たんどうへいさしょう胆道閉鎖症
胆道閉鎖症とは?
胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)は胆汁の通り道である胆道が閉じてしまう病気です。
胆汁は消化を助ける働きがあり、胆のうから胆道を通って十二指腸で働きます。
しかし、胆道が詰まってうまく流れなくなることで肝臓に滞留し黄疸などの症状がおこります。
その状態を放置すると肝硬変や脳出血をおこすこともあり、胆汁性肝硬変症になれば回復が難しくなります。
胆道閉鎖症は生後まもなくの子供におこることが多い病気で、生まれつきの場合や生後すぐになんらかの原因によって胆道が詰まることがあります。
眼球の白目の部分が黄色くなる黄疸という症状や白っぽい便などが確認された場合は早急に小児科を受診する必要があります。
また、腹部の右上を軽く押した際に、硬めの肝臓が当たる場合も早急な受診が必要です。
胆道閉鎖症の症状
新生児期~乳児期早期に便の色調異常、肝腫大、黄疸で見つかることが多いです。
また胆汁うっ滞にともない、血液を固める成分のもととなるビタミンKの吸収障害を来し、出血傾向を来すこともあります。
胆道閉鎖症の診療科目・検査方法
胆道閉鎖症の原因
病気の原因として、先天性の要素、遺伝的要素、感染症の関与などが言われていませんが、はっきりとした原因はわかっていません。
ロタウイルス感染や、胆管細胞のアポトーシスが関与しているとの報告もあります。
胆道閉鎖症の予防・治療方法・治療期間
まず、直接胆道造影を行い、病型を決定します。病型によって治療法を選択し、肝外胆管切除術を行ったり、肝管や肝門部空腸吻合術を実施します。
前記手術により黄疸消失が得られるのは6割程度。術後に黄疸が再発した場合や、合併症により著しくQOLが障害されている場合などには、最終的に肝移植を適応することもあります。
治療法により異なりますが、長期間の治療が必要になります。
胆道閉鎖症の治療経過(合併症・後遺症)
治療法により差はありますが、長期間の治療が必要です。
胆道閉鎖症になりやすい年齢や性別
従来日本では出生10,000人に1人の発生頻度といわれてきましたが、近年の研究ではこれよりやや頻度が高いことがわかってきています。現在国内に約3,500人以上の罹患者がいることが確認されています。
男女比は0.6対1と女の子に多くみられます。
先天性で、執筆医の経験則では生後3ヶ月までには大抵発見されています。
執筆・監修ドクター
経歴2009年 藤田保健衛生大学医学部卒業
2009年 津島市民病院で初期研修
2011年 慶應義塾大学大学院経営管理研究科
2013年 総合大雄会病院 消化器内科
2017年 総合大雄会病院 消化器内科 診療副部長
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