まろりー・わいすしょうこうぐんマロリー・ワイス症候群
マロリー・ワイス症候群とは?
マロリー・ワイス症候群は、繰り返す嘔吐が原因となり胃と食道の接合部に裂傷(れっしょう)ができ、出血する症状です。
多量にアルコールを摂取し、嘔吐したことが原因の場合が多く、痛みを感じないこともあります。大量に吐血した場合は食道破裂など生命に関わる可能性もあるので、吐血の原因が食道破裂ではないことを確認する意味でも診察をうける必要があります。
治療は、内視鏡による検査と投薬による止血、内視鏡的止血術(クリッピング)をおこなうことがあります。
ほとんどの場合は、自然止血が可能です。
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マロリー・ワイス症候群の症状
食道と胃の接合部に裂創(れっそう:裂けた傷)ができます。多くは裂創による痛みはなく、激しい嘔吐後の吐血が典型症状です。
激しい1回目の嘔吐後、2回目以降の嘔吐で多量の新鮮吐血があることが多いです。
マロリー・ワイス症候群の診療科目・検査方法
問診が重要。出血源確認のため胃カメラを行います。
貧血の確認のために血液検査のほか、食道破裂を診断から除外するためレントゲン、CT検査も適宜行います。
出血が大量の場合は早急な治療が必要です。
食道破裂との除外診断をおこなうためにも、早急に消化器内科を受診しましょう。
マロリー・ワイス症候群の原因
激しい嘔吐(飲酒後、乗り物酔い、つわり)、咳、くしゃみ、排便、分娩後などによって腹腔内圧および胃食道内圧の上昇がきっかけとなり、食道と胃の境目付近の粘膜に裂創をきたすことで生じる消化管出血(吐血、下血)によるものです。
マロリー・ワイス症候群の予防・治療方法・治療期間
胃カメラで出血源を確認し、必要に応じて内視鏡的止血術(クリッピングなど)を行います。
ほとんどの場合は、自然止血または内視鏡止血が可能です。
出血の状態にもよりますが、数日から1週間程度の入院が必要になります。
マロリー・ワイス症候群の治療経過(合併症・後遺症)
治療は可能です。
マロリー・ワイス症候群になりやすい年齢や性別
上部消化管で出血した場合の原因の約5%がこの症状によるものとされます。
筆者の診療医としての印象では多量飲酒による嘔吐後におこることが多いことから飲酒年齢の30〜50歳の男性に多いです。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴1993年 札幌医科大学卒業
横浜市大医学部第二内科入局後、横浜市立港湾病院(現みなと赤十字病院)、横浜南共済病院、京都第二赤十字病院に勤務。
2003年 横浜市大病院助手
2006年 東海大学消化器内科講師
2010年 同准教授
2017年7月 かわぐち消化器内科開院。
東海大学医学部客員教授。横浜市大医学部臨床教授。
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