かんせいのうしょう肝性脳症
肝性脳症とは?
肝性脳症(かんせいのうしょう)は肝硬変や肝炎などで肝臓に障害がおこることで発症します。肝性昏睡とよばれることもあります。肝臓の機能低下によってアンモニアが解毒・分解されずに脳に回って脳に障害をおこします。
症状は「眠気」や「生活習慣の乱れ」など肝性脳症の症状として本人や周りの人が認識しづらいものから、「異常行動」や「昏睡」まで重症度によって様々です。肝性脳症では、鳥の羽ばたきのような動きをする「羽ばたき振戦」と呼ばれる特徴的な症状が手指に確認されます。
肝性脳症の症状が確認された場合は早急に治療を開始しないと命に関わることもあります。そのため早い段階での治療開始が重要です。タンパク質を控えた食事や、下剤を使用して便通を良くすることでアンモニアの産生を抑え濃度を下げる、アミノ酸製剤を投与して栄養バランスを改善するなどの治療が行われます。
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肝性脳症の症状
見当識障害や異常行動などの精神神経症状を認めます。
特徴的な身体所見は、手指が鳥の羽ばたきのように動く「羽ばたき振戦」です。
進行すると昏睡状態となります。
肝性脳症の診療科目・検査方法
肝性脳症の原因
アンモニアは肝臓で代謝・解毒されますが、肝機能障害を引き起こすと代謝が行われずに高アンモニア血症をきたし肝性脳症を引き起こします。
肝硬変・肝不全が原因となり、他にも高蛋白(たんぱく)食、消化管出血、便秘などにより血中のアンモニアが増加します。
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肝性脳症の予防・治療方法・治療期間
栄養管理として、低蛋白(たんぱく)食を摂取させ、肝不全患者の栄養状態改善作用のある分枝鎖アミノ酸製剤(バリン、ロシン、イソロイシンなど)を投与します。
血中アンモニアの上昇を引き起こす便秘を改善するため、ラクツロースという下剤効果の薬を投与します。
意識障害のため入院で加療することが多く、数週間要することが多いです。
肝性脳症の治療経過(合併症・後遺症)
内服や点滴にて治療は可能です。
肝性脳症になりやすい年齢や性別
日本における患者数は推計3万人です。症状のない潜在性肝性脳症の患者は約15万人と推定されています。
肝性脳症の原因は多岐にわたります。年齢や性差に関する疫学の文献はありません。
執筆・監修ドクター
経歴2010年 昭和大学医学部卒業
2010年 昭和大学横浜市北部病院初期研修医
2012年 昭和大学横浜市北部病院総合内科
2014年 帰陽会丹羽病院
2015年 昭和大学横浜市北部病院総合内科助教
2017年 霞ヶ関診療所
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