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うつびょううつ病

だいうつびょうせいしょうがい大うつ病性障害
更新日:2022/08/16 公開日:2019/01/23 view数:7,507

うつ病とは?

うつ病は、多くの人が経験する精神疾患の一つです。アメリカ精神医学会の「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル:第5版)」では、うつ病の正式名称を「大うつ病性障害」としています。誰しも一時的に気持ちが落ちこんでしまうことはありますが、通常は時間の経過とともに緩和されていきます。このような一時的もしくは軽度の憂うつや、正常な抑うつ反応も含めて「抑うつ状態」と呼びます。しかし、抑うつ状態になっているだけでは、うつ病とはいえません。

前述のDSM-5ではうつ病に対して診断基準がもうけられています。基準に当てはまり、2週間以上続くと「うつ病」と診断される可能性があります。今まで興味があったものに対して興味がない、喜びを感じない、食欲がなくなる、体重が変化する、気力がわかない、自分を責める、自殺を考える、眠れない、疲れているなど、あらわれる症状はさまざまです。原因ははっきりと解明されていませんが、何らかの脳の機能の変化が想定されています。明らかにほかの病気や薬などにより引きおこされている場合はうつ病とはされません。

もし、長期間、抑うつ状態が続いているのであれば心療内科精神科を受診しましょう。また、治療に取り組むためには家族や友人、職場など周囲の人の理解と協力も必要です。

目次
  1. うつ病の症状
  2. うつ病の診療科目・検査方法
  3. うつ病の原因
  4. うつ病の予防・治療方法・治療期間
  5. うつ病の治療経過(合併症・後遺症)
  6. うつ病になりやすい年齢や性別

うつ病の症状

症状には大きく分けて、精神的な症状と身体的な症状があります。
すべての患者さんが同じような状態になるのではなく、あらわれる症状は人によりさまざまです。

抑うつ気分

憂うつな精神状態のことです。気持ちが落ちこむ、理由もなく悲しい、喜びや楽しみを感じないなどの状態で、うつ病の場合はほぼ毎日、2週間以上にわたって継続します。こうした状態が短期間あるだけではうつ病と判断することは難しいですが、他の抑うつ症候群の可能性はあるかもしれません。

意欲低下

やる気がない、集中力がない、楽しめないといった状態になります。注意力が低下して簡単なミスを繰り返すこともあります。

身体の症状

1.眠れない、あるいは常に眠いなどの睡眠の異常があらわれる場合があります。
2.食欲がない、あるいはいくら食べても満足しないなど、食欲の異常あるいは体重の変動があらわれる場合もあります。
3.全身がだるい、体が重いなど常に疲労感を感じます。

これら以外にも動悸、胃痛、頭痛、便秘、異常な発汗などを伴うこともあり、症状には個人差があります。

うつ病の診療科目・検査方法

これといった原因がないのに元気がない、ふさぎ込んでいる、集中力が落ちた、気力がない、口数が少ない、痩せてきた、眠れないなどの抑うつ状態が疑われ、いつもと違う様子が半月以上続く場合、または何か原因があってもその程度が著しい状態が続く場合は、受診をすすめたほうがいいでしょう。うつ病の場合は受診する気力すらなかったり、診断されることや治療をひどく怖がったりする場合もあるため、周囲の理解と支援が必要です。受診してもうまく説明できなかったり、周りからみた状態と本人の認識が異なっている場合もあるため、受診に付き添ってあげることも有益です。

受診は精神科が良いでしょう。また、心療内科のみの標榜でもうつ病の治療が可能なところも多くみられます。後述しますが、診断と治療には難しい面があるため、その中で専門医のいる医療機関をおすすめします。精神科にかかりたがらない場合や、他の病気ではないか迷う場合には、かかりつけ医にまずかかって体の病気でないかどうかを確認し、その後専門医に紹介していただくのも選択肢の一つです。

うつ病では確定診断に至る検査はまだ確立していないため、面接で主に症状と経過を聞き取って診断します。体の病気による抑うつ状態を除外するため血液検査、画像診断等をおこなう場合があります。原因がわかっていないこともあり、実際の診断は難しい面があります。

医師個人でばらつきが出ないよう標準化された診断基準には、世界保健機構(WHO)やアメリカ精神医学会のものがあります。診断基準は患者さんやご家族等にも参考になる面もあるのですが、自己診断は危険です。習熟した医師の診断に従い、治療を受けることをおすすめいたします。同じうつ病の診断であっても重症度や患者さん一人一人の背景によって治療方針は異なってきます。

うつ病の原因

はっきりとした原因や発症のしくみはわかっていません。発症には「ストレス」「遺伝」「性格的な傾向」などが影響していると考えられています。

親しい人との死別、失業、離婚、病気、人間関係のトラブルなどを機にうつ病になることがあります。また、幼小児期からの不幸な体験が重なることなども影響することがあります。

かつてはうつ病の病前性格が注目された時期もありましたが、現在はなりやすい性格的傾向については諸説あり、はっきりしないようです。どちらかというと誰でもかかりうる病気ととらえられています。しかし、ある一定の性格の偏りがあるとうつ病の経過が悪くなるといわれています。

