子宮頸がん

子宮頸がんは治る病気ですか?何歳ぐらいが発症しやすいのでしょうか?

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

 

子宮頸がんは早期治療をおこなうことで治る見込みはあります。
しかし、他の部位にがんができることもあるため、注意が必要です。
30~40代で発症する傾向にありましたが、近年は若い人が発症する傾向にあります。

子宮頸がんの基礎知識

子宮頚がんの基礎知識

そもそも「がん」とは?

「がん」は日本人の2人に1人はかかる病気です。
人間の身体は多くの細胞からできており、健康的な細胞に過度な負担をかけるようなストレスや強い刺激を与え過ぎると、一部が「がん細胞」に変異します。一般的な細胞であれば、ケガをしたときに傷口を防ぐため細胞が増殖し、治れば増殖を停止する仕組みになっています。

しかしがん細胞になると、周りの組織を壊しつつ勝手に増殖を繰り返し、停止することはありません。
やがて、がん細胞の増殖スピードは徐々に上がり、浸潤(しみ出るようにがん細胞が広がること)と転移(身体のあちこちにも発生すること)を繰り返します。

そして、正常な細胞が摂るべき栄養を奪っていくため、身体が衰弱していく病気です。
抗がん剤で進行を遅らせたり、がん細胞を切除したりしますが、進行していると、転移スピードが速く取り返しのつかないことになります。発見が遅れると治療が難しい病気です。

「子宮頸がん」は「子宮がん」のうちの一つ

子宮がんは、名前の通り子宮にがん細胞が発生することです。子宮がんは2種類に分けられます。
一つは「子宮体がん」で、卵巣や子宮自体の含めた部分にがん細胞が発生する病気です。
もう一つは子宮の入り口である子宮頚管にがん細胞ができる「子宮頸がん」があります。今回はこの「子宮頸がん」について解説していきます。

子宮頸がんにつながる「異形成」

HPV(ヒトパピローマウィルス)というウィルスによって、細胞が「異形成」となり、がん細胞がつくられることが、子宮頸がんの原因です。
「異形成」とは正常な細胞の形態が変わることを指し、軽いものならば自然に治りますが、長期間異形成が続くとがん細胞に変わってしまいます。

子宮頸がんを見極める異形成のクラス分類

異形成のクラス分けには日本母性保護医協会が作成した「細胞診クラス分類」と米国で研究された「ベセスダシステム」があります。
「ベセスダシステム」は異形成の状態を細かく分類しているのですが、患者さんにはわかりにくい専門的な内容となるので、今回は「細胞診クラス分類」について紹介します。

①クラスⅠ・・・まったく異常がない状態です

②クラスⅡ・・・異常と言えることはなく、炎症が起きたり、ホルモンバランスが乱れたりしている状態です。強めの炎症やバランスの乱れが起きている場合はⅡb(またはⅡR)と分けられる場合もあります。子宮頸がんになる可能性は低い段階です。

③クラスⅢa・・・「がん」だと疑われる訳ではありませんが、動きが活発な細胞がみられる状態です。さらに上の段階の部分が紛れていることもあるため、精密検査をすすめられる場合があります。

④クラスⅢb・・・「がん」になる可能性がある状態です。この状態になった人の20%は「がん」になると言われています。初期の「がん」が紛れているケースもあるので精密検査を受けるべき段階です。

⑤クラスⅣ・・・初期の「がん」が疑われる状態です。

⑥クラスⅤ・・・進行している「がん」がある状態です。

クラスⅢから「がん」になるのは20%、クラスになっても手術すればきれいに「がん」を治療できます。クラスⅤになると粘膜の奥深くに「浸潤がん」として居座ります。「浸潤がん」とは、他の組織へ広がる可能性のあるがん細胞のことです。
異形成が始まってから浸潤がんになるのに、10~15年かかると言われています。

子宮頸がんは早めに治療すれば治せる

子宮頸がんは他の「がん」と同様、早い段階でがん細胞を切除することで治療することができます。
しかし、「完治」という表現はできません。治療しても、血液やリンパを通じてがん細胞が転移していることもあるためです。

発症年齢の傾向

子宮頸がんになる人は30~40代が多い傾向にありました。しかし近年、性行為をおこなう年齢が若くなってきており、10代で性行為をした際にHPVに感染する人が多くなってきています。
そのため、20~30代になってから、がん細胞を抱える人が増加しています。

板東先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。
 

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