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じふてりあジフテリア

更新日:2022/08/16 公開日:2019/01/31 view数:3,633

ジフテリアとは?

ジフテリアはジフテリア菌による感染症です。以前は日本でも流行し、死亡率も約5~10%と危険な病気でした。現在は予防接種の普及によってほとんど確認されなくなりました。しかし、世界的には、まだ流行しているエリアがあり、海外旅行の際は訪問するエリアによっては注意が必要です。

ジフテリアに感染すると潜伏期間を置いて症状が出ます。だるさや発熱、のどにできる偽膜(ぎまく)などが特徴です。特に、偽膜の形成で気道が塞がれることや偽膜がはがれ落ちて同じく気道が塞がれ、呼吸困難に陥る可能性もあるため早急な治療が必要になります。

目次
  1. ジフテリアの症状
  2. ジフテリアの診療科目・検査方法
  3. ジフテリアの原因
  4. ジフテリアの予防・治療方法・治療期間
  5. ジフテリアの治療経過(合併症・後遺症)
  6. ジフテリアになりやすい年齢や性別

ジフテリアの症状

ジフテリアの主な症状はのどの痛みや発熱、全身のだるさ、のどや気管に見られる偽膜形成です。

偽膜(ぎまく)は咽頭(いんとう)や偏桃(へんとう)などの辺りに付着し、重症化すると鼻腔や気道、気管支などに広がります。偽膜の下にある粘膜に、炎症による潰瘍ができることがあります。そのため偽膜を無理矢理はがすと出血する可能性があります。

感染から2~5日の潜伏期があり、その後、軽い喉の痛みや飲み込みにくさ、微熱などの症状が現れる前駆期にはいります。前駆期は12~24時間程度です。

子供の場合は、吐き気、嘔吐、悪寒、頭痛などの風邪に似た症状が現れる可能性があります。治療が遅れて重症化すると、偽膜が広がり、それらが突然剥がれることで気道を閉塞させます。偏桃や咽頭の腫れによって呼吸困難をきたすようになります。

またジフテリアはジフテリア菌が産生する毒素によりおこる合併症にも注意が必要です。その中でも、心筋炎と神経症状は命に関わることもあります。

心筋炎は、ジフテリア発症後から、10~14日程度で発症することが多いとされています。しかし、病初期から6週目くらいまではいつでも発症する可能性があります。心筋炎は命に関わる不整脈や心不全の原因になり、死に至ることもあります。

軽度の心電図異常が20~30%の症例で見られ経過中は厳重な観察が必要です。神経症状の典型的な例は飲食物の飲み込みにくさ(嚥下障害)や言葉の発音のしにくさ(構音障害)から始まり、鼻水の逆流、舌、顔面の痺れなどの症状です。

嚥下障害などは発症の1週間目くらいからおこります。また3~6週目には末梢神経障害が起こるケースも多いとされています。

末梢神経障害は急性期を乗り切れば自然治癒しますが、回復まで何週かにわたる時間がかることもあります。

治療が遅れると麻痺などの後遺症を残すことがあります。


ジフテリアの診療科目・検査方法

咽頭粘液の塗抹、培養にて、ジフテリア菌の確認を行います。

ジフテリアと診断されたら、呼吸の状態や合併症の兆候がないか経過を観察することが大切です。

速やかに治療を行うために入院加療が必要になります。子供の場合は小児科内科(可能であれば感染症内科)、もしくは耳鼻いんこう科を受診しましょう。

ジフテリアの原因

ジフテリアは、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)の感染による感染症です。患者の症状が現れている部位(のどの偽膜や潰瘍、変色した粘膜など)からこの菌が検出されて診断されます。

酸素のない環境でも育つ嫌気性の菌でコリネバクテリウム属に属する嫌気性グラム陽性桿菌です。人にしか感染しないとされていますが、感染した人すべてがジフテリアを発症するわけではありません。鼻や咽頭にジフテリア菌を保菌する無症候性鼻咽頭キャリアとなる人も大勢います。

ジフテリアは感染した菌がジフテリア毒素を産生するかどうかにより分類されます。2つに分類され「毒素産生菌」と「非産生菌」のどちらも重症化の可能性があります。毒素産生菌に感染すると呼吸器症状を主とした「呼吸器ジフテリア」、非産生菌に感染すると皮膚症状を主とした「皮膚ジフテリア」となります。

またジフテリア菌の遺伝子型は3種類あり「gravis型」「mitis型」「intermedius型」に分類されます。しかしこの遺伝子型の違いは病原性との間に密接な関係はないと考えられています。

飛沫感染が感染原因の大半です。

ジフテリア患者や無症候性鼻咽頭キャリアの咳に混じったジフテリア菌が、咽頭や偏桃の粘膜にくっついて増えることなどで感染します。また患者の鼻水や痰などに接触することで感染する可能性もあります。ジフテリアの二次感染として起こりやすい「皮膚ジフテリア」は、皮膚に接触することで感染します。

ジフテリアの予防・治療方法・治療期間

ジフテリア抗毒素を投与して毒素を中和します。

除菌療法としては、エリスロマイシン又はペニシリンの投与になります。ジフテリア菌の感染は、ワクチンで予防できます。

ジフテリアの診断をした場合、2週間を目安に抗生剤投与して治療し、ジフテリア菌の除菌完了を確認します。

ジフテリアの治療経過(合併症・後遺症)

血清によるジフテリア抗毒素と除菌療法を用いることで、発症早期に治療を開始できれば治療は可能です。

ジフテリアになりやすい年齢や性別

ジフテリアは、現在の日本では見かけない病気になりました。

また公衆衛生環境の整った先進国ではジフテリアの発症はほぼ見られません。これはワクチンの普及が効を奏したからとされています。

逆にワクチンの接種が進んでいない途上国や公衆衛生環境の整っていない地域では、いまだにジフテリアの散発的な流行が見られます。海外旅行などでは現地の人から感染する可能性があり、アジアやアフリカを中心とした途上国ではいまだに流行しています。

執筆・監修ドクター

大利 昌久
大利 昌久 医師 おおり医院 院長 担当科目 小児科/内科/外科/精神科/アレルギー科/呼吸器内科

経歴1968年 長崎大学医学部卒
1978年 医学博士 東京大学大学院
1986年 おおり医院開設

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