マイコプラズマ肺炎の治療法は?有効な抗菌薬の種類を解説
マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎の治療と治療薬

 

マイコプラズマ肺炎の治療は?

マイコプラズマ肺炎は細菌感染症です。そのため抗菌薬を使用して治療します。
抗菌薬にはいくつかの種類があり、マイコプラズマニューモニエに効果的な抗菌薬が選択されます。一方で、一部の抗菌薬に対しては効果がありません。。
さらに、近年では「抗菌薬の効きにくい菌―耐性菌」が発見され、従来使用されてきたマクロライド系抗菌薬という種類の薬にも効果がないことがあり、問題視されています。

マイコプラズマ肺炎には抗菌薬が有効

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

 

マイコプラズマ肺炎の原因菌―マイコプラズマは、細菌の仲間です。
そのため、抗菌薬(抗生物質)を処方することで軽快が期待できます。

ただし、すべての抗菌薬が有効というわけではありません。マイコプラズマは「細胞壁を持たない細菌」です。
そのため、「細胞壁合成酵素を阻害する抗菌薬(β-ラクタム系抗生物質)」は無効になります。
もともと細胞壁を持たないので、「細胞壁を攻撃する作用」では意味がありません。
β-ラクタム系抗菌薬に該当するのは、たとえば「ペニシリン系」「セフェム系」の抗菌薬です。

そこで、マイコプラズマ肺炎に対しては「マクロライド系抗菌薬」を第一選択とするのが一般的でした。
マクロライド系抗菌薬は細菌のタンパク質合成を阻害することで、増殖を抑えるメカニズムです。

2002年以降、マクロライド系耐性菌が増加

1999年まで、「マクロライド系抗菌薬に耐性を持つマイコプラズマは存在しない」とされてきました。
しかし、2000年頃から、マクロライド系抗菌薬が効かない耐性株が出現しています。

耐性株は増加の一途をたどり、2014年に発表された調査報告では次のように述べられています。
全国の65施設を対象にした調査において、2012年にマイコプラズマ感染症と確認されたのは349例、そのうち288例で耐性株が検出されました。つまり、2012年の時点で、マイコプラズマの83%が「マクロライド耐性株」だった、ということになります。
近年は、「マクロライド系抗菌剤の効かないマイコプラズマ」の比率が大きくなっています。

マクロライド耐性マイコプラズマ感染症には、「テトラサイクリン系抗菌剤」「ニューキノロン系抗菌剤」が用いられます。

【参考】マクロライド耐性マイコプラズマの疫学と抗菌薬の有効性に関する検討

マイコプラズマ肺炎に使われる薬

マイコプラズマ肺炎に用いられる抗菌薬は、次の3系統です。いずれも、7~10日ほど処方するのが普通です。
また、抗菌薬のほか、医師の判断で「咳止め」「解熱剤」など対症療法のための薬が処方されることもあります。

マイコプラズマ肺炎に使われる薬

・マクロライド系
代表的な薬剤にはエリスロマイシン、テリスロマイシン、リンコマイシンなどが存在します。細菌のタンパク質合成を阻害して、増殖を抑える薬です。
殺菌ではなく「増殖を抑える」という働き方の抗菌剤を「静菌系抗菌薬(せいきんけいこうきんやく)」と呼びます。

・テトラサイクリン系
代表例はミノサイクリン、オキシテトラサイクリンなどの薬剤です。タンパク質合成を阻害して細菌の増殖を抑える薬であり、静菌系抗菌薬の1つです。
ただし、子供に用いると「歯の着色」など副作用が出る恐れがあるため、8歳未満には用いません。

・ニューキノロン系
代表的な薬剤としてはレボフロキサシン、ナジフロキサシンなどが知られています。
細菌の「DNAジャイレース」という酵素を阻害する薬です。細菌を死滅させる「殺菌系抗菌薬」です。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。
 

情報リクエスト

病気スコープは、ユーザーの皆様が求めている情報を可能な限りお届けしたいと思っています。
「掲載されている病気についてより深く知りたい」「新しい情報として掲載してほしい病気がある」どちらの場合も、お気軽にリクエストしてください。
皆様の期待に応え続けることで、より信頼できるサイトとして成長して参ります。

どちらの情報をリクエストしますか?

または

※個別のご病気や治療法などの医療行為にかかわるお問合せには、
お答えできませんのでご了承ください。

送信完了

リクエストいただきありがとうございました。
いただいたご意見を元に、より信頼していただけるサイトとして成長して参ります。