防が大切

さまざまな病気を予防する手洗い

秋に限らず、流行性の病気の多くは風邪もふくめて細菌やウイルスによる感染症がほとんどです。
その予防には外出後や食事の前に手洗い・うがいをおこなうことも重要です。飛沫(ひまつ)感染、接触感染する病気では、しっかりと手洗い・うがいをおこなうことによる感染予防の効果は小さくありません。日頃からうがい・手洗いを習慣にしましょう。

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病気スコープ編集部
2018年10月23日

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