高血圧

高血圧の基本情報

 

高血圧とは?

高血圧は、動脈硬化の要因であり、最終的にさまざまな病気の引き金となります。実際、狭心症心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳梗塞などの脳血管疾患につながり、生命にかかわる恐れもあります。また、高血圧の状態が長期にわたると、腎臓で血液を濾過している糸球体の血管が動脈硬化を起こし、腎不全になる恐れもあります。

高血圧症の基礎知識

病名

高血圧症

別名

高血圧

症状

ほとんどの場合、無症状であり、著しく血圧上昇した場合には頭痛や吐き気を生じる可能性がある。
高血圧による様々な合併症が脅威。

罹患者数

厚生労働省の平成26年調査によると、総患者数は1,010万8,000人。

発症しやすい年齢と性差

患者数は男性445万人、女性567万6000人。
年齢が進むにつれて、増加する傾向。
中年では男性の割合が明らかに多いが、年齢が上がるにつれて男女差がなくなっていく。

原因

遺伝や生活習慣(塩分過剰摂取、運動不足、喫煙など)による明らかな原因とホルモン異常によるものがある。
原因によって高血圧の種類は分けられる。

受診の必要性

高血圧は自覚症状がなく進行し、心臓病や脳卒中の引き金になるため、健診などで異常があった場合には内科を受診する。

検査内容

血圧測定

治療可否

継続的に治療を続けていれば血圧を安定させることは可能。

治療法

すべての高血圧症患者さんに食事・運動療法をおこなう。
それでも血圧が高い場合には薬物療法を合わせておこなう。

治療期間

一度高血圧症と診断された方は安定していても定期的な健診もしくは内科受診が必要。

■医師が推薦する情報サイト
循環器病情報サービス 高血圧
日本心臓財団

■参考サイト

厚生労働省 平成26年患者調査の概要

【執筆】久保田 芳明 先生

高血圧についての基本知識

「高血圧」とは?

高血圧とは、血圧が平均的な数値よりも高い状態のことを言います。
継続的に血圧が高い場合は「高血圧症」とも言われ、合併症を引き起こしやすい状態です。
精神状態や時間帯で血圧が大きく変化する人もみられ、症状もめまいや動機など多岐にわたるため、すぐには「高血圧」と判別しにくい病気です。

高血圧の種類は要因によって異なる

高血圧は大きく2種類に分類されます。1つはホルモン分泌の異常や腎臓疾患、薬の副作用が原因とされる「二次性高血圧」というものです。他の病気や治療するときの薬によって血圧が高まっているため、その要因を取り除けば高血圧も自然と治っていきます。

もう1つは遺伝が要因であったり、生活習慣が影響したりして血圧が高くなっている「本態性高血圧」です。日本における高血圧は、この本態性高血圧が9割を占めています。

血圧は精神的にも変化するもので、病院に来たら血圧が上昇する「白衣高血圧」や、反対に病院では問題ないが、家庭で計測すると血圧が高い「仮面高血圧」といった高血圧もあります。

他にも早朝に血圧が上がる「早朝高血圧」、夜間の血圧が高い「夜間高血圧」といった、時間帯で現れる高血圧も注目され始めています。

ここでは、「本態性高血圧」について詳しく解説していきます。

「血圧」についての説明と数値基準

血圧とは血管内の血流による圧力です。
心臓が血を送り出すときの高い血圧を収縮期血圧といい、俗に「上の血圧」と言います。
反対に血液の流れが緩やかで低い血圧を拡張期血圧といい、「下の血圧」と表現されます。

落ち着いている状態のときに、上の血圧が139mmHg以下、下の血圧が89mmHg以下というのが年齢問わず「正常域血圧」とされています。
一方、上の血圧が140mmHg、下の血圧が90mmHgより高い状態なら、「高血圧」といえます。

年齢や合併症によって変わる血圧の「目標値」

高齢の方と若い方では、血圧の「目標値」が変わってきます。人間は歳を取ると臓器の働きが弱くなり、自然と血圧も高くなるためです。目標値は高血圧と診断される数値で、上回っている場合は「ここまで下げましょう」という数値のことです。