遺伝については、あくまで要因の一つです。うつ病になりやすい素因の有無はあるようで、いくつかの研究からはうつ病に関連している遺伝子があると考えられています。しかし、その遺伝子を持つ人が必ずしもうつ病になるということではありません。

ほかにも慢性疾患や生活習慣病、がんなどの生命にかかわる病気、ほかの精神にかかわる障害なども影響している可能性があります。また、抑うつ状態を引きおこしやすい薬もあります。

発症のしくみについては、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどのモノアミンと呼ばれる神経伝達物質の機能が低下することでおこるとする説が有力です。

うつ病の予防・治療方法・治療期間

急性期では負担を軽減し、休養をとることが大切です。重大な決定は避け保留にすることが推奨されます。励ましや気分転換の強要は本人の負担になる場合もあり、周囲の理解が必要です。

基本的な治療法は、精神療法および薬物療法です。

軽症の場合は非薬物療法で快方に向かうこともあります。しかしそれだけではうまくいかない場合も多く、特に中等症以上の場合、抗うつ薬を中心とした薬物療法をまず考えます。薬物療法は再発予防効果もあり、重要です。しかし、薬物療法のみがおこなわれることは一般的ではなく、生活指導や心理教育などと支持的精神療法と組み合わせておこないます。

抗うつ薬は比較的副作用の少ない新規抗うつ薬から開始することが一般的です。新規抗うつ薬にはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、NaSSA(ナッサ)・(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)などがあります。これらが効果や忍容性の点で問題がある場合や重症の場合は従来型の抗うつ薬(三環系、四環系)が用いられることもあります。薬物療法の効果があらわれるまでには、早くても半月くらいはかかります。

難治性のうつ病には修正型電気痙攣療法(mECT)がおこなわれることもあります。麻酔管理下でけいれんがおこらないようにして脳に通電する治療法です。重症、特に緊張病症状を伴うケースでは薬物療法を上回る効果が効果が示されています。

うつ病で睡眠障害が加わると予後が悪くなるため、睡眠衛生指導も重要です。睡眠障害の改善のため、睡眠薬が併用されることもあります。また、飲酒は睡眠の質とうつ病の経過を悪くし、薬との飲み合わせも良くないため、控えましょう。

体系的な精神療法の中には思考パターンを修正する「認知行動療法」があり、有効性が示されています。習熟した医師または臨床心理士等と1回30分以上、十数回のセッションをおこないます。この治療法は手間と時間がかかるため、通常の保険診療内でおこなっている医療機関はほとんどみられないのが実情です。

回復期では再発防止も重要です。ストレスへの対処方法を身に着け、睡眠や休息を適度にとり、生活リズムを整え続けます。また、適度な運動など行動の活性化も推奨されます。休職していた方の復職支援のリハビリテーションとして、リワークプログラムに取り組んでいる医療機関や公的機関もあります。

ほとんどの場合、通院での治療が可能です。ただし、再発予防療法を含めると、治療期間は1年以上必要なことが多くあります。反復性のうつ病では治療は数年以上にわたることも少なくありません。
重症であったり合併症がみられる場合、自宅で十分療養ができない事情がある場合、特別な治療法を要する場合などは入院が必要なこともあります。

うつ病の治療経過(合併症・後遺症)

約8割のうつ病の方は、ほとんど元の状態(寛解状態)に戻れるとされています。しかし、再発が多いことが問題です。特に、症状が安定したようにみえても完全には回復しておらず、無理をして逆戻りしてしまうことがあります。

辛い症状がなくなるだけでなく、興味や関心が戻り、十分なパフォーマンスも出せるようになり、特に目立った症状が出ない状態を目指し、治療を続けます。自己判断で薬の服用をやめてしまうことなども再発につながります。再発を繰り返すと治り難くなるばかりではなくその後の再発も増えることが知られています。そのため、治療は焦らず継続する必要があります。特に復職される方は再発予防対策が重要になります。

うつ病になりやすい年齢や性別

日本における、うつ病を含む気分障害の患者さんの数をみてみると、1996年は43.3万人、1999年は44.1万人と、1990年代にはあまり変化がありませんでした。その後、2002年は71.1万人、2008年は104.1万人と推移しています。
こうした背景には診断基準の変化やうつ病に関する認識がすすんだことなども影響しているため、単純に増加したとはいえないという意見もあります。

女性や若い人に多いとされています。ただし、日本では中高年の割合も高く、社会経済的影響も大きい傾向にあります。

また、日本では3~7%の人が生涯に一度はうつ病にかかると考えられています。

執筆・監修ドクター

坂井 俊之
坂井 俊之 医師 坂井メンタルクリニック 院長 担当科目 精神科/心療内科

経歴1991年 昭和大学医学部卒業
1997年 昭和大学精神医学教室助手
1999年 埼玉県立精神医療センター急性期精神科医長
2004年 東京都立中部総合精神福祉センター保健福祉部生活訓練科長
2007年 坂井メンタルクリニック開業

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