ごえんせいはいえん誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは?
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は食べ物や飲み物を飲みこむ機能(嚥下(えんげ)機能)の障害がきっかけでおこります。飲み込んだものは本来は食道を通って胃に落ちていきますが、嚥下機能障害になると飲み込んだものが気道へ入いる誤嚥(ごえん)とよばれる状態になります。誤嚥した際に一緒に細菌なども肺へ入ることで発症する肺炎が誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎は高齢者や脳梗塞後遺症の患者さんなどで嚥下機能が低下している人には発症するリスクがあります。
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誤嚥性肺炎の症状
発熱、咳、痰などが典型的な症状です。
しかしこれらの症状がなく、倦怠感、食欲不振といった症状がみられることが多いです。
誤嚥性肺炎の診療科目・検査方法
発症したらすぐに呼吸器内科を受診しましょう。
胸部X線写真で肺炎であるかどうかを確認し、白血球増加や炎症がないかを診ます。
喀痰(かくたん)検査をおこなうこともあります。
誤嚥性肺炎の原因
嚥下機能障害のため唾液、食べ物、胃液などと共に口腔内の細菌を気道に吸引することで発症します。
誤嚥性肺炎の予防・治療方法・治療期間
抗菌薬などの薬物療法。呼吸状態や全身状態が不良な場合は入院治療が必要です。
高齢者や中枢神経系障害などで寝たきりの患者さんに発症が多く、症状の改善には時間を要します。予後が思わしくないケースも多いです。
誤嚥性肺炎の治療経過(合併症・後遺症)
適切な医療行為を受ければ治療できます。
誤嚥性肺炎になりやすい年齢や性別
肺炎による死亡者数のうち、約95%が65歳以上との指摘があります。
肺炎の死亡率は、先進国と同様 100 人(人口 10 万人あたり)程度(2013年時点)です。
以上を踏まえ、高齢者が罹患する肺炎のうち、7割以上が誤嚥性肺炎とされていることに留意する必要があります。
嚥下機能が低下した高齢者、脳梗塞後遺症や脳神経疾患(パーキンソン病など)がある患者さん、寝たきりの患者さんに多く発生します。性差はありません。
編集部脚注
※1 嚥下機能(えんげ-きのう)
嚥下機能は、「飲食物を飲みこんで、食道を経由させ、胃に収める機能」です。
嚥下機能に障害が起こると、「飲食物が気道に入る」などの問題が起こります。
※2 喀痰検査(かくたん-けんさ)
喀痰検査は、「痰に細菌、がん細胞などが混じっていないか確かめる検査」です。
喀痰は痰の正式名称です。
肺がんの検査として実施する場合は「喀痰細胞診」と呼びます。
誤嚥性肺炎の検査においては、細菌の有無を調べます。
執筆・監修ドクター
経歴東海大学医学部 卒業
日大板橋病院 勤務
日赤医療センター 勤務
国立病院東京災害医療センター 勤務
東大和病院 勤務
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