75歳以下の方の目標値は前述のとおり、上の血圧が135~139mmHg以下、下の血圧が89mmHg以下となっています。
それに対して75歳以上のかたの目標値は、上の血圧が145mmHg、下の血圧が85mmHgと上の血圧は高めに、下の血圧は低めに設定されています。
糖尿病や慢性腎臓病などの合併症を発症している方の血圧目標値も、それぞれ設定されています。

血圧の基準値

分類収縮期血圧(最高血圧)  拡張期血圧(最低血圧)
至適血圧<120 かつ <80
正常血圧120~129 かつ/または 80~84
正常高値血圧130~139 かつ/または 85~89
I度高血圧140~159 かつ/または 90~99
II度高血圧160~179 かつ/または 100~109
III度高血圧≧180 かつ/または ≧110
(孤立性)収縮期高血圧≧140 かつ <90

※赤字部分が一般的にいう高血圧
【参考】 日本高血圧学会ホームページより高血圧治療ガイドライン2014電子版

至適血圧・・・脳卒中や心筋梗塞など、血圧が関係する病気のリスクが低いとされる最適な血圧正常血圧・・・至適血圧よりリスクは上がるが、正常な血圧

正常値高血圧・・・高血圧の注意が必要

I度高血圧・・・高血圧の程度が比較的低い

II度高血圧・・・高血圧の程度が中程度

III度高血圧・・・高血圧の程度が高い

「至適血圧」~「正常値高血圧」の数値に納まっていれば、いますぐに高血圧の治療を始める必要はありません。
ただし、血圧は日頃の生活習慣に大きく影響されるため、油断せず運動と食事のバランスに気をつけましょう。

計測環境ごとの基準値

計測環境ごとの高血圧基準収縮期血圧(上) 拡張期血圧(下)
家庭血圧135以上または85以上
診察室血圧140以上または90以上
自由行動下血圧(24時間)130以上または80以上
自由行動下血圧(昼間)135以上または85以上
自由行動下血圧(夜間)120以上または70以上
   (単位 : mmHg)

家庭血圧・・・自宅で計測したときの血圧

診察室血圧・・・病院で計測したときの血圧

自由行動血圧・・・計測器具を身につけた状態で、一定間隔おきに計測したときの血圧

【参考】 日本高血圧学会ホームページより高血圧治療ガイドライン2014電子版

血圧は測定する環境によって数値が変わりやすいため、環境ごとに基準が定められています。
診察室血圧では、緊張で数値が高めに出る場合があります。診察室血圧が家庭血圧よりも低く出る方もいます。
家庭血圧では計測ミスを防ぐため、原則2回計測し、平均値を出します。家庭血圧と診察室血圧に差がある場合、診断の際には家庭血圧が重要視されます。
診察室血圧のみ高血圧の数値になる場合、白衣高血圧と呼ばれ、家庭血圧のみ高血圧の数値になる場合、仮面高血圧と呼ばれます。
白衣高血圧は病院での緊張が原因で血圧が上がっているものと考えられ、あまり治療の対象となりません。仮面高血圧の原因には、職場や家庭のストレスが考えられます。

高血圧についての基本知識

年代、性別の血圧平均値

血圧が正常値の割合 年代別 一覧表

血圧正常値30代40代50代60代70代
女性85%65%43%26%19%
男性62%41%31%22%18%

【参考】 日本高血圧学会ホームページより高血圧治療ガイドライン2014電子版

40代までに高血圧になっている人の男女比は、男性の方が多い傾向にあります。これは男性が食生活や生活習慣を乱しがちなためだといわれています。
50代になると女性が高血圧になる比率が高まっています。女性は更年期に入ると女性ホルモンが減少し、血圧の調整機能が低下するためです。

【監修】板東浩先生/医学博士/内科医

一緒に調べられている病気

狭心症

心筋梗塞

脳梗塞

急性大動脈解離

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病気スコープ編集部
2017年10月25日

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